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ここにいる、意味

 これまで、私がやってきたことはなんなのだろう。

 ふいに そんなことを思ってしまうと、何もかもが嫌になり、気持ちを失い、ふさぎこんでしまう。

 あぁ、私がやってきたことなんて、すべてが意味のない、なんの価値もないことだったのであろう。

 何気ない上司のひと言で、そんなことを悟ってしまう。

 それで構わない、誰にも知られなくても、いい。そんなことも思いながらやってきた。けれど、だからといって、まるで何もやっていない、とか、貶されるような、そんなことをされたいわけではない。

 そんな筋合いも、ない。

 その言葉は、本当に何にも見ていません、と言っているようなものだ。

 これまでやってきていることを、その日の流れの中で行えなかったからといって、やっていない、やりなさい、なんて、言われる筋合いは、ない。

 でも、それに対して、同僚が笑ってくれたことが、とても、とても、うれしい、救われる、心に沁み入るものでもあった。

 そんなふうに、いつもやっていることに対して何にも言わないけれど、ちゃんと私のことを見てくれるあなたたちがいるから、こうして、ここにいられる。

 私も、安心して、私ができないことをしてくれる、あなたたちを、信頼できる。

 いい加減、こんな思考回路は切り離してしまったほうがいいのだろう。けれど、そうもいかない未熟な心が、ゆれて、ふれて、溢れて、ぶれる。

 何か、何か、私に返せるものはあるだろうか。

 返せるだけの力を、持っているだろうか。

 そんなことを思いながら、まだ、ここにいる。

 ありがとう。

 その言葉がこぼれて、まだ、何も、返さないでいる。

いつも、ありがとうございます。 何か少しでも、感じるものがありましたら幸いです。