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esportsの審判もゲーム内カメラマンも、絶対に価値ある仕事になる【CyberZ 青村陽介インタビュー】

esports業界で働きたい――そんな声を聞くことが増えてきた。実際、僕も何人かにアドバイスを求められたことがあるが、どの会社がどんな仕事をしているのか、どういう職種があり将来性はどうなのか、といった点があまり知られていないようだ。特に、キャリア形成について不安を抱えている人が多いように感じる。

tokyo esportsのインタビューシリーズは業界で働く人を取り上げることをコンセプトの1つににしていたが、本丸の「採用担当」の声を拾うことはできていなかった。だが、ようやくその機会に恵まれることとなった。OPENREC.tvとRAGEを始め、多方面でesports事業を展開するCyberZより、採用活動に関する取材の機会をいただいたのである。

ということで、さっそく同社の取締役でOPENREC.tvのプロデュースも手がける青村陽介さんのインタビューに出向いた。

RAGE総合プロデューサーの大友真吾さんと比べて、青村さんがメディアに出ることはあまり多くないと思う(直近ではOPENREC.tvのビジネス面についてのインタビュー記事がある)。しかし、役員面接を担当されているということで、CyberZでesportsの仕事をしたい人にとっては重要人物の1人だと言えるだろう。

そんな青村さんはどんな考えをもって応募者と相対しているのだろうか。そして、波に乗り始めたCyberZのesports事業にはどんな仕事があるのか。どんな働き方ができ、どんなキャリアを形作っていけるのか。今回は、積極的に採用情報を発信し始めたCyberZの採用活動について訊いてみた。

※インタビューは1月17日(水)に実施。大友さんのインタビューも読んでもらいたい。

ゲーマーか否かで採用を決めてない

――esports業界はずっと人手不足だと言われてますが、じゃあ表立って募集してるのかというと、サイトに採用情報が掲載されてない企業が多い気がします。あと、そもそもどんな企業がesportsに携わってるのかもいまいち分かりません。読者もぱっと思いつかないんじゃないでしょうか。

そんな中で、CyberZはesports事業のための人材を募集してて、採用活動もされてます。外から「ここはesportsをやってて、力を入れてる」ということが見えるんですね。これだけですごく印象がいいと思うんです。僕がお勧めの企業を訊かれたらCyberZと答えるでしょうし、現に答えてきました。

だからこそ、青村さんにインタビューできるのはいい機会だと考えてます。とはいえ、最初はやはり青村さんに、esportsに対する印象を教えていただきたいですね。

青村:
弊社ではesports市場に参入して3、4年が経ちますが、よくも悪くも盛り上がってきたと感じてます。新しい市場ができ上がっていく時期って、たぶんこんな感じなのかなと。ここで先駆者になっていきたいという想いは変わらず持ち続けてます。

――青村さん自身はesportsをプレイされてますか? あと、これまでどんなゲームをプレイされてきたんでしょうか。

青村:
私は『ポケモン』や『マリオカート』、『スマブラ』など任天堂のゲームをやってきました。最近では『スプラトゥーン2』、それと『Shadowverse』をプレイする時間が多いですね。あと、社内で『モンスターハンター:ワールド』が盛り上がってて、そちらもやってます。

もちろん、仕事柄もあっていろんなゲームを遊ぶようにしてますが、私自身がものすごいコアゲーマーなわけではなく、「まあ普通に遊んでる」といったくらいです。

――そういう人のほうが一般的なゲーマーの感覚に近いですよね。僕としては社内にゲーマーがいるというだけでなんとなく嬉しくなります。現職も前職も「普通にゲームをしてる」という人が少なくて。

昨年7月に大友さんにインタビューした際、CyberZの社員にゲーマーが増えてきてると聞きました。その傾向はますます進んでるんですかね?

青村:
そうですね。それと、そこまでゲームをしない人でもゲームに対して悪いイメージは持ってません。というのも、弊社はもともと広告マーケティング事業がベースにあり、そのクライアントの多くがゲーム会社だからです。その背景もあって、ゲームやesportsに対するポジティブさがあるんだと思います。

――新作の発売日だからと有給を取る人もいますか?

