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筋力至上主義の懸念③【バッドの速度が速いとはどうゆうことか】

こんにちは、Sonnyです。

今回は👇の記事の続きになります。

前回までは、野球を例に挙げていわゆるパワーというのは筋力を前提としたものではないということを解説しました。

そこでの結論は、パワーとはバットスイングが速いということです。
他の条件はここでは割愛しており、その理由も前回の記事で解説してます。

そこで、今回は、そのバッドのスイングが速いとは?を解説します。

同然ながら、野球に限らず、バドミントンやテニスなど道具を扱う競技全般に参考になると思います。

あくまでも、細いフォームや技術的なことではありません。力学的にどう考えたら最もボールにパワーを伝えることができるかを考えるきっかけして頂くことが目的になります。

それでは、行きましょう。

♦︎バットのスイングを力学的に紐解く

物体が動くというのは、並行移動回転運動に分けることができます。これはバットスイングであっても同様です。物理的な理みたいなものです。

いくらバットの速度を上げるために筋力の優先順位が低いといってもそれには身体が必要なので、一度身体の話をします。

バッティングをするときに、テイクバックをとりまよね。これはゴルフとかも同様です。

なぜ、テイクバックを取るのかというと”身体に捻りを与えて、力を貯めるため”です。

輪ゴムも捻ったまま手を離すと自動的に元に戻りますよね。この”元に戻る”特性を身体に当てはめて復元する力をバットスイングに取り入れるために捻るんです。

ここでまた速度の話をします。身体を捻った後元に戻すとき一番速度が速いタイミングはどこでしょうか。それは、捻りが解消される直前から捻れがゼロになるタイミングです。

元に戻る力は、捻れがあるうちは加速されていき、捻れが無くなった後は減速します。

何が言いたいか。それは、一番加速がついたところでインパクトした方が”パワー”は出るということです。つまり、ボールを打つ瞬間は身体の捻れが解消される直前からゼロになるあたりが理論的にはベストであるということです。

身体の加速について理解したところで、今後はバットの話に戻ります。

バットスイングについては逆算的に考えるとわかりやすいです。

「この辺りでインパクトしよう」と思ういちにバットを当ててみます。ボールのコースが真ん中にあるのであれば、基本的にはピッチャーに対して垂直になっているでしょう。この位置をゼロを仮に考えいます。

先ほどに身体の捻れと同様に考えてみると、テイクバックの一番深い位置はバットのゼロの位置から最も捻れていると考えることができます。つまりスイングすることで、テイクバックからゼロに向かって加速していくことは想像しやすいでしょう。

ここで、重要なポイントがあります。

バットは”長さ”があります。長さのあるものを振ると「遠心力」がかかります。さらに、慣性というものが働き、バットは動き続けようとします。このら、回転力、遠心力、慣性という3つの力が最も生きるのは、バットのヘットがグリップを超えた直後です。

身体とバットの話を総合すると、身体の加速とバットの加速が効率的にかけ合わさるのは、身体の捻れが解消するかしないかのところで、バットのヘットがグリップを追い抜いた瞬間です。

この瞬間にボールとバットが衝突したときに、打球速度が爆発的にアップするんです。

次の写真を見てみてください。

今やどちらもメジャーリーグで活躍するお二人のインパクトの写真です。

左の鈴木選手はまさにインパクトの瞬間、右の吉田選手はその直前ですが、インパクトのタイミングをみると、ちょうとヘッドがグリップを追い越す瞬間になっていることがわかります。

よく軸足側の内転筋が重要と言われますが、これも身体の回転の加速装置になるからです。厳密に言えば、内転筋自体が重要なのではなく、その作用がもたらす骨盤の回転が重要なんです。

筋肉だけで一人歩きしているので、適切な理解になっていない場合が散見されることが心配になります。

♦︎絶対的な型はないことを理解する

これまで、身体とバットの加速についてみてきました。

バッティングおいて大事なのは、まずインパクトしたい瞬間にこの加速度を持ってこれるかです。

バッティングはピッチャーという相手がいることなので、駆け引きや変化球などといった要素がありますが、前提としてこれがしっかりできて高いパフォーマンスを発揮することができます。

巷や、YouTubeではいろんな「打法」や「スイングの理論」が蔓延っています。これらに倣って練習した結果、これまで解説したスイングを会得できるなら素晴らしいです。

しかし、この情報社会において、単純に真似することが目的になってしまうっていることが多いです。

インパクトの瞬間に最も速い加速をつけるために、逆算してバットの軌道やバットの重さや長さ、構えや練習方法などを決めるべきです。

これは、自分自身の身体で感じて考えていくことがとても重要です。情報をえて引き出しをたくさん作ることは重要ですが、この基本を忘れてしまうとせっかくの短い競技人生に後悔しか残らないです(ぼく自身がそうでした)

今、こうやって理学療法士として基本や本質を学んで理解できたことはとても良かったと思います。

当然、これが頭で理解できたからすぐにホームランが打てるわけでもありません。ただ、これを再現するために試行錯誤した結果、自分だけのスイングを獲得することができます。

長くなってしまいました。

今日はこれで終わります。

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