秋吉成紀

服、本、特撮、銭湯、その他もろもろのものごと。https://twitter.com/…

秋吉成紀

服、本、特撮、銭湯、その他もろもろのものごと。https://twitter.com/narukiakiyoshi

マガジン

  • 本について。

    想像力こそが世界を美しくする。その想像力は経験に拠るけれども「人生のストーリーは一生じゃ足りない」。だから本がある。

  • その他諸々のものごとについて。

    「ジャンルレスなジャングル」。

  • 銭湯について。

    万病の薬。

  • 特撮について。

    大切なこと全部、とまでではないにせよ多くの大切なことを、大切であろうことが存在することを教えてくれたのは特撮だった。

  • 服について。

    服が大好きだ。そして「ファッション」が死ぬほど嫌いだ。 衣服こそが人類を人類たらしめている理性と知性の象徴だと思う。

最近の記事

「俺八分」を超えて 『うしろめたさの人類学』

切断にまみれた時代に生きている。あらゆるものを閉じた世界に生きている。それではなにも変わらないと思う。 『うしろめたさの人類学』 (松村圭一郎、ミシマ社、2017) 自分たちがその手綱を握っていることを意識しながら、一人ひとりの越境行為によって、そこにあらたな意味を付与し、別の可能性を開いていく。それが重要だと思う(p188) 「俺八分」村八分という言葉がある。「村の規範や秩序を乱す者を排斥・絶交する制裁行為」という意味だが、これに似たような行為をSNSなどインターネッ

    • 「まだない」体験、「まだない」感情 『バー・ミラクル』sweet編

      『バー・ミラクル』sweet編 (feblabo × シアター・ミラクル、新宿シアター・ミラクル、2019年6月28日~2019年7月8日) 先日、『バー・ミラクル』sweet編を見てきた。目当ては大学からの友人である恭弘くん(@yasuhiro0305)が脚本した『エモくてごめんね』。滅多に演劇を見ることはないので久々に楽しみだった。 そこで、感想と自分がコンテンツに触れるとき見たいものについて、勝手気ままに思うところをざっくばらんに。公演期間も過ぎたのでネタバレ込みで

      • ブラックホールになりたい 『読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術』

        なぜ自分は文章を書いているのか。この本を端緒に、自分なりに改めて考え直してみたい。 『読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術』 田中泰延、ダイヤモンド社、2019 しかし、怖れることはない。なぜなら、書くのはまず、自分のためだからだ。あなたが触れた事象は、あなただけが知っている。あなたが抱いた心象は、あなただけが覚えている(p224) ファーストひろのぶ著者の田中泰延さんとの個々の出会いについて書く「 #ファーストひろのぶ」というハッシュタグがTwi

        • 布数グラムの力

          政治がわからぬ。けど、服ならちょっとわかる。 ハンケンリョク ムセイフシュギこれは前座。本題は「『ViVi』 × 自民党」から。先々月、大阪に行った時にふらと立ち寄った店(名前は忘れた)で思わず買ってしまったTシャツ。胸には「ハンケンリョク ムセイフシュギ」。そういう政治思想があるわけではない。 「ハンケンリョク ムセイフシュギ」Tシャツ 馬鹿正直にこの「ハンケンリョク ムセイフシュギ」のメッセージに共鳴して買ったわけでは全くない。風体、そういう態度を取りそうなナリをし

        「俺八分」を超えて 『うしろめたさの人類学』

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          6本
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          5本

        記事

          限界ルネサンスに限界ファッションの夢を見る 『限界芸術論』

          「限界」。ここから「限界ファッション」について思いを馳せてみる。現状、オチはない。 『限界芸術論』 鶴見俊輔、ちくま学芸文庫、[1967]1999 「修羅」とは、各個人の中にある外面化されていない分身であって、これが各個人を底のほうからつきうごかして彼を現状に満足させず、彼をして、未来への彼なりのヴィジョンを投影させる(p77) 「際」『限界芸術論』の「限界芸術」、「限界」という概念・考え方から飛躍して、個人的な興味関心に引きつけて「限界ファッション」について考えてみた

          限界ルネサンスに限界ファッションの夢を見る 『限界芸術論』

          「しょうもない」デザイン 競馬場とかにあるあのペン=ペグシル

          なにについて書こうか。そう思いながら手に持っていたのが、これだった。これだ。 「ペグシル」 これだ!!本を読むようになってから、書き込みは欠かさない。ただちょうど良いペンがない、本当に。 大学しばらくの頃は書き込み用に、普通の鉛筆やシャーペンなどを使っていたが、しおり代わりに挟んでいると、本をやたらと傷めてしまう、ハードカバーになると挟んでおくこともできないなどなどでなかなか難儀した。 一時期、めちゃくちゃ小さいシャーペンを使っていたが、それもややましになった程度の変

          「しょうもない」デザイン 競馬場とかにあるあのペン=ペグシル

          ちいさなかしこいゆとりのはなし 『新・ゆとり論 思想でつながり、ゆるく生きる若者たち』

          「ぼくが目になろう」。 『新・ゆとり論 思想でつながり、ゆるく生きる若者たち』 すみたたかひろ、2019 「ある程度の判断基準や客観性を少なからず身につけているのも『ゆとり』的だなと感じるのです」(p61) ゆとりの思想私観ゆとりの思想には、明確なイデオロギーがあるわけではない。いわゆるの「思想」には明確なイデオロギーがある。中核に共有された幻想がある。その点で言えば、ゆとりの思想にはその幻想にさえも“ゆとり”がある。もやもやとまとまりなく、ひとまず思いつく私観、ゆとり

