見出し画像

グロッケン

姪っ子6歳は保育園の発表会でグロッケンをやりたかったそうだ。(ちなみに彼女はピアノを習っていて、親戚の集まりなんかで弾かされるたびに緊張の面持ちで一生懸命弾く健気な子どもだ)
他にもグロッケンをやりたい子がいたので採用テストがあって他の子が選ばれたらしい。

彼女の性格的にきっとすごく緊張したのだろう。それでうまくいかなかったのかもしれない。そうではないかもしれないけど、すごくすごく悔しかったことだろう。

彼女は「(両目を指して)ここに涙がつまってきた」と言ったそうだ(なんて真に迫る表現)。そして実際号泣した。私はその話を妹から聞いてもらい泣きしそうになった。
ギュッと胸がしめつけられた。

もしかしたら私もそんな経験をしたのだったろうか…?

…私はとてもとても緊張する子どもだった。12歳の私に教えてあげたい。43歳になっても緊張して手を震わせてるよと…てことは、65歳になっても…?82歳になっても…?(絶望)

私は小学生の頃ある意味強迫的にピアノを練習していた。他の子がどれぐらい練習するものなのか知らないけど毎日1時間以上は弾いていた。(そう書くとたいしたことない気もするが) そして2、3ヶ月かけて仕上げた曲を発表会で発表した。私は緊張感あふれる演奏半ばですべてを忘れた。最初にも戻れない、今何を弾いていたのかもわからない、頭の中が雪原のように真っ白になった。私の緊張と絶望の原体験だったと思う。

だから私の彼女への思い入れは、正直他の姪甥よりも強い。
緊張というのは私の場合、相手の期待を実現したい、願わくばその想定を上回りたい、だけど私はそれには満たない、という自己肯定感の低さから来ている。緊張→挫折→緊張の悪循環。だから彼女には自己肯定感だけは死守してほしい。周りの大人は「今回たまたまそうだっただけだよ。今のままで大丈夫だよ。」と言ってほしい。「次頑張れ」とは言わないで。

こんなに早く挫折を知ってしまったねぇ。でもあんまり気に病まないで。チャレンジを恐れないで。私が言っても説得力皆無だけど。チャレンジを恐れないで。(大事なことなので2回)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?