見出し画像

フェムテックをもっと私たちは知ることができるし、知る必要がある

フェムテック。
2021年の新語・流行語にもノミネートされたことで知った方も多いかもしれませんね。改めてフェムテックとは、Female(女性)とtechnology(技術)を合わせた造語です。~techが増えてきた昨今、ブラックボックス化して語られることがなかなか少なかった生理や妊娠、出産、更年期など女性特有の身体の変化に伴う不調について、科学技術によって解決する商品やサービスを通して知れる・学べる・解決できる・発信できる場が増えてきたなと感じます。

先日、日本フェムテック協会主催の、「働く女性の健康戦略 ヘルスケアセミナー」を受講しました。もともとは同団体が主催しているフェムテック検定の3級を受検したことがきっかけでした。

フェムテック検定2級の開催が一旦無しとなり、その代わりに行われたのが今回のセミナー。ちなみにこの私の3級取得をきっかけに周りの友人もフェムテック検定を受検したり反応してもらえたりするなど、フェムテックは単に女性のためだけのものではなく、社会全体に役に立つものとして認知されつつあることを感じました。ということで今回のセミナーも大変楽しみにしておりました。

このnoteでは、セミナーを受講して学んだことや早速社内に共有したいと思ったことを記載します。セミナー自体は12/16(木)までアーカイブが視聴できるようなので、このnoteと併せてチェックいただけるとより理解が深まると思います。(念のためですが、この協会と私が何か関係があるわけではないのと医学的な知識もない私なので、あくまで個人的なnoteとしてご覧いただけますと幸いです。もちろん調べながらnoteはまとめております。)

今の日本って実際

結局のところ今の日本ってどうなの?いけてるの?というマクロな視点で最初に記しておいた方がいいと思い簡単に。ややこしい・小難しい話はちょっと、、、という方は次へどうぞ。
2021年3月に公表されたジェンダーギャップ指数2021によると、日本は世界156カ国中120位(前回は153か国中121位)でした。先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中で韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果です。

このスコアは、「経済」「政治」「教育」「健康」の4つの分野のデータから作成され、0が完全不平等~1が完全平等を示しています。2021年の日本の総合スコアは0.656で、特に「経済」及び「政治」における順位が低くなっています。
・国会議員の女性割合9.9%
・管理職の女性割合14.7%
・女性の72%が労働力となっている中、
 パートタイムの職に就いている女性の割合は男性のほぼ2倍
・女性の平均所得は男性より43.7%低い
指摘されているこれらの項目を見ると、会社や組織における女性の働き方に未だに根強い日本の“ジェンダー不平等”があることを実感します。女性特有のホルモンの働きと年齢によって伴う健康のリスクが、男性とは違う尺度で存在していることがまだまだ認知されていないことも要因の一つだと感じます。

動き出したフェムテック市場

アメリカのリサーチファームFrost&Sullivanの2018年の調査によると、フェムテックは2025年までに全世界で5兆円規模の市場になると予測されています。日本でも女性特有の健康課題にかかる医療費支出と生産性損失の合計が6兆3,700億円に上る中、日本のフェムテック市場は約1兆4,000億円に達しうるとの試算もあるようです。

日本では、2020年がフェムテック元年と言われています。コロナでのおうち時間が増えたことでヘルスリテラシーが向上し、2021年には大手企業の参入が相次ぎ、2021年6月には自民党にも議員連盟が立ち上がって経済発展に向けた提言案を示すというニュースもあり多くの方にインパクトを与えたことは記憶に新しいと思います。SDGsの観点でジェンダー平等の実現との関連性も高いですね。
フェムテックという新しい概念を通して一気にここにテコ入れしていくことで、これまでのジェンダー不平等な社会に突破口が切り拓けるのではないかと市場が期待していることは大変納得がいきます。

引用:
https://ideasforgood.jp/glossary/femtech/
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021060200905&g=pol

そもそもなぜFemale向けだけのTechnology?