青村:
基本的には暗黙の了解です(笑)。幹部層のメンバーが発売日に有給を取ることはあります。社員にはぜひ新しいゲームを積極的にプレイしてほしいと思ってます。

――そういうゲーマー社員が増えてること、そしてesports事業の人材採用となると、つい応募するにはゲーマーであることが前提のように思ってしまいますが、どうなんでしょうか。

青村:
ゲーマーからの応募は多いんですが、大前提として、弊社ではゲーマーか否かで採用を決めてないんですよ。人柄や考え方が会社とマッチするかを重視してます。もちろんゲーマーはほかのゲーマーの気持ちを理解しやすいので、その点は事業にとってプラスになりますね。

――特別にゲーマーを募集してるわけではないと。

青村:
根っからのゲーマーでなくてもesports事業を担当してる人もいます。その人が持ってるポテンシャルを判断して、適した仕事を任せてるんです。なので、esportsの仕事をしたいと言って応募してきた人が声優の番組に携わってるという例もあります。

――ゲーマーがesports事業に応募するのは分かるんですが、ゲーマーでない人も来るんですね。それはどういう理由からですか?

青村:
新しい市場に携わりたい、そこで自分を成長させたいという人がほとんどです。でも、ゲーマーじゃなくてもゲームはやってもらうようにしてます。ゲーマーの気持ちを理解することが大切ですから。

当然、強制的にやらせても意味がないので、自発的にやってもらう工夫をしてます。その一つが社内、グループ会社間のゲーム大会です。先日はサイバーエージェントのグループ会社対抗戦を開催しました。

――いいですね、社内ゲーム大会。実況とかもやるんですか?

青村:
まだそこまではいってないですが、そろそろやりたいという声が上がりそうです(笑)。みんな本気で練習してますから、大会自体にももっと熱が入っていくかもしれません。

――その様子は配信しないんですか? きっちりした形の番組でなくても、垂れ流し配信でもいいので観たいです(笑)。そんなに大勢の人は観なくても、CyberZに就職したい、興味があるような人は絶対観るんじゃないでしょうか。

青村:
たしかにそうですね、「こういう雰囲気なんだ」とストレートに伝えられる気がします。

――まあ確実に煽られるでしょうけど(笑)。

青村:
間違いない(笑)。

――ゲーム会社が社内大会をやるのはよく聞きますが、グループ会社間の対抗戦は珍しいかもしれません。どんなタイトルでやるんですか?

青村:
グループ会社間では『スプラトゥーン2』や『LoL』、『Shadowverse』でやってます。社内だと『ウイニングイレブン』や『マリオカート』といったタイトルですね。

――社内でゲームをやる時間があるのって、ゲーマーからしたら憧れの一つです。

青村:
もちろん仕事の延長線上にあるからこそですね。ただ、「ゲームをしよう」と全面的に推奨してるわけではなく、自然とそんな雰囲気になってきたという感じです。

――その流れで会社対抗戦、社会人大会がもっと盛り上がっても面白そうです。

職業:esportsの審判

――さて、今回の本題というか僕が一番聞きたかったことなんですが、CyberZはesportsに関してどんな仕事・職種を募集してるんでしょうか。

青村:
OPENREC.tvもesportsに関わっているので紹介すると、プログラマーやシステムエンジニア、放送のテクニカルスタッフ、企画、事業開発、営業、マーケティングなどがあります。ただ、がっつりesportsというよりは配信プラットフォームにまつわる仕事ですね。

RAGEのほうはプロデューサーとディレクター、イベントの運営や放送周りを行う仕事があります。esports事業特有の職種だと、今後は選手や試合のデータを扱える人と、試合をスムーズに進める審判も必要になります。

画像やコピーなどを作るクリエイティブに関しては、OPENREC.tvとRAGEに共通して必要な仕事ですね。あと、大会の演出や映像も重要ですが、これらのほとんどは協業してるエイベックス・エンタテインメントが担ってくれています。

――会場のセッティングやPCの調整などは外注ですか。

青村:
当日のみ外部のパートナー会社やアルバイトの方にお願いしてますね。さすがにそこまで社内でやるのは、現状リソースが足りません。

――なるほど。いくつか気になる仕事がありましたが、まずデータを扱うというのはどういう仕事ですか?

