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沢山の人がCCされたビジネスメール、海外メンバーには怖いそうです

日本では、よくCC(email のカーボンコピー)に大量のメンバーを入れてビジネスメールのやりとりを行うことがあります。
CCに入っている人は特段そのメールに返信するわけではないのでTO(email の宛先)に入っている人同士のやり取りを見守ります。

これが、日本のビジネス習慣に慣れていない海外メンバーからすると、とても奇妙なことに感じるようです。

海外メンバーは、基本、1対1のコミュニケーションを好む

私たち日本人は、Job型への移行が進んできているとはいえ、もともとはGeneralist型での仕事をしてきています。
Job型は職務範囲がはっきりしていて、「その職務・ポジション」に対して採用されます。ですのでその道のプロフェッショナルとして責任範囲を担当し、同時に他のプロフェッショナルの領域を尊重します。
Generalist型は、「会社」に採用されるので、数年で社内のポジションを異動することも多いです。社内の様々な職務の経験を積み、集団内でフォローしあってゴールを達成していきます。

日本ではこのGeneralist的な考え方がそもそもの日本文化とも合う部分が多いと思います。
自分たちのコミュニティの中で、争いを避け、集団で合意形成し、全員に情報を共有することで全員を巻き込み、お互いサポートします。

ですので、CCに大量の人が入っているケースが多々発生します。

一方で、Job型の考え方では、その領域のスペシャリストがプロフェッショナルとして対応すれば良く、必要以上に多くの人を巻き込む必要はありません。
プロが責任を持って決めて対応すれば良いのです。

海外メンバーが日本の大量CCメールを見たらどう思うのか

海外メンバーが日本人が送る大量CCメールを見たら、こう思うそうです。

「どこの誰なのか全く分からない人の名前がズラッと並んでいて怖い」
「なんで面識もなく紹介もされていない人がメールに入っているのか」
「CCの人たちは何も反応しないが、何のためにメールにCCされているのか」
「これは Reply All すべきなのか?(悩む)」

私たち日本人からすると様々な理由や利点があってCCに人を入れていますし、大量に見えても誰を入れるのか入れないのか、を厳選した結果だったりもします。
『報連相』として上司をCCする、というケースもよく見かけますよね。
CCを使うことに抵抗はなく、むしろコミュニケーションの手段として
TO、CC、BCCを活用するのがデキるビジネスパーソンだったりします。

海外メンバーとのやりとりの際、その人の上司をいきなりCCするのはNG

CCすることに抵抗がない日本人は、「あ~Aさん全然動いてくれないな、よし、上司をCCして確実に動いてもらおう」とAさんの上司をさりげなくメールにCCすることがあります。
これはヒエラルキーをうまく利用して圧をかけて仕事をしてもらう、というやり方で、私もどうしようもないときにこの手段を使うことがあります。
嫌な印象を与えることもありますし、関係性にキズがつくこともあるので個人的には全く好みではありませんが。

海外メンバーは、上司をCCすることについて私たちが感じる以上に嫌な印象を持つようです。
「自分とやりとりをしていたのに、なぜ自分に直接言ってくれないのか」
「上司に告げ口されている気分」
ということです。
プロとして仕事をしている中で突然自分の上司をCCに入れられるので、「あなたは信頼できない・あなたは仕事はができないというメッセージ」と受け取られてしまいます。

日本式の中に海外メンバーが入って仕事をするとき


もし日本が本社で日本式が多く見られる場合、たくさんCCメンバーを入れることについて以下のことを海外メンバーに伝えてあげると誤解が少なくなると思います。

たくさんのCCには、以下のような理由があります。
- 日本人なりの効率的な情報共有の方法で、これによって関係者全員を一度にアップデートできる
- 決済者もしくは決済者に近い立場にいる人を巻き込むことで、あとでどんでん返しも起こりづらく、サポートも得やすい
- 日本では報連相という言葉があり、上司などに聞かれる前にプロジェクトなどの進捗情報を知らせることが求められているが、上司をCCすることは報連相の簡易ババージョンになる
- 発信者に個別に問い合わせたいことがあればReplyで問い合わせてみるのはOK。オフィシャルに返信する場合はReply all で全員返信

海外メンバーの中に日本式に慣れているひとが入って仕事をする場合

もし日本式に慣れている人が外資系企業など海外メンバーが多いところに勤務する場合は、

- CC先をぐっと絞って、基本は1対1で相手とやり取りをし、関係を深める
- 突然相手の上司をCCしない

といったことが気をつけポイントになるかと思います。

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