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ヴィパッサナー瞑想が経営学の本に出てきたので、体験記を書いてみた

大学院のM1のゼミの中で、たまたまヴィパッサナー瞑想の話がでました。
でてきた本はこちら。

体験学習プログラムの一つとして出てきました

自分がヴィパッサナー瞑想体験者だったのでその内容を伝えようとしたものの、「これを見ればざっくりわかる」という記事を見つけることができませんでした。

「だったら自分が書くか…」と思い、noteに体験記を書いてみることにしました。



そもそもヴィパッサナー瞑想って?

公式サイトを見るとこのような記載があります。

ものごとをありのままに見る」という意味のヴィパッサナーは、インドの最も古い瞑想法のひとつです。この瞑想法は2500年以上も昔、インドで、人間すべてに共通する病のための普遍的な治療法、すなわち「生きる技」として指導されました。ヴィパッサナー瞑想に関するさらにくわしい説明は、ゴエンカ氏の講演『生きる技』をご参照ください。

日本ヴィパッサナー協会

初見だとなかなか捉えづらい言葉かな、と思います。基本は「インドの最も古い瞑想法のひとつ」のところだけとどめておけばOKです。

ヴィパッサナー瞑想はまずは10日間の合宿コースに入ります。
ちなみに瞑想は10日間ですが、その前後に1日ずつ必要なので、12日間家を空ける準備が必要です。

またこの合宿コースは世界中のヴィパッサナー瞑想センターで受けることができます。日本には2か所あり、京都のダンマバーヌ・センター千葉県のダンマーディッチャ・センターです。

合宿コース中は戒律を守る必要があります。詳細は本家のサイトをご覧いただくとして、よく話題になるのは「聖なる沈黙」です。10日間、読む、書く、誰かと話す(ジェスチャーや手話含む)ことは禁止されています。ただし、瞑想の指導者やこの合宿をサポートしてくれるマネージャーの方と会話することはできます(私も爪切りをお借りしたく、マネージャーの方と会話しました)。

それ以外に食事はすべて菜食2回目以降の合宿コース参加者(「古い生徒」と呼ばれます)は、正午以降食事をとることができません

4:00起床(!)、4:30~21:30まで瞑想や食事、講和などがあり、21:30就寝です。

日々の時間割 休憩の時間にシャワーや洗濯をすませます

生活、瞑想の空間はすべて男女が分離されています。

上記をおさらいすると、こんな感じ。

  • ヴィパッサナー瞑想はインドの最も古い瞑想法の一つ

  • 10日間(前後合わせて12日間)の合宿コースに参加する

  • 合宿コースに参加できるセンターは、日本の場合千葉と京都にある

  • 合宿コース参加中は戒律あり 聖なる沈黙、菜食、2回目以降コース参加者は正午以降の食事無し、など

  • 4:00起床、4:30~21:30まで瞑想や食事、講和などがあり、21:30就寝

  • 生活、瞑想の空間はすべて男女が分離


ヴィパッサナー瞑想を知った&行くことにしたきっかけは?

2013年ごろ、人事の仕事をしていたときに「経験学習」という理論と出会いました。その中で、たまたま話題にあがったのがヴィパッサナー瞑想でした(注:経験学習とヴィパッサナー瞑想に直接的な関係はありません)。

そこから調べ始め、関心を持つ中、たまたま自分のメンターがヴィパッサナー瞑想をされていた関係で、自分も参加してみることにしたのが2016年(千葉)。

その後、だいぶ時間が空いてしまいましたが、「大学院に行く前に一度ヴィパッサナーに行っておこう」と思い、2022年の合宿に申し込みました。2回目は京都で受けています。

とにかく一番大変なのは「会社の休みを合わせられるか」(それに加え、合宿の席がとれるかどうか…これは後述します)。ここをクリアするのは大変だなぁと毎度思います。

瞑想センターの雰囲気は?

「アットホームな合宿所」という感じです。
個人的にはこうした宿泊施設が好きなので、私にはあっていました。
(写真や宿泊施設は当時のものですのでご了承ください)

千葉の瞑想センターはこんな感じ。

真ん中が瞑想ホール、右側が女性宿泊棟、左側が男性宿泊棟です
新しい生徒の宿泊棟 新しい生徒は集団での就寝となります
宿泊棟から瞑想ホールまでの道
宿泊棟からシャワールームや食堂(緑の建物)までの道のり 結構距離があります
シャワールームを出るとすぐ外のため、冬に髪を乾かすのは相当大変そうだなと思いました

そしてここからは京都。2022年に古い生徒として参加しました。

エントランスの看板
京都は宿泊施設と瞑想ホールが一体化しています 古い生徒は概ね一人部屋が用意されます
センターのお庭 運動不足になるため毎日ここをぼんやり歩いていました

京都は千葉よりセンターが小さく、よりアットホームの感じ。どちらの食事も大変おいしく、センターのマネージャーの方が居心地の良い場を作ってくれるので、瞑想に集中することができました。

京都の合宿ではたまたま知人も参加しており、帰りに京都市街の温泉によって帰ってきました。ヴィパッサナー瞑想後の温泉は最高です…。

「不感温浴」というお風呂、ずっと入っていられる…


費用はいくら?

