見出し画像

このnoteは、産前にとにかく不安でたまらなかった私へ「大丈夫だよ」と伝えるためのものです。人生の中でもなかなかなインパクトのある出来事を、備忘録として。
また、これから出産を迎える方、産後のママや赤ちゃんの様子を全く想像できないパパやご家族の方へも、もし少しでもためになったら幸いです。

産後のリアル

まずは産後のリアルな状況を。先日生まれた娘は、授乳を終えるとすぐに入眠、次の授乳・ミルクの時間までほぼ規則正しくすやすやと3時間程度眠る現状です。私たち親は次は何時ごろだね、それまでに、、と食事や家事やその他やりたいことの計画が立てやすく、逆算しながら思い思いに生活できています。(ちなみに夫は昨日の朝、娘が生まれて初めて釣りに出かけていきました。次のミルクまでに戻ってくると。どうぞどうぞ。)

想像していた夜泣きでの寝不足や疲労、意味の分からない泣きでの長時間の抱っこや寝かしつけやそれに伴う不安やイライラ、私自身のホルモンバランスの変化による精神的なグラつきやガルガルしてしまうことなどは、今現在は特になく過ごすことができています。自分でも驚いています。

よく眠るというのはこの子の特性によるところが一番大きいとは思いますが、娘との関わりの中で夫婦で心掛けていることがあります。それは、「泣いている娘の様子を観察する」ということ。
泣いているのには理由がある(お腹が減った、体調が悪いなど身体的なこと/オムツを交換してほしいや、暑い・寒いなど環境的なこと)というのは分かっていましたが、実は新生児は理由がなく泣くことがなんと80%とのこと。(!!!)

なので、今泣いているのはなんの泣きなのか?というのを一旦二人で少し観察して見極めています。
理由があると想像がつけばすぐに対処しますが、もし理由がなく寝ている途中で少し目が覚めて大人が寝返りを打つようなタイミングでちょっと心地が悪くて「ふえーん」と言っただけとするなら、無闇に抱っこしたりおっぱいをあげてみたりしてせっかくの赤ちゃんの眠りを邪魔したくないですよね。

これを夫婦で徹底していることで、必要な時に泣けば解決してもらえるのだと娘にも伝わっている、と娘が泣くたびにお互いの信頼感を強められている感じがします。逆を返すと泣けば抱っこしてもらえる、というような学習を娘がしないことに少なからず繋がっているのかなと、まだまだ新米の母ですが感じるところです。

壮絶なお産

簡単に、お産のことも振り返っておこうかなと。
経膣分娩で延べ16時間ちょっとの壮絶な体験は、あんなに苦しかったのに、痛みそのものは既になんだかもう覚えてなくて。シーンを4つくらいに分けると、シーン2がいっちばんキツかった。。。

シーン1:
陣痛間隔が10分以内になりタクシーで病院へ。痛みはそれほど強くないものの居心地が悪い感じ。そしてなぜか猛烈な吐き気。
陣痛の状態と赤ちゃんの様子を見るのでお腹に30分モニターをつけます。→
赤ちゃんの呼吸が定まらない時があるのでもう30分呼吸を見させてもらうね。→
あともう30分。。。→
(実際は1時間くらい経過)→
やっぱりもうちょっと見てから自宅に戻ってもらうか入院してもらうか決めるね。→
(さらに時間が過ぎていく)→
・・もう入院させてもらえませんか?(吐き気と変に期待をさせる言い方に意識朦朧。)→入院決定。
この間に嘔吐2回。

シーン2:
痛みの強さが増す。
他にも陣痛が進んでいる妊婦さんがいて、どちらかと言うと私よりもそちらの妊婦さんの方にスタッフの方が付きっきりで、一人で苦痛にただひたすらもがき耐える時間が長く、寂しい思いをする。
やっと来てくれた、どれだけ子宮口開いたか見てくださいー!こんなに痛い&時間ももう経っているしー!と思うが、まだ病院に来た時と同じ子宮口1cmと言われた時は(10cmまで開かないとお産進まないので本当に全然まだまだ。)もう、絶望。
この時、おおよそ10時間くらいすでに経過。

朝とお昼の食事を2回スルーして、嘔吐さらに2回。もう胃には何も入っていないのに気持ちが悪い。水を飲んで、と言われるけどまた戻したくなっちゃいそうで水分すら取りたくない。お産進まないよーと言われ、必死に水分補給。
一睡もしていないので眠いのに痛みが来るから眠れず、痛みが去ると意識が朦朧として、また次の痛みがきて意識が戻るの繰り返し。
そんな中、藁にもすがる思いで他の妊婦さんに声をかける助産師さんのアドバイスや呼吸法をちゃんと聞いて私も少しでも、と真似をする。
10回くらい数えたらラクになると分かっているから鼻から息を吸って口から吐く、そしてひたすら心の中で数を数え続ける。これを愚直に何百回とやり続ける。
これがもうずっと永遠に続く気がして、どうなっちゃうんだと本気で思う。これを経験した世の中の全てのママたちを心から尊敬する。みんなすごい。すごすぎる。私はくじけてしまいそうです、と思いながら。
でも、不思議とランナーズハイみたいになる瞬間もごくわずかながらあって、「ゴールに近づいてる」と自分を励ませられたことも。マラソンやっててよかった。この気持ち知ってる、味わったことあるぞと思った。

