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やさしいフィンランド語のニュースで言語学習

フィンランド語の勉強を進めているとき、教科書以外の教材を探すのには骨が折れる。なんていったってマイナー言語だ。

今回は、フィンランド語初級〜中級を学んでいる人に向けて「selkouutiset(せるこうーてぃせっと)」をおすすめしたい。

selkouutisetとは


国営放送のYleが、はっきりと、平易な表現のみでフィンランドのニュースを伝えるサービスだ。

易しいフィンランド語と聞くと、外国人向けかと思うがそれだけではない。英語ができない移民はもちろんいるし、音で聞き取って理解するのが難しい人、曖昧な表現では意図が掴みきれない人もいる。通常のチャンネルで流れている情報だけでは、理解に困難をともなう人にとってselkouutisetは重要な情報源となっている。

selkouutisetの勉強活用法


selkouutisetはフィンランド語の学習にも活用できる。私が考えるおすすめの使い方を4つ紹介する。

1. フィンランド語を毎日聞く

言語を習得する一番の近道は、その言語に浸れる環境に身を置くことだ。私がフィンランド語を習得できたのも、フィンランドに住んでいたことが大きい。

日本に住んでいる間でも、できるだけフィンランドに触れる頻度を増やすことで、「フィンランド語の環境」を擬似的につくることができる。

selkouutisetでは、約5分ほどの動画や音声で毎日のニュースが3〜5つ紹介されている。これを聞き流すところから始めると、フィンランド語に耳を慣らすことができるだろう。

2. 理解度チェックとライティング

Yleのアカウントに無料登録し、ログインした状態でselkouutisetのページをみると、ニュースの下に問題とタイピングできる解答欄がいくつか用意されている。

この問題はその日のニュースの理解を問うもので、音声コンテンツか、文章コンテンツに目を通してからこの問題に挑戦すると、ミニテストを受けるようにフィンランド語の練習ができる。

この音声理解+ライティング、もしくは、読解+ライティングという問題は、フィンランド語検定のリスニングとリーディングにかなり似た出題形式だ。試験よりも簡単なフィンランド語ではあるものの、日々の練習としてはちょうどいい。私も受験前はこの問題を日課にしていた。

3.シャドウイングする

シャドウイングは音声を聞きながら、ワンテンポ遅れて音声と重なりながら復唱する言語の練習方法だ。

フィンランド語が話せるようになりたいと思っていても、会話をする機会はなかなかないが、シャドウイングでその不足を補うことができる。

selkouutisetの音声コンテンツはとてもゆっくり読み上げられるため、シャドウイング初心者にはぴったりだ。省略のない、はっきりとしたフィンランド語を復唱することで、リズミカルな格変化も身体から慣れていくことができるだろう。

4. フィンランドの重要なニュースを知る

selkouutisetでは厳選された重要なニュースが配信される。わかりやすく言い換えてまでも、フィンランドに住む全てのひとに伝える必要のあるニュースだ。

旅行前や留学前にフィンランドの重要なニュースを知っておくことは、フィンランドで困らないためにも必要だ。
最近では大規模なストライキ実施のニュースが報道されていて、これらもselkouutisetで確認できる(もちろんYle Newsの英語版でも確認できる)。

またフィンランド語検定では評価の基準を、初級で「身の回り(家庭内やグループ内)で起こることが理解できる」、中級で「身近な社会で起こることが理解できる」としている。このことからも、selkouutisetの理解は中級、つまり市民権申請に欠かせないレベルだということがわかる。

言語の習得は継続と実践が何よりも大切だ。自分に合った、楽しく続けられる方法をこれからも模索したい。

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