いろいろと驚きですが、費用自体は請求されません。
公式サイトは以下のように書かれています。

合宿コースは寄付のみによって運営されております。合宿の参加費用は食費、宿泊費を含めて、一切請求されませんすべての経費は、コースを終了し、ヴィパッサナーから恩恵を受けた人たちの「他の人たちにもこの機会が与えられるように」との思いから行う寄付によってまかなわれております。瞑想の指導者も何ら報酬を受け取りません。また合宿コースの運営メンバーも全員ボランティアとして参加しております

日本ヴィパッサナー協会

私は毎度、「経費分はこのくらいかな…」と思う金額を納めています。

参加者にはどんな人がいる?

千葉の時も京都のときも、年齢のボリュームゾーンは30代かなという印象でした。

仕事は、ヨガ講師、臨床心理士、学校の先生、コーチ、事務職、農家、ダンサー、学生などさまざまです。

どうやって予約する?

コースの申し込みサイトから予約するのですが、これがなかなかに至難の業。コースの申し込みが開始すると、席がすぐ埋まってしまいます。

特に年末年始は「ライブのチケットか」というぐらいの売れ行き(?)。
コースの申し込み開始10分後には、すべての席が埋まっていました。

ですので、参加ご希望の方はコースの申し込み開始5分前にはパソコンの前に座り、すぐ申し込みができるようにしておくとよいと思います。


合宿に参加してみてどうだった?

終わった後は身体がぽかぽか

どういった効用なのかわかりませんが、合宿後駅に向かう途中、身体がぼかぼかしていることに気づきました(熱ではありません)。

身体も軽く感じました(家に帰って体重計に乗ったら4キロ瘦せていたので、当たり前っちゃ当たり前かもしれませんが…)。

聖なる沈黙後、声が出なくなったw

1回目の時は、聖なる沈黙が解かれた後に何を話していいかわからなくなり、一気に声がでなくなりました。

私自身、自分からしゃべる方ではないので聖なる沈黙自体は苦痛ではないのですが、いきなり「しゃべっていいよ」と言われると何を話していいかわからなくなるものなのだなぁと…。

頭もぼんやりしていたようで、家に帰ってきたら室内で転んで捻挫をしましたw

瞑想中しんどかったことは「足の痛み」

瞑想中しんどかったことは「足の痛み」です。
瞑想中は1時間、できるだけ身体を動かさないようにするのですが、これが本当にしんどい…。(むしろこれ以外にしんどいことはないというぐらい快適です)

瞑想の座り方は指定されていないので、お尻にクッションを入れるなど、何かしら工夫されるといいかと思います。

驚くほどおいしい食事

ヴィパッサナー瞑想の菜食の食事が大変おいしかったので、家に帰ってから1年ぐらいはラクトベジタリアンとして暮らしたり、そのあともちょこちょこと瞑想を続けたりしていました。

2016年の千葉の合宿後に自分が書いた気づきメモ


2回目参加してみてどうだった?

1回目に参加して、「また行きたいな~」と思ってはいたものの、なかなか休みが取れずに数年が過ぎ…。今回なんとか席も休みもとれて、2022年末に参加しました。

10日間の合宿の流れがわかっているので、前回に比べるとあっという間に10日間の日々が過ぎていきました。

前回のような身体のぽかぽかはなかったのですが、聖なる沈黙後にすぐしゃべることができ、いろいろな参加者とコミュニケーションができたことも楽しかったです。本当にいろんなきっかけ、人生のタイミングでこの瞑想に参加される方がいるのだなぁと思いました。

瞑想時の座り方もマスターしていたので、足の痛みもほぼありませんでした。

そして家に帰ってきたら「顔が変わった、すごくすっきりしてる」と言われました。何か憑き物が落ちたんですかね…。

また参加してみたい?

ぜひまた参加したいですし、今度は日本以外のセンターにも行ってみたいなと思っています。

それ以外に、「奉仕」という形での参加もしてみたいと思っています。
合宿におけるマネージャーや、食事を作る方は皆さんボランティアとして参加しており、こうした形の参加を「奉仕」と呼んでいます。
ぜひ自分も皆さんの食事を作る形で参加したいな、と。



「ヴィパッサナー瞑想に行ったことで世界が変わった!」という方もいらっしゃいますが、私はどちらかというと「豊かな時間をたっぷりいただいた」という感じでした。

内省とは異なり、ヴィパッサナー瞑想では自分の声を聴くことはしません。
ただひたすらに感覚を追っていくだけ。
この時間に集中できる環境に、感謝しきりでした。

ここまでお読みいただいた方で、もしご関心とタイミングがあえばぜひヴィパッサナー瞑想に行ってみてください。

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