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美大卒がオッペンハイマーを観たら

こんにちは!みなさんはもうオッペンハイマー観に行きましたか?
私が観た映画館は平日金曜日公開初日の昼間にも関わらず、ほぼ満席でした!
たいそうなタイトルと目次をつけてしまいましたが、映画館を出て頭に漂っていたものを書いてみただけなのでさーっと読めます。えへ。


戦争とメディア

しかも、普段はあまり映画館で見かけない、おじいちゃんおばあちゃんがお互い支え合いながらたくさん入っていました。

昔は夏になると、必ずテレビで戦争特集や特別ドラマなどが放映されて、1年に1回は戦争について考える機会があった気がしますが、最近はSNSなど対個人のメディアが主流で、興味がなければ目に触れる事が叶わなくなってしまいました。
そんな中、今回多くの日本人がまた興味を持つきっかけになるのか?ならないのか?そんな気持ちで観に行きましたが、うーん。なんか元から興味ある人にしか届かない印象でしたね•••
監督のクリストファー・ノーラン監督も別に日本の為に作ってるわけじゃないからそりゃそうかーとちょっと悲しくなりました。

お話は中盤、昔観た『明日への遺言』をふわっと思い出しました。
この映画は邦画で戦後のA級裁判の話で戦時中に殺した捕虜に対する殺人を罰する為の裁判を描いていた映画です。
観た当時の私は戦争の勝敗についての残酷さに劇場で慄き咽び泣いた記憶があります。

オッペンハイマーは裁判でもないですし、人の妬みが引き起こした批判の様に書かれてますが、国のためがむしゃらに働いたら、見事に多方面から攻撃されるってもう全国共通なんですね。

絶対IMAX!

でもでも映画としての完成度はすごく高くてノーランファンは絶対IMAXで観るべき映画です!
特にオッペンハイマーに重度のプレッシャーがかかるシーンは、現実と心理描写が物理的に共鳴しあって、演劇的手法ですごくライブ感があってこっちまで精神へし折られそうでした。是非心が健康な時に観るのがいい!

クリエイターの責任とは

タイトルの通り美大に通っていて、物を作る事の本質みたいなものを考える機会がよくありました。その中で原発関連の話しを聞くと必ず大学の授業で聞いた教授の話しを思い出します。

原爆を作るまで、人間は人体を含む自然界の機能や摂理を人工物で再現して新しい物を生み出していた。
例えばカメラは人間の目の構造通り、角膜や水晶体がレンズの役割をし光を通して網膜の代わりにフィルムに写しだされる。
また、より小さい構造もしかりで、地球上の生命のDNAには生成する設計図と淘汰する設計図があらかじめ書き込まれていて、形あるものはいずれ消え去る仕組みになっている。
しかし、原発は今まで守られてきた自然の仕組みに反し、消滅する仕組みを組み込まないまま、また解決策を打たないまま使用した。
原発だけではなく、プラスチックのゴミ問題や空気汚染など”作る”上で壊す事を真剣に考えなかった事が今世界が歪んだまま回っている要因の一つである。

発見した人が悪いのか、作った人が悪いのか、使った人が悪いのか。

地の恩恵も、人の心も人間がコントロールできるという考えを発明した時点で原爆は産み落とされる運命だったのかなぁと思いました。

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