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JYOCHO EP Release TAIBAN 「JYOCHOの云う透り」@梅田シャングリラ

JYOCHOとjizueのライブに行ってきた。「横目で見ていたものを真正面からちゃんと見よう月間(ないし、年間)」ということもあり、リアルタイムであの曲たちがどう演奏されるのか見たかったのだ。ぼんやりとJYOCHOの存在を捉えてから結構時間が流れているけれど、一度もライブでは見たことがなかった。とはいえ、大阪でのライブは3年ぶりだそうなので、こちらの積極性を抜きにしたとしても、遭遇するタイミングに恵まれなかったのは、まぁ、無理からぬ話ではある。

JYOCHOがどういうバンドかと云うと、

「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました」のED曲を担当していたり(なんで?)、

Netflix シリーズ「伊藤潤二『マニアック』」のED曲を担当している。(これが今回のツアーで引っ提げているEP)

一方、対バンであるjizueはと云う(もういいか)と、

『星合の空』の劇伴を担当しているインストバンドである。改めて音楽に意識を向けてアニメを見てみると、『灼熱の卓球娘』ばりにハチャメチャな音楽が後ろで鳴っている。続きはよ。

とまぁ、アニメ関連情報を早口でお伝えしたところで、この2組によるライブが行われるという事実に改めて戻ってみよう。それはもう、目前に流れる川に対してあまりにも船である(?)。

最新曲の予習に抜かりはない。ライブに赴くことの、それが効能の一つなので。そんなことをしたって、自分の中から失われていくものは失われていくのだけれど、でも、こうして書き残すことで、この大切な日を。一生……覚えておこう。(昨日、『BLUE GIANT』を観た)

存外たやすく最前に近い場所に行けてしまった。声優アーティスト周りのライブで遥か後方から見ることに慣らされているので、「いいんですか?」みたいな気分になる。

jizueの各楽器のポジションは下手から鍵盤、ギター、ベース、ドラムとなっていて、鍵盤とドラムがステージ正面ではなく互いに向き合う形になっている。これは、演奏が始まってすぐにわかることなのだけれど、この2者の掛け合いが軸となって曲が暴れまわることになる。やや語弊があるかもしれないけれど、観客に向けてというよりも、楽器それぞれがバチバチにやり合っているような感じがあって、テンションが即興で上がっていくのが見て取れる。『BLUE GIANT』を観ていてよかった。こちらも今、「それ」に対する熱は高いぞ。

JYOCHOにも共通して言えることだけれど、「そんな楽しそうに演奏することある?」と思うくらい、曲の複雑さを乗りこなした先にある自由さをつかみ取っている。演奏の予備動作がこちらに伝わる分、振り落とされることが減るのもライブの良さだろうか。かつてどこかでPeople In The Boxの波多野さんが「拍よりも曲全体を一つの流れとして捉えた方がいいよ」的なことを言っていたのが思い出される。ほう、経験が生きたな。

JYOCHOのだいじろーさんは「怖い思いをさせてごめんね」と言っていたけれど。立派なプログレヒューマンになれるよう、攻めたセトリにも食らいついていきたい。こうして、予習に勤しんだ曲たちは最高の解像度で自分の中に残っている。見れてよかった。


会場限定という言葉に弱い日本人


白塗りの車椅子がライトアップされていたけれど、周囲に説明が見当たらない

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