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短編ストーリー「甘〜いココアとクリスマス」


夕方の駅は帰り道を急ぐ学生や社会人が集まってきます。
駅前には地元の人たちによって飾り付けられたクリスマスツリーが温かくきらめいて、人々を見守っていました。
今日はそのクリスマスツリーの下、学生とおぼしき一組の男女のショートストーリーをご紹介します。

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学校からの帰り道、あかりはクリスマスツリーに見とれていた。
その様子に気づいた、同じ学校のクラスメート、とおるは自販機に駆け寄り、ホットココアを2つ買うと、そっとあかりのもとに近づいた。
あかり「クリスマスツリー、きれい。」
とおる「きれいだな」
あかり「うわぁ、ビックリした!とおる、うしろからいきなり声かけるんだもん!
うん、きれいだね。もうすぐクリスマスだけど、とおるはクリスマスデートの予定あるの?」
とおる「ないよ。俺、彼女いないし。…ほら、あかりの好きなホットココア」
あかり「ありがとう!嬉しい!え?なに?とおるのおごり??」
とおる「クリスマスプレゼント」
あかり「え?ココアが?(すねた感じで)もっと良いものがほしいなぁ!」
とおる「良いものって?女子って何が好きなの?」
あかり「例えば…一緒に映画行くとか?」
とおる「え?…じゃあ今度の土曜に一緒に行く?」
あかり「うん!」
とおる「うん!って、即答じゃん!めっちゃ照れるわ。まだ時間あるから、そこのベンチで一緒にツリー見ながらココア飲もう」
あかり「うふふ、このココア本当はすんごく嬉しかったよ」

(終わり)

※この物語はフィクションです。
登場人物や場所は架空の設定です。