          ちいさなかしこいゆとりのはなし 『新・ゆとり論 思想でつながり、ゆるく生きる若者たち』

          自分のかっこいいを信じる 大好きなものたちを着て...考える

          あの無敵感。あの疾走感。この服たちはそれを俺にくれる。 ...という話と、自分の中でもやもやと、まだ結論に至る事のないことを悶々と。 特撮関連の服たち どっか小さなブレイクスルーここ数年でようやく特撮と服を同席させられるようになった。服が好きだ。特撮も好きだ。それでも、両者はそれぞれ自分の中で独立していた。 でも、特撮の服は“ファッション”にはあまり合わない、と思っていた。ディズニーやピーナッツ、有名なバンドのものならまだしも、だとか。“ファッション”に認可された服し

          自分のかっこいいを信じる 大好きなものたちを着て...考える

          改良湯(東京都渋谷区東2-19-9、https://kairyou-yu.com/) 「BULK HOMME(バルクオム)」の化粧水・乳液があるいい銭湯。 全文↓ https://www.instagram.com/p/Bx7lugTHWpB/

          改良湯(東京都渋谷区東2-19-9、https://kairyou-yu.com/) 「BULK HOMME(バルクオム)」の化粧水・乳液があるいい銭湯。 全文↓ https://www.instagram.com/p/Bx7lugTHWpB/

          末広湯(大阪市中央区日本橋1-16-5) 朝6時からやっているいい銭湯。 全文↓ https://www.instagram.com/p/Bx7lCafHUUW/

          末広湯(大阪市中央区日本橋1-16-5) 朝6時からやっているいい銭湯。 全文↓ https://www.instagram.com/p/Bx7lCafHUUW/

          栄湯(東京都世田谷区用賀4-31-3) ハワイアンなタイルアートがあるいい銭湯。 全文↓ https://www.instagram.com/p/Bx27yb8HzGP/

          栄湯(東京都世田谷区用賀4-31-3) ハワイアンなタイルアートがあるいい銭湯。 全文↓ https://www.instagram.com/p/Bx27yb8HzGP/

          パセリがあってこそ ゴジラじゃない方展

          「ゴジラ」シリーズは、なにもゴジラだけではない。 「ゴジラじゃない方展」 ゴジラじゃない方展実行委員会、西武渋谷店 モヴィーダ館 7階、2019年4月27日~2019年5月6日 「じゃない方」たちサイトURLが「no-godzilla.world」って良すぎませんか。ねえ?さておき、今回画像多め。 開催間もなくの頃、地元の友人2人とで行った「ゴジラじゃない方展」。特別熱があったのは自分だけだったので、むりくり巻き込んで行ったようなものだった。2人とも自分に気を使ってくれ

          パセリがあってこそ ゴジラじゃない方展

          西品川温泉 宮城湯(東京都品川区西品川2-18-11、http://www.miyagiyu.co.jp/) 露天の天然温泉があるいい銭湯。 全文↓ https://www.instagram.com/p/Bxr9YytHxuW/?igshid=9dvjsdir0b00

          西品川温泉 宮城湯(東京都品川区西品川2-18-11、http://www.miyagiyu.co.jp/) 露天の天然温泉があるいい銭湯。 全文↓ https://www.instagram.com/p/Bxr9YytHxuW/?igshid=9dvjsdir0b00

          服は違和感を生み、問いかける 青木のジャージ

          うちのタンスの中には、他人の服がある。たしかに俺の服なのだけれども。 青木のジャージ 服は違和感を生む服は一種、自分の一番近く半径0mに環境を生み出す装置だ。自分の内とも外とも判別のつかない境界のようなそんな環境を生み出す装置だ。例えば、着ていることを忘れてしまうような服は居心地のいい環境を起こす。気兼ねがないから、そのほかへと自らをやつすことを加速させる。一方で、己の自分観を揺るがすような強烈な環境も生み出すことができる。卑近な例えを言うなら、「男性」として育った男性が

          服は違和感を生み、問いかける 青木のジャージ

          今日は「デザインフェスタ49」、兄夫婦とお嫁さんのご家族とおかんと川崎で焼肉。片山と銭湯。毎日なにかしらを投稿するようにと持ちかけてくれたのは片山。毎日書くことで頭の中が整理できると2人で再確認した。明日は何がでるか楽しみだ。 全文↓ https://www.instagram.com/p/BxnOWoYnsUX/

          今日は「デザインフェスタ49」、兄夫婦とお嫁さんのご家族とおかんと川崎で焼肉。片山と銭湯。毎日なにかしらを投稿するようにと持ちかけてくれたのは片山。毎日書くことで頭の中が整理できると2人で再確認した。明日は何がでるか楽しみだ。 全文↓ https://www.instagram.com/p/BxnOWoYnsUX/

          特撮とは現代の寓話である

          特撮といえば、なんといっても戦闘シーン。小さい頃はそう思っていた。かっこいいヒーローとかっこいい怪獣が戦う姿に興奮した。いわばストーリーやドラマパートは、少なくとも当時の自分にとっては、前座や飾りのようなものだった。 かと言って、一概にストーリーが全く心に残っていないかといえばそうでもない。なにか、すっきりとしない思いがいくらか残った。 ウルトラマンは怪獣を倒した。たしかにやっつけたはずなのに。終わったはずなのに。あれはなんだったのだろう? あれはなんだったのだろう?

          特撮とは現代の寓話である