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筋力至上主義の懸念点⑤【高齢者に筋力訓練を実施するリスク】

こんにちは、Sonnyです。

この記事は以下の続編になります。

今回は、高齢者に筋力訓練を実施するリスクを解説します。反復になりますが、筋力自体は無いよりはあったほうがいいことが多いです。

最近では、高齢者を対象にした筋力を鍛えましょうというムーブメントが巻き起こっています。

しかし、高齢者に対して筋力訓練を実施するには、あるリスクが存在します。

このリスクを適切に把握し、筋力訓練を行う目的が明確にであり、その目的に沿ったメニューを実施できるのであれば、とても価値があることかと思います。

今回は、そのリスクを解説します。

それでは、行きましょう。

♦︎高齢者の筋力訓練の目的はパワーではない

筋力訓練をすること自体は、非常に意味があると思います。言い方は筋力訓練以外にも、運動だったりエクササイズともありますが、基本的には大差ありません。

この筋力訓練を実施すること自体よりも大事なのは、目的を適切に設定することです。

高齢者の多くは、重たいものを持てるようになりたいわけでも、肉体労働をする必要があるわけでもありません。

基本的には元気でありたいのです。

この筋力と元気の間には、相関関係を見ることよりも因果関係を適切に把握することが重要で、筋力があるから元気、なのではありません。元気だから筋力があるんです。

そもそも、筋力というのはかなりモチベーションや情動に左右されます。皆さんも経験ありますよね。大きな声を出したほうが力は出ます。

つまり、高齢者が実施する運動や筋力訓練、体操は元気をつけることが重要なんです。

筋肉を使うと、男性ホルモンが分泌されて、自尊心の高まりやメンタルヘルスの向上、睡眠の改善などの好影響をもたらすことが言われています。

♦︎筋力が強すぎると骨折する可能性がある

先ほどは目的の話をしましたが、次はリスクの話をします。”骨折”という少し怖いワードを出しましたが、ほんとに骨折につながる場合があるんです。あくまでも、絶対というわけではありませんが、知識としては理解しておく必要があります。

前回は転倒に関する話をしたので、このリスクを話を転倒に結びつけて話を展開します。

そもそも、なぜ「転倒」しないほうがいいのかというと、怪我しやすいからです。転倒すること自体が問題ではありせん。転んだら起き上がる能力がないのであれば転ぶこと自体が問題にはありますが。

話を戻しますが、高齢者には4大骨折というのがあり、その中の一つに大腿骨頸部骨折があります。一般的には転倒することで骨折しますが、実はその限りではありません。

大腿骨頸部骨折をした患者さんの一定割合に、”骨折したから転倒した”というパターンがあります。

つまずいたりバランスを崩すなどした時に下肢で踏ん張り、その時の筋肉の引っ張る力が骨を引きちぎることで骨折するんです。

当然、万人に現象が起こるわけではありません。条件としてあるのが骨粗鬆症です。骨密度が低いと自分の筋力にすら骨が負けてしまうことがあるんです。

長くなってきたので、今日はここまでにします。
それでは。


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