シーン3:
痛みのレベルが変わった。
(ここまででおおよそ15時間経過。もうちょっとだ。)
ただただ痛いというのが終わって、ちょっと楽な痛さ。呼吸がしづらくなるからその数秒はマジで自分でも大丈夫かいとビビるが、でも痛さというのではなく、なんと言うかちょっと心地よい?感覚にさえ感じた。とにかく不思議な痛さ。
シーン3に変わって、明らかに前進した感じがする。「だいぶ降りてきてるねー」と言う助産師さんか看護師さんの声に希望が見えてくる。
同じく陣痛中の妊婦さんが先に分娩室へ移動。私はいつなの・・・?!と思う気持ちと、がんばって、、!という気持ちとで、もう色々ぐちゃぐちゃ。

シーン4:
分娩室に移った妊婦さんの叫び声が聞こえる。(そんなに😭?!)助産師さんのその妊婦さんへの「鼻から吸って!」と言う声もさらに大きくなる。私も一生懸命鼻から吸う。
ふと、何分経っただろう「おぎゃー!おーぎゃああぁぁぁ!!!」という声が聞こえた!産まれたんだ!知らない人だけどおめでとうございます!

さぁ次は私だ、早く誰か来てくださいーと思ったら、通りがかった?人が私を見て一言。「やだこの子ももう産まれる。頭見えてる!」
・・・?!
頭見えてる?!え・・・!!!
ということで、歩いて分娩室へ移動(歩けるんだ、と自分で思った。そして歩かせるんかーいとも)。やっとここまで来れた・・・!
私が知らないうちに?分娩室にはもう一人別の妊婦さんがいて、今度はそちらが産まれそう。明らかにみんなバタバタしているのが分かる。私は結局三番手。
鼻から吸って、口から吐く。もう何度目だろう、この呼吸法。上手上手と言われ、ずっとやってきましたのでという気持ちで口角だけ上げて反応。何度目かのいきみで、ようやくするんと赤ちゃんが出てきてくれた。
「おめでとうございます!」

あぁ、終わったんだ。
涙が出るかと思ったけど、涙は不思議と出てこず、終わった、あぁ本当に終わったんだ。産んだんだ、私、10ヶ月守ってきたその命を。
そんな感情。

睡眠と食生活と機嫌と自己肯定感

鶏が先か卵が先かという感じですが、全部つながっているなと思うこと。産後の自分自身へ、大丈夫大丈夫といかに言い聞かせられる状況をコツコツ積み上げるかが大切だなと感じます。

頻繁な授乳で仮に限られた睡眠時間しか取れない場合も、例えば4時間よりは逆に3時間のレム睡眠時に起きてしまう方が、目覚めが良かったりしますよね。少しでもとにかく長い時間眠ろう、あぁ結局4時間しか眠れなかった、、と思うより、レム睡眠を意識して睡眠のリズムも前向きに組み立てる。当たり前のことかもしれませんが、そういう積み重ね。

食生活も、パパッと済ませて我が子のために、、とにかく睡眠を、、と思うところもありますが、食べたもので母乳も作られると思うと、蔑ろにしたくない食事。母乳が出なくて胸が張って赤ちゃんも上手に吸えなくて、、となってはお互いに辛い状況です。
なるべくバランスの良いメニューを、よく噛んでできるだけ時間をかけてよい姿勢で集中して食べる。回りまわって赤ちゃんのためになったりするんだよなぁと。

そうやって積み重ねていると、自分の機嫌を上手に保つことができて自己肯定感が下がらずにいることができます。赤ちゃんへはもちろん、家族とも雑なコミュニケーションにならずに向き合うことができるなと感じます。
機嫌を保てるから睡眠や食事にもより気を遣えるし、そうやって気を遣えている自分を大丈夫大丈夫と認めてあげることで少しゆとりができて、例えばお風呂上がりに少し長めにマッサージできたりストレッチしてみたり、寝る前に1分だけ瞑想してみたり、とできることをほんの少しやってみれてまた機嫌を保つことができる。
全て、つながっているなとつくづく感じます。

夫の育休

育休を取得している夫は、退院後の初日から一緒に育児に関われています。(里帰りや実家から誰かが応援にというのもお願いしませんでした)
産後1ヶ月の私の状態は「交通事故に遭って全治1ヶ月みたいなもの」と覚悟していたので、夫もそのつもりで家事も夜のミルクや夜泣きも俺に任せろ!と頼もしくいてくれましたが、私がほぼ通常運転で生活できているため、「育休取った意味ある・・?」と思っているかもしれません。
でも私も今がこうなだけで、突然精神不安が明日訪れるかもしれないと思って無理はしませんが、夫もそんなに気張らずにいてほしいなと思います。

育休を取ることが正解ではないし、その家庭によっての最適解があるなかで、我が家はゆっくりじっくり3人での新生活に慣れていくことに時間をかけられています。よかったなと、なんてありがたいことなんだろうとしみじみ。会社のメンバーと、なにより業務を調整して育休を取ってくれた夫に本当に感謝です。


産前のわたしへ。
大丈夫です。これからもちろん大変なことや困ることもたくさんあると思うけど、その都度3人でどうしたらいいか考えながら乗り越えていくのだと思う。
生まれるまで何があるか分からないという漠然とした大きな不安と隣り合わせだったあの気持ちももちろん忘れずに、ここに残しておくことでまたいつか振り返ったりまたは誰かのためになれたりする私で。

生まれてきてくれた娘へ。
私たちのもとに来てくれてありがとう。これから一緒にこの世界を思いきりたのしんでいこうね。まだ意思疎通もはかれないけれど、あなたを一人の人間として心から尊重しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?