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バイパス手術訓練機

心臓バイパス手術は非常に高度なスキルが求められる。

細い血管を縫う作業は時計職人の繊細さに似て、ほんの少しの位置を間違えても重大な結果を招いてしまう。血管の表側ならまだしも、裏側を縫うなどという作業はどうしてやるのだろう。縫い目が粗ければ血が漏れるだろうし、やたらに沢山縫うこともできないだろう。血液が流れるだけの径を確保しながら、漏れないように、且つ目に見えない部分もしっかり縫合しなければならない。

現在は、心臓バイパス手術医の養成に15年かかるという。無理もない気がするが、しかし、30歳で執刀を始めたとしても45歳で1人前である。そろそろ老眼鏡が要る時期でもある。いや、30歳の若手にいきなり切らせないのではないだろうか?すると、もっと年が行ってからなのか?

これについて政府は「7年で養成」という野心的な目標を掲げている。そのニーズに応えて2006年に生まれたのが、イービーエム(株)という早稲田大発のVBである。心臓冠動脈バイパス手術訓練装置で、シリコンの冠動脈モデルを心臓の鼓動と同じように動かす。この訓練装置で練習すると、「あなたの技量は何点」と評価される。如何にも現代的で、実用的だ。

この発想を横展開したら、指圧、整体、リハビリ、スポーツの基本練習など、対象となる分野はいくらでもありそうに思う。鍼灸などは、ツボを当てたらランプがつくが外れていたら「ブー」という音が出ると、技量は瞬く間に上がるだろう。習熟に重きを置く技能系学校はかなり変わるだろう。

#手術 #医療 #技術 #バイパス #ベンチャー

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