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建設会社としてどうかな・・・。

どうしようもない連中である。というより、怒りがおさまらない。『安全、安全』と口を揃えて言っているが、現場の安全設備及び環境がなされてない。建設会社としてどうかな・・・?っと思ってしまう。

その建設会社は、九州ローカルの中堅会社とされている。しかしながら、ビジネスホテルや商業ビルなどでは、かなり受注しているみたいで看板をよく見かけていた。

夏、衛生工事を担当している知人がいたので、用がありその建設会社の現場に出向いた。

9階建ての商業ビルで、囲いをされており、入り口は薄暗いグレーのカーテンで、塞がれており、都度カーテンをめくり上げ、出入りしているようだ。近隣住民のクレーム対策と知人は言っていた。

入った途端、汗がしたたり落ちた。そして、真っ暗だった。知人がヘルメットライトを照らしながら迎えに来て2階の休憩所に案内された。

知人から頼まれた品物をテーブルに置いた。知人は、ヘルメットライトで品物を確認していた。その時、品物の周りに埃がテーブルについているのが見えた。4,5人の作業員がヘルメットライトで照射しながら何やら書いていた。

「おいっ、テーブル拭かないのか?」
「いいよ。めんどくさいだけだから・・・」
「何、書いてんの?」
「KY。もうすぐ、建設会社のお偉いさんが安全パトロールに来るから、急いで書いてた。普段は書いてないんだけどね」
「照明とか用意しないのか?」
「しないよ」
「そのお偉いさんは、この状態を知っているの?」
「知ってるさ。先月も来た時に、『こんな真っ暗闇の中でKY書かせてすみません』で終わり」
「こんな処で、よく働けるなぁ? 扇風機も無いの?」
「ない。要望しても・・・。わかったと生返事を繰り返すだけ・・・」
「で、KY書かせて、しかも安全パトロールなんて・・・矛盾してねぇか?」
「・・・だな」
「近隣のクレーム対策か?」
「違うよ。単に手配してくれないだけ。予算が無い、人がいないとかの繰り返し。言うだけ無駄・・・」
「大丈夫か? この現場・・・」
「異常だよ。こんな現場・・・。だから、お前に見て貰いたかった・・・」
「え?」
「ここを監督署に通報してくれないか?」
「え?」
「脚立から落下して、腰を打った爺さんがいて労災申請してないみたいなんだよねぇ。爺さんの自己責任と詰められて、金つかまされて終了って感じで・・・」
「労災隠しじゃないか」
「それとか、ビルの端部に手摺りがないし、親綱もはっていない」
「今でも・・・か?」
「そ、今でも」
知人は、クリアホルダーに入った書類を私に渡した。
「その爺さんの事も安全設備がなっていないという事もそれに書いてるから、一度、読んでみてくれよ。頼む。このままだと怪我をする人が増える」
「お前が・・・やれば・・・」と言いかけ・・・。やめた。

監督署の担当者に、その書類を見せながら話した。担当者はこういった。

「こんな会社、まだあるんですねぇ・・・」


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