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人生に絶望してベトナムに飛び立った話6〜初日の朝と気づき〜

夜のダナン国際空港に到着後、ホイアンまで貸切タクシーで移動してホテルへ到着。
その後は、バスタブに浸かりゆっくりと夜を過ごした。

翌朝は5時ちょっと過ぎに起床。スマホのアラームが鳴る前にスッキリと目が覚めた。

日本とベトナムの時差は1時間だから、そりゃ時差ボケの心配もないだろうけど、こんなに清々しい目覚めは久々だった。

すでに外は明るくて、ホテルに隣接する家にいる鶏が忙しなく動き回っていた。

ホテルの隣は民家

ホテル名に「リバーサイド」という魅力的な言葉が入っていることもあり、もちろんホテルの目の前には大きな川が流れていた。

大きな舟にも小さい舟にもベトナムの国旗が旗めいていた。何かの目印なのかな?

前夜に到着した時には気づかなかったけれど、川岸にはたくさんの舟が停まっていて、その舟たちも間もなく動き出そうとしているようだった。

気温はすでに30度近く。だけど朝の散歩はすこぶる快適だった。

10分ほど歩いて、朝6時から開いている近所の小売店へ。
小さなGrocery Storeで、レジの奥に小上がりの居間が見えるような昔ながらのこじんまりとしたお店。

暑さに備えるべく、アイスレモンティーとスプライトを買った。

ちなみにこういう時に困るのがお会計…!
成田空港でベトナムドンにチェンジして以来、現金を使うのが初めてだったので大きな金額のお札しかないのだ。

街の小さな小売店では小さな金額のお札を出す方がいいだろうに、まだベトナムドンに慣れてもいないから、この合計金額がどのくらいのお札で賄えるものなのかもわからない。

申し訳なさそうに20万ドン札を出してみたら、やっぱりちょっと嫌な顔をされた。そりゃそうだ、店主さん朝からごめんなさい。
今日は少し多めに現金を使って小さいお金を作ろうと決意。

そしてベトナムドンはコインがないからありがたい。
お札だけなのでお財布も軽くて快適!

はじめてベトナムドンで買い物できた少しの高揚感を保ったまま、リバーサイドに戻って散歩を再開。

飲み物はだいたい甘め

舟が動き出すエンジンの音
犬が吠える声
道路に水を撒く音
バイクの走る音
わたしの足音

すべてが澄んで聞こえてすべてが新鮮だった。こんなに自分のまわりの音に耳を配ることがなかったので、わたしはしばらく360℃サラウンドで聴覚に集中した。

人間の感覚をどこかに置き忘れていたような気がした。

においや明るさ、音、気持ち、欲
全部の感覚が鈍っていたようだ。

これからの滞在で少しずつ人間を取り戻そう。
ベトナム初日の朝にわたしはそう決めた。

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