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友あり遠方より来る

   友あり遠方より来る
鳴沢 湧

昨日突然の電話で「図書館であなたの本を読んだ。久しぶりに会いたい」との電話があって、今日午後三時半ころ八年ぶりの友人が訪れた。
三時くらいからドリップで珈琲を淹れて待っていたので冷めてしまった珈琲とお茶とをチャンポンに飲みながら、しばらく歓談した。
驚いたことには私より五歳も若いのに私よりも耳が遠い。行き違いの問答に妻は呆れ返っていた。ちんぷんかんぷんでも久しぶりに会って話が弾むのは楽しかった。
彼にとっては私が本を刊行して、それが市の図書館の棚にあったということが驚きだったらしい。しかもそれを読んで、感動したという。私にとってもうれしい出来事だった。
お互い、ボランティア団体に所属していて、その中でパソコンクラブを作ってその時には私が教える側だったが、今も続いているという。
彼は八十歳だというのに車を運転して、自分の畑で採れたという野菜をたくさん持ってきてくれた。その中にあったフキノトウのかなり大きいものがおいしそうだった。
夕食に蕗味噌にしてご馳走になったが、今年初めて春を実感できる「春の香りと味」だった。
私は自分が八十六歳までも生きられると思っていなかったし、彼も内臓が弱く、六十歳迄も生きられるかと、自信がなかったという。
詳しい話まではできなかったが、家庭も円満そうだし、元気なのがうれしかった。
パソコンが予測不可能な状態になってしまって、何とか使いこなそうとかかり切りで疲れて、意気消沈していた時だけに旧友の訪問がありがたかった。
私の本棚には、創作集『山のふところ』、金婚式の記念の句集『星霜五十年』
自分史のグループ『おもい川』で書いたグループの文集とその個人集、創作講座の文集『在吾』(ありあ)が何冊も、エッセィの会で作った文集『紬』が数冊その前に、これ等の総てに添削、ご講評、ご指導くださった作家 水樹涼子先生のご著書がある。

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