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遺書No.917 枕草子。

※この記事は2004年7月6日から2009年7月5までの5年間毎日記録していた「遺書」の1ページを抜粋して転載したものです。

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2007.1.13
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冬はつとめて。

・・・布団から、出たくない。

さて『枕草子』といえば、
清少納言の作品で三大随筆の一つ。
平安中期の日記的な内容だけど、
それがこうやって現代まで残るってすげぇよな。
マジ歴史に残る才能って素晴らしいわ。
よく考えると、なんて呑気なというか、
素朴なタイトルなんだろうね。



こんばんわ、みーくんです。


春は、姉萌え。

やうやう温くなりゆく街並み、
少し涙して、旅だちたる姉の、
無理にはにかみたる。

夏はツンデレ。

デレのころはさらなり。
ツンもなほ。
悪口の多く飛びちがひたるうちにも、
思いあまりて、頬など、ほのかにうち染まりてゆくもをかし。
言の葉など篭もるもをかし。

秋は、いもうと。

悪しきゆめを見て、
おトイレいと近うなりたるに、
兄の、寝どころへ行くとて、
三つ四つ、二つ三つなと、起こし急ぐなど、あはれなり。
まいて、ぬいぐるみの抱き締めたるが、
いと小さく見ゆるはいとをかし。
日入り果てて、風の音、虫の音などに怯えるは、
はたいふべきにもあらず。

冬は幼馴染。

窓から寝所に入る様は言ふべきにもあらず、
私が寝入っていても、またさらでも、
いと寒きに、屋敷の前で、私の名を呼ぶのも、いとつきづきし。
育ちて、物心付きし頃には、母の口調を真似しがちになりてわろし。



【訳】
春は姉に心躍る。
ようやく暖かくなってきて春が来た頃、
親元を離れる姉が涙を浮かべながらも
弟に微笑んで見せる様。

夏はツンデレがよい。
デレの出ている頃はいうまでもない。
ツンのころもやはり、罵詈雑言がたくさん乱れ飛んでいるのだけれども、
隠し切れない心の内が溢れて、頬がかすかに赤く染まっていくのもいいものだ。
思わず口調がどもるのも、趣がある。

秋は妹が良い。
怖い夢を見て、トイレにひとりで行けなくなって
兄を三度四度と急いでゆり起こす様は良い。
怖くて抱き締めたぬいぐるみが小さくなっている様子もまた良い。
日が暮れて、物音に怯える姿については、言葉にもならない。

冬は幼馴染が良い。
窓から私の部屋へ入ってくる様子は言いようもなく、
私が眠っていても、またそうではなくても、
(一緒に学校へ行くために)寒い中、私を呼ぶのもたいそう似つかわしい。
成長して、おせっかいを焼く事が増える頃には、
私の母の台詞を真似するようになってしまって感じがよくない。


いえ、ごめんなさい。
webでの拾い物なり。


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2023.6.27
毎日遺書を書き始めた当時917日目の投稿内容。
これ確かどこかで見かけた拾い物だったな。
秀逸だったのでメモしてたのを貼り付けたんだったよ確か。才能に溢れるヤツらは沢山いる。
いまはさぞ名のある文筆家になって…ねぇか?


過去のボクは昭和の固定観念や慣習に縛られ、自分や家族を苦しめていた事に気付きました。今は、同じ想いや苦しみを感じる人が少しでも減るように、拙い言葉ではありますが微力ながら、経験を通じた想いを社会に伝えていけたらと思っていますので、応援して頂けましたら嬉しいです。