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前編・オーガニックのワイナリーQuinta do Monte d'Oiro(キンタ・ド・モンテ・オイロ)に行ってきました。


こんにちは!
夏子です。

先日、家から車で15分のところにある、オーガニックワインのワイナリー、Quinta do Monte d'Oiro(キンタ・ド・モンテ・オイロ)に行ってきました。


Quinta do Monte d'Oiroについて


道案内もちゃんとあってわかりやすかった。

我が家から車で15分、白い壁に黄色や青でペイントされた可愛いおうちが並んだ小さな村を2つほど通り過ぎて、ワイン畑に囲まれた山道をドライブしていくと、大きな緑色のゲートに到着。インターホンを押して、名前を言うと開けてくれます。

自動で、おもむろに扉が開くスタイル。

中に進むと、一面に広がるワイン畑と、倉庫のような建物や、レンガ色の屋根の一軒家のような建物がいくつか並んでいます。

前回のAdega Mãeときとは違って、こちらは家族経営の小さなワイナリーのような雰囲気。(と言っても土地は広大!)

車を停める場所に少し迷ったけど、まっすぐ進んだところにありました。

Quinta do Monte d'Oiro のワインは、

  • オーガニックワインがほとんど存在していなかった2006年からオーガニックワインを生産している。 

  • フランスの葡萄の品種、シラーをポルトガルで初めて栽培

  • ポルトガル国内外で、数々のワインにまつわる賞を受賞している。(ロバート・パーカーでは90−95ポイント!!)

  • 生産者は、国際ガストロノミーアカデミーの元会長、ホセ・ベント・ドス・サントス。

生産量が限られているので、一般的なスーパーではほぼ見かけることはなくて、日本でいう三越?のような、ポルトガルのちょっといいデパートEl Corte Inglés(エル・コルテ・イングレス)でしか買えないワインです。

ワイン畑のこと

どんなこだわりが詰まっているのかな、とワクワクしながらのワイナリー訪問。ちなみに今回も、もれなく2歳児の息子を抱っこ紐にいれての訪問です。


出迎えてくれた素敵な女性、ソフィー。

こちらのブドウ畑の歴史を簡単にまとめると、

  • 17世紀からブドウ畑として有名だった。

  • 18世紀後半には初めてワインを商品として生産したがあまり良い出来ではなかった。

  • 1992年、ポルトガルで初めてのフランス原産のブドウの品種、シラーを植えて、その後すぐにポルトガル国内でベストワイン賞を受賞。

  • 現在はシラー以外にもたくさんの種類のブドウを育てている。


Quinta do Monte d'Oiroは、ポルトガル語で「黄金の畑」という意味。

海から20キロ、Serra da Monte Junto(モンテ・ジュント山)から10キロに位置していて、周りに視界をさえぎるものがなんにもない。

山が北側に位置しているので、西から昇った太陽が、東(海のほう)へと沈んでいくあいだ、ずっとポルトガルのパワフルな太陽の光を浴びているブドウたち。

サンセットの時間には、畑一面が黄金色に輝く姿から、昔から「黄金の畑」と呼ばれていたそう。


ブドウ畑の横には、くるみの木の森や、馬の保養施設があります

夏は22時くらいまで明るいポルトガル。気温も32度くらいまで上がります。ただ、そんな暑い夏でも、夜になると、15度まで気温が下がる。
そして大西洋が近く、山にも近いので、常に海からの冷たい風が吹いています。この日もかなりの強風でした。

こういった寒暖差と、吹き続ける冷たい風が、甘いだけじゃなくて、酸味のある、バランスのとれたブドウが育つ環境にとても大切だそう。

気温が高いままだと、実の部分だけ完熟してしまい、タンニンなど大事なワインのエッセンスになる皮の発酵が進む前に、収穫しなくちゃいけないけど、ポルトガル特有のこの寒暖差や風のおかげで、実と皮の発酵のバランスがちゃんと取れて、あの、甘いだけじゃなく、酸味と渋みのあるおいしいワインができるんだって。

なるほど、だからアジアの国ではなかなかブドウ畑にお目にかからないのか!

いろいろお勉強になります。

オーガニックワインと普通のワインのちがい


あと2ヶ月で収穫を迎えるブドウたち。

2006年、まだオーガニックワインはほとんど市場に出ておらず、オーガニッックのマークを見ると逆に避けるような時代だったそう。
そんななか、Quinta do Momde d'Oiroは、完全オーガニックに方針転換することに。

ちなみにオーガニックのマークはこちら。

星柄の葉っぱのマーク。

ワインだけじゃなくて、飲み物や食べ物、すべての商品に共通するマーク。
お買い物をするときのひとつの目安になります。

なんでオーガニックにしたの?と聞いてみました。

それまでは普通に農薬を使ってブドウ栽培をしていたけど、ふと気づくと、土の力がとても貧しくなっていた。
農薬を使っている土地は、栽培中はたくさん収穫ができて、効率よく生産できるけど、15年ほどたつと土地が貧しくなり、1から土を再生させる必要があるそう。

農薬を使わずに育てた土地は、たくさん収穫するのは難しいし、ずっとずっと手間ひまがかかるけど、何十年たっても土が元気で、サステナブルなワイン作りが続けられる。

ブドウ畑のまんなか。冷たい風と太陽が心地よさそう。

農薬を使うということは、たとえば、子供が風邪をひいていなくても、定期的に薬を飲ませて、つねに風邪を引くことがないようにするようなこと。

ただ、そんなことをしたら根本的に身体が弱くなってしまうことに似ているわ、とソフィー。

オーガニック栽培に変えた理由は、商売のためではなく、長期的なビジョンをもって、哲学として変えたの、と話す彼女は、まっすぐ、芯の通った強くて美しい女性という印象でした。

農薬を使っている畑なのか、オーガニックの畑なのかを見分けるポイントは、畑に人がいるかどうか。

農薬を使っている畑は、人が入る必要がなく、年中無人だそう。

オーガニックの畑は、毎日必ず人がいて、虫や病気になりそうな葉っぱがいないか、丁寧にチェックする必要がある。

ちなみにここのワイン畑の責任者は、毎日なんと15キロ!!も歩いて、一列一列ちゃんとチェックしているんだって。
とてつもない労力をかけているんだなぁ、と改めてオーガニック栽培の大変さを学びました。

つづく。


ワイナリー内にあった不思議なアート?なんだろう、、

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