奨学金ローン

アメリカでは7割の学生が奨学ローンを組んで進学する。その結果卒業時には約33000ドル(335万円)の借金を背負って社会に出て行く。

金利は4.66%と、とても高い。年に156000円の金利と元金を返済する。返せなくて連帯保証人の親が老後資金や家を失うケースも多い。学費は高く、州立大なら8900ドル/年、私立は3万ドル/年だが生活費は1万ドル/年はかかる。オープンで陽気なアメリカの学生も、内実は深刻。我が国も次第に似た展開になっている。

それにしても、22歳の若者が数百万円の負債を背負って社会に出て行く姿は尋常ではない。学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金も貸与であって贈与ではない。結局卒業して働いて返済するが、入社早々の年収は300万そこそこで、はっきり言えば「返済など、とてもとても」である。若者が希望に満ちている社会は今後発展するが、絶望感を持たざるを得なければ不安定である。幸福度は水準でなく、方向の問題であるが、卒業初年度300万でも翌年は350万、その次は400万と右肩上がりなら皆が幸福だと思う。それが下手をすると実質賃金が上がらないばかりか、解雇の危険すらあるようではヤケになってしまう。

戦前、満州事変前夜はあまりの不景気で「こうなったら、戦争でも何でもおこしてドカンとやって貰わなければ、らちが明かない」という民衆の声が満ちていたのである。

(小生が細々支援し続けている贈与型奨学金 http://www.kff.or.jp/ )

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