青村:
例えばRAGEやリーグのような連続性のある大会、試合の場合、選手同士の対戦戦績、キャラクターとカードの使用率や勝敗率など、さまざまなデータから面白い切り口を見出だすことができます。統計とまでは言いませんが、データ集計と分析をする仕事です。

職種としてはアナリストと言えばいいんでしょうか。蓄積していくいろんなデータを実況解説のネタや映像・番組制作などのコンテンツ作りに役立てたく、いまそうした人材を探してます。

――たしかに、大会を面白くしたり選手の魅力を掘り起こしたりするにも、データの活用は不可欠ですよね。数字が見えることで、どの選手がどれくらいの技能を持ってるのかもよく分かるようになります。いまそれができてるのはLJLでしょうか。

次に審判。これはスポーツでは当たり前の存在ですが、esports業界内で一職種として認知されているかは微妙なところです。だいたいが運営と兼任でしょうから。なので、今回職種として明言されたのはかなり興味深いです。具体的にはどういう仕事をするんでしょうか。

青村:
どんな大会でも、試合中にトラブルが起きたら咄嗟に状況を見極め、できるだけ遅滞なく進行しなくてはいけません。そのときの判断や仕切りってゲームに詳しくて、ルールも頭に入ってる人でないとできないんですね。

いままでは運営の1人が兼任してましたが、きちんと職種を設け、専門的な仕事として担当してもらうことにしました。

――審判って大会を開催するなら不可欠です。大会のレギュレーションを全部頭に入れておくだけでなく、ゲーム側のルールや規約も把握しておかないといけません。審判がいないと、トラブルが起きたときにいちいちルールブックを開いてああだこうだ考えたり、その場でスタッフ同士で解釈の議論が始まったりしてしまいます。そうすると無限に時間が必要で、トラブルに発展しがちです。にもかかわらず、誰でもできそうだから重視されない向きがある気がします。

青村:
映像に映らないのでそう思われてしまうかもしれませんが、選手が本気で戦える場を作るには必須でしょう。そういう存在がちゃんといるということが安心感に繋がるはずです。

――職種というか肩書きはそのまま審判なんですかね? 採用ページに「審判募集」って書いてたら目を引くと思いますが(笑)。

青村:
そこまではまだ決めかねてます。ただ、自分がどんな仕事をしているのかを表す名称はとても大事なので、しっかり考えたいですね。

――審判を重視するのは、CyberZのesports事業に対する本気度の表れだと思います。本当にすばらしいことです。

あと、RIZeSTの古澤さんが強調されているゲーム内カメラマンもありますよね。『Shadowverse』なら特に必要ないかもしれませんが、動きのあるゲームなら絶対に必要な仕事です。

青村:
たしかにそうです。現状だとOPENREC.tvで公式番組を配信することのある『PUBG』において大切な役割で、いまはディレクターが兼任してます。今後、扱うタイトルが増えるにつれ重要度も増す仕事なので、いずれはより専門的に仕事のできる人を探していきたいですね。

そういえば、韓国のG-STAR 2017を見に行って驚かされたんです。Bluehole主催の『PUBG』大会にはゲーム内カメラマンが6人もいて、さらに彼らを取り仕切るディレクターと、戦況を逐次メモしてる人もいたんですよ。まさに「これを実現すべきだ!」と。このシステムを構築していきたいと強く思いましたね。

――いまお話しいただいた中で、特に募集してる職種ってありますか?

青村:
esportsのディレクターですね。それと、OPENREC.tvの番組制作や、組織を横断して仕事をするクリエイティブもです。これらのポジションは人数がほしいんです。一方で、審判やアナリストは人数というよりも、「この人」というスペシャリストをいろんな人から紹介いただくケースも含めて探してます。さまざまなゲームをプレイしてて、ルールや規約も読み込んで理解できてる人なら歓迎です。

――ディレクターって何をするんですか?

