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【エッセイ】 衣替え

肌寒い日が続く10月。
こんなに寒いんじゃ、いい加減布団を冬仕様にしなくっちゃって思って押し入れを開けた。時間が経った匂いを鼻腔に感じながら、冬用の布団を引っ張り出す。あれからもう1年、なんて考えるとあっという間で今年の成果はどんなもんだっただろうかなんて一年の総精算を脳内で再生する。
あれ、思っていた以上に行動できた?
そうでもない?いやーでもこれもやったしなーとか思ったり眺めたり。
まだ今年は終わっていないのだから、残り3ヶ月も後悔しないように過ごしたい。
あれもしておけばよかった、これもしておけばよかったなんて
毎年年末にバタバタとする羽目になるのは目に見えているのだから。
いい加減、自分の癖に対応する施策を打ちたいものである。
それはそうと、布団が思っていたよりも奥にしまわれていたみたいで出すのが大変だった。
仕舞い込まれた枕やらカーペットやら、電気毛布が詰め込まれたようにごちゃっと広げられた部屋を見渡しながら後片付けを憂う。
ま、こんな日がやってくるのが秋なのだ。
と、自分を励ましながら元あった場所に戻してく。
あ、これ去年探してて見つからなかったやつだと見つけた収穫が大きい。
手は気づいたらほこりで汚れているし、辺りもどこか砂っぽい。
掃除までセットの衣替えが漸く半分まで終わりそうな昼下がりだった。

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