国家統計局が認めたDATA捏造

中国の統計をつかさどる国家統計局の最高責任者が、地方政府による統計データねつ造の存在を公式に認めた。「一部の地方」と言うが実際は統計データのねつ造が全国的に蔓延している可能性が高い。発端は遼寧省長陳求発による遼寧省内の一部の県や区で過去に数字の水増しによる統計データのねつ造が行われていたと認めたことである。
 2016年第1四半期(1~3月)のGDPは、遼寧省が全国31省・自治区・直轄市の中で唯一マイナス成長となり、GDP成長率はマイナス1.3%となった。なお、遼寧省の2015年通年のGDP成長率は3.0%であったが、これも全国31省・自治区・直轄市の中で最低の成長率であった。実は、遼寧省に対する中央巡視チームによる再検査は経済データに水増しのねつ造が存在することを改めて確認する結果となった為に、数字の操作ができなくなって、やむなく実際の数字を公表せざるを得なかった。
 ちなみに、遼寧省のGDP成長率は、2016年上半期がマイナス1.0%、第3四半期がマイナス2.2%であった。2017年1月24日時点では2016年通年の各一級行政区のGDPは公表されておらず、遼寧省のGDP成長率がどうなったかは分からないが、恐らくマイナス成長からの脱却は不可能だろう。問題は遼寧省だけがDATA操作をしているのではなく、全国どこでも広汎に行っていることをうかがわせることである。もしそうなら、中国全体の経済の実態は誰も把握できていないことになる。李克強指数が登場した背景には、トップでさえも正確な数字を持てないという奇妙な隠ぺいとでっち上げがあった。部下や下部組織が次々と上司・上部機関が喜ぶ数字を創作するなら、宰相も裸の王様である。

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