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Higher Loveから振り返るJ-POPシーンとゴスペル7選

紅白歌合戦のトリでも話題となった、MISIAさんの「Higher Love」。藤井 風さん作詞作曲の愛と人間味に溢れた、それでいて崇高なゴスペルソングだ。

というわけでこれをきっかけとして、今回はこれまで日本のミュージックシーンで発表されてきた「ゴスペル要素を堪能できる曲」を挙げていきたいと思う。
昨今の同様な企画ではあまり名前の挙がらない曲も加えていきたい。(以下敬称略)

Spirit Of Love/Sing Like Talking

ここを避けて通ったらダメでしょ的な、ゴスペル色の極めて強い1995年のシングルチューン。オルガン、クワイア、ハンドクラップと各要素もばっちり。ボーカルの上手さでは国内トップクラスだけに、こうしたスケールの大きな楽曲も素晴らしい。
武豊騎手の結婚式のために作られた楽曲ながら、恋愛にとどまらない大きな意味での愛を感じさせる名曲。

Love To The World/Little Glee Monster

アカペラ(a cappella=元々は礼拝堂で、の意味)は簡素化された教会音楽から転じて、楽器を用いない声楽のみの合唱をも指すようになった。アカペラとゴスペル(福音音楽)はイコールではないが密接な関係性があり、数多くのアカペラグループがゴスペルまたはゴスペル調の楽曲を歌ってきた。
若きアカペラのスターとして大人気のリトグリ、ハーモニーの美しさは折り紙付き。

I'm here/露崎春女(Lyrico)

亀渕友香&Voices of Japanのクワイアとして歌っていたこの人をスルーするはずもなく、今回はこちらの楽曲を。「Believe Yourself」もあわせておさえておきたいところ。
ずば抜けた歌唱力を持ちながら、今ひとつブレイクしきれていないのがまったくもって不思議でならない。表現力に優れた実力派シンガーであり、またコーラスやゲストとしても活躍している。リリース時期によって名義が露崎春女またはLyrico。お勧め。


Don't wanna cry/安室奈美恵

TKこと小室哲哉とブラックミュージックが結びつきにくい向きも多いかと思うが、実際はそうでもない。ゴスペル調コーラスが壮大な大ヒット曲「CAN YOU CELEBRATE?」よりもさらにブラックミュージック色が濃いのがこちら。
安室奈美恵の力量が素晴らしい。作詞は前田たかひろと小室の共作。前田がいじめなどの社会問題から着想した詞は、時に鋭く響く。
単にブラックミュージック寄りということならば、TRF(ごく初期除く)の楽曲もかなりそちらの要素が見られる。TKと呼ばれる遥か前の無名時代にはレコード会社でアルバイトをしていただけあって、プログレッシブロックやエレクトロ以外のルーツも多彩だ。

ALL HANDS TOGETHER/中島美嘉

ハリケーン「カトリーナ」の被害地であるアメリカ・ニューオーリンズに向けた、チャリティーソング。ゴスペルフィーリングあふれる明るいナンバー。歌詞は大変ストレートでチャリティーに沿った内容になっている。
アラン・トゥーサン、シリル・ネヴィル、沼澤尚といった洋邦凄腕のミュージシャンが多数参加しているのも聴きどころ。

Rejoice/TiA

デビュー10周年で単身渡米。アメリカ東部最大級のゴスペル大会「マクドナルドゴスペルフェスト」に3人組のグループで出場し、グループ部門日本人初優勝を果たした横浜出身のシンガー。この曲は2020年リリースのシングル。
なお、アルバム「MIRACLE」では韓国生まれの穏やかな讃美歌「君は愛されるため生まれた」もカバーしている。

THE GLORY DAY/ MISIA

MISIAにはじまりMISIAに終わる。
説明不要、日本を代表するソウルシンガーとしての魅力が詰め込まれた、愛にあふれるゴスペルチューン。
 

紅白を期にゴスペルへの興味が湧いた人も少なくないだろう。まだまだたくさんゴスペルからの影響を受けた楽曲が存在している。この機会に、ぜひ楽しんでみてはどうだろうか。



なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」