茄子の花

語学学習者。総合商社に勤め、外資系ホテルに勤め、総領事館に勤め、現在語学関係の仕事。好…

茄子の花

語学学習者。総合商社に勤め、外資系ホテルに勤め、総領事館に勤め、現在語学関係の仕事。好きな作家は太宰治、尊敬する作家は夏目漱石、芥川龍之介。音楽は洋楽。画家はエゴン・シーレ。海外のニュースを見るのが好きでSky Newsをよく見ています。イギリスに興味あり。TOEIC 930。

最近の記事

ブライトン。 モッズ、ザ・フー、ザ・ジャム、そして「さらば青春の光」

ロンドンのビクトリア・ステーションから南へ。約一時間でブライトンに着く。海に向かってほぼまっすぐ歩くとペブル(小石。砂浜ではない。)の海岸に出る。 お土産物屋さんに入ると "Brighton Rock" というペブル型の砂糖菓子が売っている。クイーンの曲のタイトルはここから来たのかもしれない。 初めて行った時は、まだアジア系は珍しかったらしくて、列車の中では子供達が私を見物しに来てくれた。そして簡単な英語を話すと、とても喜んでくれた。 ブライトン、というと、ロックファン

    • 日本人、呼び捨て問題。 「さん」は美しい。

      何年も英語を勉強して、色んな国の人と仕事もしたが、英語だと「呼び捨てにされてしまう」のがなんだかスッキリしない。慣れてはいるが、やっぱりどこか面白くない。 小さい頃から名前だけで呼ばれることはほとんどなかった。「さん」「ちゃん」が付けられることがほとんどで、それらを付けない行為は「呼び捨て」と呼ばれた。 ところが、中学校に入って初めて英語を勉強した時に、「英語では姓・名ではなく名前を先に呼びます」「下の名前だけで呼びます」と指導された。その時の英語の先生は、さすがに呼び辛

      • 数学ができない 〜 数学検定合格まで。

        小学校から算数が苦手。当然中学、高校では完敗。人生の大きなコンプレックスとして「数学ができない」「25メートル泳げたことがない」の二つをあげる。 大学を卒業したあとも、何度か参考書を買って、自分なりにやり直してみようと思ったこともある。でもうまくいかなかった。やっぱり私には理解できないのか?そういう脳の作りなのか?けど、曲がりなりにもここまで生きてきたではないか。それほど大きな「何か」が欠落しているとは(しているとしても)考えたくない。 そんな私にまさに神の巡り合わせ、偶

        • ロックは振り返らない。 パンク・ロック

          2016年のことだったか、英国で「パンクロック発祥40周年」を祝う年があった。マルコム・マクラレンの息子は、何億円と言われる価値のある当時のメモラビリアをテムズ河の船の上で燃やした。(テムズ河の船の上、というのはピストルズがプロモーションを行った、彼らにとって象徴的な場所なのである。) パンクは振り返るものではない、というのが彼の美学だったらしい。潔くて良い。ロックは振り返らない。ロック、特にパンクは時代を映し、打ち上げ花火のように、ひととき強烈に輝いて終わった。 あの頃

        ブライトン。 モッズ、ザ・フー、ザ・ジャム、そして「さらば青春の光」

          マンチェスターへ。スミスの街を見に行く。

          1985年の秋、思い立って北行きの列車に乗った。日帰りでマンチェスターへ。今思うと無謀。一人で列車に乗った。今彼らの活動期間を振り返ると、丁度彼らが活躍していた時期で、とても良いタイミングで英国に居られたことになる。 ランドレディに「マンチェスターに行く」と言うと、あんな何もないところに何をしに行くのか?と言う反応だった。 日帰りだし、観光する時間もない、ただマンチェスターが見たい、マンチェスターの土を踏みたい、空が見たい、あの音楽がどんなところから出てきたのか見たい、確

          マンチェスターへ。スミスの街を見に行く。

          日本人とお花見-Sakura Craze

          英語講師から「お花見について書いて」と言われて書いたもの。気が向けばいつか日本語にしてみます。 As a childhood, I did not go out for ohanami because my family did not have such a custom. Therefore, when I first started working I was so surprised to see how enthusiastic people are about

          日本人とお花見-Sakura Craze

          アメリカの魅力、大自然と音楽。

          私にとってのアメリカの魅力の一つは、何と言ってもあの「大自然」だ。 イエローストーン、「シェーン」の舞台になったワイオミングの草原、「駅馬車」の舞台にもなったモニュメントバレー、グランドキャニオン、サンタモニカやサンディエゴの海、マリブ、ヨセミテ、輝くミシガン湖、乾いた山に囲まれたラスベガス、アリゾナの見事なサボテン、他にも素晴らしい国立、州立の自然公園がいくつもある。大自然ではないが、シカゴやニューヨークの古いビル群も美しい。ロスの夜景も息をのむ。 丘を一つ越えたら景色

          アメリカの魅力、大自然と音楽。

          Don't Let Them Die. 彼らを死なせるな。

          高校生の時に友達が自殺したので、ずっと自殺が気になっている。特に中学生や高校生の自殺のニュースはきつい。何とかならないか。 人が本当に「死ぬのだ」と決めてしまうと、それを止めるのはかなり難しい。誰にもそんな能力はないし、権利もない。「どうして死んだらダメなんですか?」と逆に聞かれたとして、相手が納得するような理由が出せるだろうか。 友達が「死ぬ」と言った時、私は「寂しくなるやんか」としか言えなかった。そんな凡庸な言葉くらいで死ぬと決めた人の心は変わらない。その時の彼の表情

          Don't Let Them Die. 彼らを死なせるな。

          もう一度、太宰治。

          本は随分処分した。自分が死んだあと、残った人に処分をさせるのは申し訳ない。自分が好きな物は自分で処分すべし。だが死ぬまでにもう一度読みたい、捨て切れなかったのが太宰治や夏目漱石だ。 私が20代前半までに読んだ本はもうとっくに黄ばんでいる。 年齢のせいで目は悪くなり、集中力も落ちる。このままだとますます読めなくなる。「いつか読む」は「いつまでも読まない」だ。とにかく始めようと思う。 作者の創作順に読むのが好きなので、改めて調べて「晩年」を選ぶ。メガネ、虫眼鏡を動員。本の字

          もう一度、太宰治。

          太宰治のお墓に行ってみた話

          10年以上前になると思う。ずっと行ってみたかった太宰治のお墓を訪ねた。 東京のことは何も知らない。ただ「三鷹」に行くのだ、と思った。 作品にも度々出てくる「三鷹」。 当時はスマホも持っていなかったと思う。電車の路線図で「憧れの」「三鷹」を探し、電車を乗り換え、三鷹の駅に降りた。 駅は賑わっていて、地元のお年寄りの姿も見える。ああ、彼はここにいたのか、と思う。 駅から10分ほど歩いた。ごく普通の民家の間を歩き、禅林寺の境内に着いた。スマホもないのに、どうやってたどり着

          太宰治のお墓に行ってみた話