青村:
プロデューサーやプランナーが考案した企画を実行し運営する役割です。担当チームのマネジメント、スペシャリストへの仕事の割り振り、ゲーム会社との打ち合わせや諸々の調整、番組や制作物のチェック、大会や番組当日の運営管理など、かなり広い領域の仕事を手がけることになると思います。

――例えば大学生など仕事の経験があまりない人、まったくの他業種からesports業界に転職しようと思ってる人からすると、ディレクターと一言で言われてもイメージできないんじゃないかと思うんです。実際、僕もそうです。もちろんそう説明されれば分かりますが、「esportsディレクター募集」と銘打たれてても反応できない可能性があります。

青村:
たしかに、「ディレクターって具体的にどんな仕事をするんですか?」と訊かれることが多いですね。

――その意味ではプロデューサーも同じかもしれません。通じてる人からすればこれ以上ない便利な言い方ですが……。そのあたりが会社と社員の間で共有されておらず、いざesportsの仕事をし始めても「思ってたのと違う」とすぐ辞めてしまうケースもあるみたいです。

青村:
それは私もすごくよく聞いてます。実際に弊社でも起きたことなので、会社側と応募してくれる人との間で解釈やイメージの齟齬がないよう丁寧に説明するよう努めてます。そのうえで、イメージしてなかった仕事もやってもらうかもしれませんが。

――いずれにしろ、esportsにまつわる仕事でディレクターは一番面白いと思います。それができる企業は非常に少ないので、やってみたい人には大きなチャンスですね。

市場が成長するならキャリアに不安はない

――もう1つ、絶対に訊こうと思ってたのがesports事業におけるキャリア形成です。

青村:
実は、弊社ではあまりキャリア形成という言葉は使わないんですよ。経験、考え方、スキルが、のちに変わるかもしれない目標に対しても通用する資産になってるかどうかが大事だと考えてます。その点で、esportsという新しい市場を作っていく先駆者の一員になれることは、その人の大きな資産になると信じてます。

――その考え方はいいですね、目標って絶対変わるんで。ただ、より具体的なことを言うと、例えばゲーム内カメラマンのキャリア、将来性って想像がつかないんですよね。どう出世できるんでしょうか。

青村:
弊社は2通りの昇格ステップを用意してます。1つは管理職のステップ。もう1つが専門職のステップです。それぞれが5段階に分かれてて、管理職だから偉い、専門職だから偉いといった区別はありません。

ですから、本人の希望に合ったステップを選べるんですね。もしゲーム内カメラの操作を極めたいなら、とことんやって専門職として登り詰めることができます

――それはすごくありがたい制度です。日本の伝統的な企業だと昇格=管理職というのが当たり前で、そのために専門職が出世する道がないことも多いと聞きます。

青村:
スペシャリストの存在は事業にとって最も重要です。弊社には管理職より給料の多い専門職も多数います。

――うーん、転職したくなってきました(笑)。ただまあ、ゲーム内カメラマンや審判の将来性なんて、esports市場が将来拡大することを信じるなら、何の懸念もないですよね。CyberZがまさにそうであるように、大会をやるならどの企業にも必要な存在ですから、需要は増す一方でしょう。

青村:
間違いないですね。どの仕事もこれから市場価値が高まっていくと思うので、キャリア形成が心配と言ってる時間すらもったいない。挑戦してもらいたいです。

――市場の成長と拡大を信じてないのに「esports業界で働きたい」と考えるのは矛盾してると言えますね。

能力よりも本気度

――そうすると、CyberZのesports事業に入り込みたい人は、何か専門的なスキルがあったほうが採用されやすいですか?

青村:
いえ、そこはあまり気にしません。我々が問うのは本気度やチャレンジ精神です。

――本気度はどうすれば示せますか?

青村:
いろいろお話しして辻褄が合わなかったり、自分の成長に自信がなかったりすると、あまり本気ではないのかなと捉えてしまいます。本気ならいつも考えてることなので、口から出る言葉に自信がこもってるはずです。もちろんコミュニケーションが得意かどうかという話ではなく、寡黙であっても伝わってくるものがあります。

 また、それはCyberZのことを調べ尽くしたという本気さではなく、自分自身に対して本気かどうかということです。

――ただゲームやesportsが好き、盛り上げたいというだけだと難しそうですね。ちゃんとesportsについて考えて就職・転職活動をしてる人なら可能性がありそうです。採用率はどれくらいなんですか?

