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ひさびさのあれこれ その6-カンボジアに帰った

今回は5週間ほどの日本滞在でしたが、とにかく忙しい日々でした。

まず最初の1週間はコロナがらみで外出自粛。知り合いに頼まれて、3回のミニ講演。次回の帰国で引っ越しを予定しているので荷物の整理。日頃からお世話になっている何人かと会う。親しかった友の墓参。運転免許証の更新(+高齢者講習)。施設に入っている弟と面会。人間ドック。そしてなつめの世話などなど……

なつめは、けっきょく精密検査はできなかったのですが(全身麻酔が必要なため)、どうやら頸椎のヘルニアのようです。ずーっと抗炎症剤を飲んでいるため、とりあえずは元気に暮らしていますが、薬が切れた場合にどうなるかは予測がつきません。自然に治ってしまうケースもあるようで、しばらくは様子見としかいいようがないのですが、果たしてカンボジアまで連れて行かれるのかどうかはいよいよわからなくなりました。

うかつなことに、今回初めて知ったことがあるのですが、そもそも犬は縦に抱いてはいけないそうです。本来犬の骨格は地面と平行になっている動物だから、縦に抱くと首に負担がかかるとか。なるほど理に適っていると思うのですが、そんなことを考えたことはありませんでした。犬を飼っているみなさん、ご存知でしたか?

次に会えるのはいつだろうと、泣く泣くなつめと別れてから、私は10日の23時半のシンガポール航空でカンボジアに戻りました。夜行便もなかなか辛いのですが、いつも出がけにバタバタするので、むしろこっちの方が楽かもしれません。名古屋をゆっくり昼過ぎに出て、関空からのフライトです。

私はシンガポールという国に行ったことがなかったのですが、今回初めてその地を踏みました。世界3大空港のひとつといわれているチャンギ国際空港で3時間ほどのトランジットです。

この2枚は関西国際空港です。午後9時とはいえ、あまりの寂しさ。店舗はすべて閉まっていました。こういう状況に陥ると、さすがの私も身の孤独をしみじみ考えるものです。あぁ、こんな風にしていくつもの国境をひとりで越えてきたなぁと……

早朝6時頃のチャンギ国際空港。その巨大さと豪華さに圧倒されました。ターミナルのすぐ外側をモノレール(?)が走っていたのですが、歩いても移動できます。天井がものすごく高く、床にはカーペットが敷きつめられていました。乗り継ぎ便のブースも広々としていかにもハブ空港、いったい1日に何便の航空機が世界に飛び立ってゆくのでしょう。北京空港も巨大ですが、その豪華さも国際性も比べ物になりません。ましてや成田、関空など話題にもならないほどですが、私個人的には、名うての“警察国家”であるシンガポールへ、税関を通って足を踏み入れたいとは思いません。

シンガポール航空というのも初めて乗りました。比較的安かったのと、委託荷物が25KまでOKだったからです。一般的にはエコノミークラスは20Kです。どうしても“味噌醤油系”を持ち帰りたいので、いつもぎりぎりまでスケールに乗せては調整していたので、25Kなら確実。どのみちそれ以上は持てません。今回は、機内持ち込みを含めて30Kでした。

斬新だったのは機内食。シンガポールは資源に恵まれず、水すらもマレーシアから輸入している国ですから、環境に対する意識は高いのでしょう、運ばれてきた機内食の入れ物は、なんと、紙製だったのです。スプーンなども木製(アイスクリームに付いてくるような薄っぺらなヤツ)でした。

そして中味はなんとっ!“うな丼”だったのです。ご飯の上に錦糸卵が乗せてあって、その上に3枚ほどの薄切りのうなぎ。まさかこんなところで“うな丼”にありつけるとは……。これにハーゲンダッツのアイスクリームも付きました。ワインも出ました。

シンガポールからPP(プノンペン)はあっという間に着きます。私はカンボジアのワクチンカードを持っているので、入国は平常通りで簡単でした。

実はカンボジアは2か月ほどゼロコロナの日々が続いていたのですが、つい先日、16名の新規感染者を出しています。経済のためとはいえ、これだけノーチェックで海外から人が入ってこれば当然のなりゆきでしょう。

11日午前中にPPに到着したのですが、実はそれから1週間滞在することになりました。車の修理があったからです。以前もお世話になったことがある日本人がやっている修理工場があって、そこにセイハーが車を移動させていました。

上の写真が1週間お世話になった Lucky Ⅱ Guest House. 1泊10$でなかなか快適でした。ただし、エレベーターがなくて、最上階の5階までの上り下りがタイヘン!出がけに忘れ物でもしようものなら、涙が出ます。

すぐ近くに、オルセーマーケットというローカル市場があり、界隈は安宿がひしめき合っているところです。オルセーにはとにかく何でも揃っていますが、他の大きなマーケットのような観光土産は扱っていません。小さな食堂、美容院、マッサージなどもあって、私はさっそく髪を切ってもらいました。1.5$、細かいのがなかったので10000リエル(2.5$)を渡して、ツリはいらんよ、といい恰好をしてきました。

ここが正面入口
小山になっているのは干しエビ
2階はほぼすべてが衣料品売り場。この真ん中が通路です
リンゴは、USAやニュージーランドから
ぶら下がっているのは子豚。カンボジア人はとにかく肉が好きです
豚肉はベトナムからの輸入品がほとんど
1日に捌く鶏の量も半端じゃないですが、こういうのは最も私が苦手とするシーン。赤いのは血、多分これも食用

日が暮れると市場の前に様々な屋台が店開きします。若いお兄ちゃんのフライパン捌きに思わず見とれてしまいました。

そして1週間後、車を受け取っていよいよシェムリアップに向かいます。実をいうと、今からほぼ20年以上、私はほとんど運転をしたことがないのです。なぜなら中国大陸部では国際運転免許証というものが使えず(香港、マカオはOK)、たまに日本に帰っても自分の車はないので、もっぱら自転車と徒歩でした。

最近でこそ時々運転するようになりましたがほんの近距離、町が小さいので滅多に乗ることもありませんでした。それがいきなりPP→SR 320K, およそ6時間ほどの長距離ドライブです。

マ、途中であちこち寄り道しながらのんびり帰ろうと思っていたのですが、外に出れば暑いし、途中でスコールは来るし、お腹も空かないし、何よりカンボジア人の運転マナーの悪さにいらいらのし通しで余裕というものがまったくなくなり、けっきょくノンストップで帰って来てしまいました。

久しぶりに帰った我が家の庭は草ボーボー。モリンガはとっくに私の背丈を越えていました。部屋の中もなんだか散らかっていて、まずはキッチンを徹底的に掃除。気のせいか、天井裏に住んでいたはずのネズミが、どうも我が物顔で部屋中を跋扈していたような気がして仕方がないのです。留守番役のセイハーはほとんど気にしないですから。なので、これから1週間は掃除に明け暮れると思います。それではまた。


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