今回のセミナーで大変勉強になったのが、生物学的なFemaleとしての特徴でした。私自身も生物学的に女で、生理と20年近く共に生きてきて、Femaleとしての生活が意識的にも無意識的にもいつも身近にあります。ただ、そもそも学校で習ったかな?ということや、家族であっても自分と誰一人として同じ感覚を分かり得ないことで、Femaleレベル(なんて言葉はないけれど今回のセミナーで知らなかったことも多くあったので勝手に造語)はまだまだ高くないことを痛感しました。

例えば、理解すべき象徴的な存在の女性ホルモン。
月経の周期を作るために卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が上がったり下がったりギザギザに変動し、それが毎月繰り返し繰り返し行われて月経となっています。(ちなみに男性ホルモンは朝夕で若干の変動があるくらいで女性と比べるとほぼ一定とのこと)
ホルモンバランスの乱れやPMSで辛い時期、基礎体温を測って自分の身体の状態を把握することなどは月経のある生物学的な女のみなのですよね。

今回知ったことは、それらもテクノロジーで理解を深めたり緩和させたり解決できることも増えてきており、それは我慢とか辛抱とかとは真逆に位置する、命にも関わる重要な選択であるということ。同性の母親や姉妹、友人や会社の上司・同僚などの意見やあいまいな知識で決まるものではなく、あくまで個人個人の意思のもとに成り立たせるべき自由な生き方そのものであるということです。

アプリでの生理予測(私は色々試してClueを愛用中です。アプリの色合いが女子女子していなくて大変好み)や基礎体温の管理ツール、吸水ショーツや月経カップ、卵子の凍結や医療用ピル、妊よう性の視点では精子の状態を調べるサービスや妊活を後押しする商品など、フェムテックやフェムケア(テクノロジーはまた違うケア商品)関連のプロダクトが世にたくさん出ています。Female向けだけということではなく、一消費者としてライフサイクルやライフステージに合わせて、もっとラフに選択できる機会が増えていくといいなと感じます。

更年期への理解

女性ホルモンの話が出ましたが、更年期についても今回のセミナーで大変勉強になりました。私は母を病気で52歳のときに亡くしており、高校卒業を機に地元から離れたこともあって更年期を経験している身近な存在がいないに等しく、知ってはいたもののしっかり理解できていたわけではなかったなと痛感しました。
所属している会社も25周年を迎えたとは言えまだ若いメンバーが多いため、今後直面するであろう更年期症状のあるメンバーとの理解ある関わりは組織の中で私の必須な役割と感じています。もちろん私自身もいずれ迎える更年期ですから自分ごととして。

改めて更年期というのは、閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間のことを指します。卵巣の動きがだんだん鈍くなって閉経を迎えますが、日本人の平均閉経年齢は約50歳で早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半と言われています。(初潮が遅い人はその分閉経も後ろ倒しになる?と思われがちですが、そもそも卵巣の動きが強くないという性質を持っている可能性から、閉経が早い方も多いとのこと)
更年期にエストロゲンが減少してホルモンバランスが乱れることで現れるさまざまな症状の中で、他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。

引用:
https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=14

とあるCMで“ほてって汗が出て、、、”というのが浸透し、その症状がないことで自分に更年期障害は出ていないと思い込む方も多いとのことで、ほてる、汗をかく以外にも様々な身体症状があります。ちょうど更年期のタイミングは心因的ストレス(職場で責任ある立場になる、子どもの進路問題、親の介護などなど)が重なることもあり、組織や家庭でもケースによっては深刻な問題になると感じます。

セミナーで学んだことは、「今から生活習慣を整え無理なダイエットや食事制限をせず栄養バランスのとれた食事をし、適度な運動や睡眠をとること」です。更年期を迎えたメンバーが周りにいる際は、月経や妊娠期間中のつわりなどと同様に個人差はあるものの、その人に合わせた働き方や休息のとり方を一緒にじっくりと考えていきたいですね。

まとめ

フェムテックについて、セミナーを通して学んだことをまとめました。セミナーを受講して知った気にならず、こうしてnoteにするために調べながら複数の記事を読んだことで理解がもう一段深くなりました。
とある企業のサイトに掲載されていた、『フェムテックという単語がビジネスシーンで多用されるようになってきて、単なるマーケティング用語ではないということ、需要がある事実を投資家に認識してもらう一つの手段としてフェムテックという単語の認知が広まっていくといい』というようなメッセージに大変共感しました。流行りに乗って一過性のものにするのではなく、根本的にはその人自身の命や次の子どもへつながる大変デリケートで繊細な問題です。ただ、テクノロジーの力をうまく活用して、よりよい自分になっていくことのできるチャンスにもあふれています。
私自身ももっともっと学んで、発信していきたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?