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知ってほしい、「りんご猫」たちのこと

今日、12月12日、「漢字の日」だったり「バッテリーの日」だったり様々な記念日であるようだ。そんな中でこの日を「世界りんご猫デー」にしようという動きがある。

「りんご猫」とは、保護猫カフェ「ネコリパブリック」が、FIV(ネコエイズウイルス)に感染した猫たちのことを、偏見をなくしたいとの思いからそう呼んでいるのだそう。

 FIVはHIV(ヒトエイズウイルス)と同じ種類とはいえ、人にうつることはなく、必ず発症するわけでもない。けれどもエイズウイルスに対する誤解を含めた”イメージ”が先行してしまい、譲渡が難しい場合もあるのだそう。

 実は我が家も今年6月、りんご猫の専門店である保護猫カフェ、ネコリパブリック中野店から「ゆうくん」を家族にお迎えした。いわゆる“ひとり猫”タイプで、出会ったときから猫といるよりも人間といることが好き、という様子だった。

 何度も通ううちにゆうくんも私たちを認識し、信頼関係もできたかな、と実感。家族皆で「一緒に暮らそう」とゆうくんにお願いすることにした。

 エイズウイルスなので毎月のように投薬が必要なのかと思いきや、他の猫ちゃんも受けるようなワクチンは接種するものの、大切なのはストレスを与えない環境を整えることなのだそう。そこからして知らないことだらけだった。

 これまで世界各地でHIVに感染した方々の取材を続けてきたが、大切な軸は同じなのかもしれない。正しい知識を身に着けながら、落ち着いて、そして自然体で相手と向き合うこと。もちろん体調を崩さないよう、基本的なことには気を遣うものの、普段接している上で「りんご猫」としてゆうくんを意識することは殆どない。

 ゆうくんと出会ってから半年、早くも私の生きがいの一つがゆうくんとの時間になっている。どんなに嫌なことが日常の中で起こったとしても、ゆうくんの寝顔を見ると疲れが吹き飛ぶ。猫たちが人に与えてくれる力を、私自身がひしひしと実感している。

 ちなみに昔から実現したいことの中に、動物の殺処分を減らしたい、ということと、グリーフケア(大切な人を亡くした悲しみに寄り添う支援)に関わりたいということがあった。例えばグリーフケアの拠点になるような保護猫カフェを作ることはできないだろうか、と考えることがある。この想像を夢のまま終わらせないため、いつか実現できるように、「世界りんご猫デー」の今日、ここに記しておくことにする。

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