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大学生レポーター 地域団体インタビューVOL.2

私たち、クロスアクションは、栃木県那須烏山市内で活動する団体に対して、学生さんによるヒアリングと記事作成を行ってきました。

その成果第二弾!

#やってみた大賞

「一般社団法 人那須烏山市観光協会」  

 相吉澤真さんインタビュー

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豊かな自然やお祭り、お酒など様々な観光資源を有する那須烏山市。一般社団法人那須烏山市観光協会は市内の事業者や団体を会員として市の観光振興全般に取り組む団体です。
 今回は事務局次長の相吉澤真さんに事業の取り組みと想いについてお話を伺いました。

相吉澤さんのプロフィール


 那須烏山市志鳥出身。烏山高等学校出身で、生まれも育ちも那須烏山市。2010年に観光協会に就職し、現在では最も長く在籍する職員として市の観光分野の屋台骨を支える重要な存在です。

生まれも育ちも那須烏山ということですが、地元就職して感じることを教えてください


 那須烏山市でずっと働き暮らしていくという意識は元々それほど強くなかったと思いますが、生まれ育った地域なので住みやすいです。静かで落ち着いたところが好きなので、この街は自分に合っているなと感じています。
 ご縁をいただいた観光協会も面白いお仕事なので、前向きに取り組めています。

観光協会がどのような組織かよく知らない方もいると思うので、概要について教えてください


 大きく言えば、観光事業の振興をはかり、コンテンツを充実させていくことが主な仕事です。具体的には、市の観光情報の発信、観光案内、メディアへの情報提供、レンタサイクル、施設運営等の事業を行っています。
関係人口の創出、観光場所の創造に取り組み、市内を周遊してもらうため市内の飲食店などを案内するのも重要な役割です。
那須烏山市観光協会の団体規模としては会員271名、理事5名、幹事2名、事業推進員21名からなる会員組織で、事務局スタッフ16名と案内ボランティア7名で活動しています。

現在意識的に取り組んでいることについて教えてください


4年程前から公的な財源に依存せず、自主事業収益を上げるための取り組みが始まりました。収益性と公益性の両立を会の目的として掲げ、法人格を取得しました。この目標を推進しつつ、地域社会への貢献と地元企業の応援ができる組織づくりを進めています。
現在は民間人を採用して、「稼げる観光」に向けた組織作りを行っています。民間のビジネス実践者の登用は組織改革に大きな影響を与えましたが、事務局長がいないと仕事ができない体制を脱却し、組織として事業を進められる体制づくりを進めています。

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稼げる観光に取組んだ現在の実績を教えてください


現在の収益の柱として龍門ふるさと民芸館でのカフェ運営事業をしています。
市内で最も観光客が訪れる龍門の滝に隣接する「龍門ふるさと民芸館」のリニューアルに合わせて収益事業を模索した時に、来訪者にゆっくり過ごして頂きたいという発想でカフェ事業の構想が始まりました。
今までの委託による物品販売事業では売上の数%という利益しか生み出せないのが課題でしたが、カフェ事業は完全な自主事業です。売上に占める原材料費が必要経費となりますが、残りは利益となるので採算性が大きく異なります。
また市内の業者とタイアップしてお土産品の開発を進めていて、今年度は、市が進めるジオパーク構想のガイドさんが龍門の滝の案内をしていて、その方たちと、市内のお菓子店さん、観光協会とで滝の地層をイメージした商品をつくり、皆でPRを図って、利益を皆で分配する仕組みなども構築しました。

最終的には補助金等に依存せずに組織運営したいと考えており、カフェや商品開発の成果はいい出だしなのかなと考えています。

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龍門カフェのベーグルが名物化していますが、商品化のきっかけを教えてください


採用したスタッフにベーグル作りが得意な方がいたことから、主力商品として売り出しました。
今はそのベーグルも外販をしていて、外販先で『龍門ベーグル』という名前で置いておくと、買ってくださった方が商品を調べてくださります。そうすると観光名所の龍門の滝の認知に繋がり、興味が沸いた方は観光客として足を運んでくれる。という導線づくりをしています。

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観光協会のお仕事をする上で意識していることはありますか


観光協会と地域の方が互いにwin-winになるようにしたいとは考えています。
また、親子で経営している事業者と一緒にお仕事をさせて頂く際は、先を見据えてお子さんの世代とも関わりを強めることも意識しています。

足を運んでくださる観光客の方に対しては、どの年代に来て頂いても喜んでもらいたいと思っています。龍門の滝や山あげ祭などに興味をもち、その結果、那須烏山市に興味を持ってもらえたら嬉しいです。
何よりスタッフ自身が楽しんでやるということを心がけています。

これからの展望を教えてください


今まで山あげ祭を中心に観光を考えていましたが、お祭りは365日のうちの3日しかありません。あらたな資源としてメグロバイク工場があった“バイクの聖地”としてとしてのブランディングに力を入れています。
バイクに乗る方に市内観光を楽しみながらSNSで発信していただき、那須烏山のPRをしていただける流れが生まれたので、非常に嬉しいですね。
他にも廃校利用した苺の水耕栽培を見学できる観光施設の準備も進めています。
一方で来訪された方に市内を周遊して観光を楽しんでいただく方法を検討する必要があり、那須烏山市だけでなく広域での連携を図っていく必要もあります。

地元の方に対して期待することはありますか


「うちの市にはなにもない」じゃなくて、一箇所でも観光地を紹介してもらえる人になってほしいです。地元に目を向けて、那須烏山市の魅力に気が付いてほしいです。
そのために市民の方にも龍門の滝に来て魅力を知ってほしいと思っています。市民の方にも足を運びやすい施設になるように取り組んでいきたいです。

地域の方との関係を大切につむぎながら観光協会のお仕事に取り組む中で、地域の方から相談を受けることも増えたと話してくださり、地域の観光振興の柱としての観光協会のお仕事の魅力が伝わってきました。
 今後の構想についてもワクワクするお話を沢山聞かせて頂き、これからの観光協会の取り組みから目が離せないと感じました。
 貴重なお話をありがとうございました。

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