青村:
厳しくしてるわけじゃないんですが、結果としては厳しめだと思います。社員の知人を紹介された場合は最初から本気度に信用をおけることが多いので、一般応募より採用率が高いですね。

応募自体はものすごく増えてて、求人サイトからよりも公式サイトからエントリーされる方が増えてます。そういう方のほうが本気度が高い傾向にあるようです。

実は、esports事業を拡大するうえで、知見の深い人に来てほしいという現場の要望はあるんです。つまり、ゲーマーです。ただ、先ほどお話ししたように、ゲーマーか否かを大きな判断基準にするのは我慢して、それ以外の部分をちゃんと見て決めようとしてます。

これは過去に広告マーケティング事業で人材募集をしてたときに、能力ばかり気にしてその人自身を見ることができてなかったという失敗をした経験があるからです。

――それは絶対に正解だと思います。逆に、能力にはやや自信がないけれど本気度の高い人にはチャンスですよね。ところで、いままでesports事業の中で辞めた人っているんでしょうか。

青村:
います。ただ、全体の人数が多くないこともありますが、少ないほうだと思います。ある人には「早すぎてついていけない」と言われました。仕事のペース、意思決定のスピードが合わないと。ですが、どんどんスピードを上げないと市場の変化についていけませんから、会社としては変えようがありませんでした。

――「早すぎる」は面白いですね。ほとんどの日本企業は「遅すぎる」ですから(笑)。

青村:
あと、「自分が思うesportsと違った」という人がいました。けっこうコミュニケーションできてると思ってたんですが、会社として取り組んでるesportsと、自身が考えるesports像とのギャップが大きかったんですね。そうした考えを持っておくことは大事だとはいえ、弊社に入社するなら柔軟に構えておいていただいたほうがいいと思います。

――それは難しい問題です。たしかに、esports像に対して強いこだわりを持ってる人は少なくなりません。いまだに「『Shadowverse』はesportsじゃない」って言ってる人すらいますから。

さて、普段なかなか聞けない「esports事業の採用」についてお話をうかがってきました。僕自身、CyberZがどんな考えで採用活動をしてるのかを知れて面白かったです。最後に、青村さんが一緒に働きたいと思う人を教えてください。

青村:
自分の意見を裏づけをもって主張し、主体的に挑戦の道を歩める人です。esportsは新規事業なので、正直、仕事のやり方を手とり足とり教えてあげる時間はそこまでないのが実情です。なので、主体的に動いてもらう必要があります。挑戦をおおいに歓迎する会社でもあるので、主体性を持って積極的に挑戦を続けていると、どんどん大きなチャンスに巡り合っていけると思います。

あと、他人の意見や市場の変化に柔軟に対応できる人ですね。これは新しい市場をスピード感を持って一緒に作っていくうえで大事な素養です。もしここまでお話ししたことにびびっと来ることがあったら、ぜひエントリーしてみてもらいたいですね。

インタビューを終えて――市場を成長させるために身を投じる

青村さんと話をしながら思ったのは(インタビュー中でも発言しているが)、esports業界で働きたいということは市場の成長を信じているという当たり前の論理だ。だが、「働きたい、でも将来が不安」と思っている人も少なくないのではないか。その態度は矛盾している。将来の不安をなくすために、つまり市場を成長させるために身を投じるのである。そして、だからこそ「働きたい」はずだ。

当然、市場はまだ小さい。だが、CyberZは未来が見通しづらい中でesportsに投資し、その市場をみずから成長させようとしている。けっしていま存在する(そもそも存在していない……)甘い汁を吸おうとしているのではない。esports業界で働きたい読者にも、ほかの誰でもない自分が市場を成長させるという気概を持ってもらいたい。CyberZで働くことは、またとない経験になるはずだ。

また一方で、人手不足と嘆き合ってばかりの業界関係者には、もっと仕事内容や採用について情報発信をしてもらいたいと思う。esports業界で働くことの楽しさ、面白さ、大変さ、難しさ。何を得られるのか、どんな経験ができるのか。そして給料や報酬についても。

もちろん、Well PlayedやWekidsなど、積極的に情報発信と採用活動を行なっている企業もある。そして、esports業界で働きたいと言いながら、情報があるところにはあるにもかかわらず、市場や企業をまったく調べていない人もいる。そうしたミスマッチングがどのように是正されていくのかが、業界発展の一つの指針になるだろう。

CyberZの攻勢が、業界全体にいい影響を与えてくれることを願う。

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青村陽介 @aoi_mura
CyberZ @CyberZ_official / 公式サイト / 採用情報

取材・執筆
なぞべーむ @Nasobem_W

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