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おじさん好き女性の本音とは?

発売中の週刊spa!の第二特集「おじさん好き女子の本音」でコメントしました。

今の女性は疲れているので、ファザコンでなくても20代女子が思いやりのある年上男性に惹かれていくのは当然ですね。
おじさん好き女性には様々なパターンがありますが、
共通していえるのは、女性の「ぶら下がり願望」があるから、年上男性は永遠に恋愛対象に入るのではないでしょうか。
甘えたい、教えてもらいたい、褒められたい、というぶら下がり願望。
その願望の底辺にあるのは、若さゆえの自信のなさです。
年上の男性に認められることで、自分の存在価値を見出し、自信につながるから、
若い女性のおじさん好きは永遠です。
芸能界を見ればよくわかりますね。
20代の女優と40代以上の男優のカップルや結婚は、まさに同年代がライバルな20代女優にとって、年上のキャリアのある男性俳優が認めてくれたり、支えてくれるから
自分のキャリアも磨かれ、精神的にタフになれるのです。


一方、中年男性は今の自分にはない「若さ」を年下女性から与えられるから
活力も沸き上がり、
普段なら無視されそうな若い女性に愛されているという自信が精神的なエネルギーをもたらすのですが、
年下の女性の溺れてしまうと、身の破滅という恐ろしい出来事が生じます。
でも若い女性の甘美なセクシャリティーに自分を見失ってしまいたいというのも、中年男性のマゾ的な願望。
中年男性の若い女性に対する願望と期待、執着を描いたのがイタリア映画の巨匠、ベルトルッチの「ラストタンゴ・イン・パリ」でしょう。
人生に絶望した中年男性と、男性のうらぶれたデカダンスに惹かれる若い女性の
性愛だけで繋がった二人の関係は、
やがて若い女性の冷酷さが中年男性を打ちのめし、男性の執着がラストで弾け、クライマックスへと突入します。
「ラストタンゴ・イン・パリ」はその過激な内容と描写によって、イタリアでは上映禁止や猥褻裁判に及ぶなどスキャンダラスな話題に事欠かなかった作品ですが
中年男性に若いなぜ惹かれていくのか、そしてなぜ捨てたくなるのかという理由が良くわかります。


どうして中年男性に若い女性が惹かれるのか、、、
その答えはまたハードボイルド小説家で時代小説の名手である北方謙三氏の短編小説からも伺われます。
中年になると、老いもそして死も遠い未来のことではなく、日々刻々と死へと向かっていると自覚してしまうことでデカダンスが潜み、若い男性にはないセクシャリティーを醸し出します。

私が北方謙三氏が描く中年男性のだらしなさと、デカダンスなセクシーさに惹かれたのは、
タイトルは忘れましたが、銀座で飲み歩いている中年作家と若いホステスがホテルで情事にふけっているシーン。
若いホステスは中年作家に甘えますが、作家は彼女のことをとても冷徹な眼差しで観察しています。賢くないとか、お金が目当てなんじゃないかとか。
でもやはり若さには勝てないと呟く中年男性は、彼女の魅力に負けてしまうのです。その焦燥感や諦めは、なんと可愛らしいのでしょう。
そこはかとない中年男性愛に目覚めてしまいそう、、、

でも中年時代を過ぎた初老の男性、そして老年男性は死が身近になるせいでしょう、
男性が執着する傾向があるので、ひょっとしたら人生で一番難儀な恋愛の部類に入るのではないかな。。
執着は理屈では測れないから、理性で解決しようとせずに、
限界を感じたら、とにかく逃げて逃げて、自分の気配を相手が感じないところまで行きついたら、やっと息をしましょう。若い女に捨てられるのも、中年以降の男性の特権なのですから。

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