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原作「サザエさん」のワカメは無邪気なおてんばガール

桜新町の長谷川町子記念館へ。

長谷川町子は佐賀出身、福岡育ち。そういえば1月に福岡でサザエさんたちの銅像を見た。

福岡

長谷川町子は父親が亡くなったことを機に家族で上京し、その約2年後に15歳で漫画家デビューと、思っていたよりずっと早く社会に出ていた。

「のらくろの作者に弟子入りしたい」とつぶやいた町子の声を母が拾い、頑張ってご自宅を訪問したことで町子は無事弟子入りを果たしたらしい。

今だったら自宅を割り出すことはできないけど、代わりにSNSでコンタクトは取れる。後者は気軽な分問い合わせも多そうだから、やはり自宅突撃の方が成功率は高いだろうか。どうにか住所をゲットしたとしても、今の世でおうち訪問したらたぶん捕まる。

町子は福岡に疎開している間は新聞社で働き、終戦後に退社。終戦の翌年創刊された福岡の夕刊から漫画連載の依頼を受け、漫画家として復活し、そこでスタートしたのが「サザエさん」だという。

漫画連載の声がけが得られたのは、新聞社で働いていたことと無縁ではないのではなかろうか。人生に無駄はないとよく言うが、いよいよ本当なのだと思わされる。

ただ、戦時下の新聞社で漫画と関係ない仕事をしていた当時の町子はきっと不安や焦りを感じていたはず。「何事も無駄にならない」は結果論であり、渦中にいる人間には響かないことをわたしは知っている。

「サザエさん」に出てくる小説家の伊佐坂先生は、長谷川町子の漫画「似たもの一家」の主人公だということを初めて知った。「ドラえもん」の世界の星野すみれちゃんが「パーマン」のパー子的なサプライズ。登場人物がリンクするタイプの作品、大好き。

原画をたくさん見て、絵の優しさとかわいらしさにニコニコしてしまう。特にワカメがかわいい。

併設のカフェで「サザエさん」の中から各キャラクターに注目して話をピックアップした、よりぬきシリーズを読む。

原作のマスオは案外性格が悪く、波平はおっちょこちょい。カツオは小賢しい世渡り上手で、ワカメは無邪気なおてんばガール。

アニメとイメージが違ったのは、マスオとワカメ。マスオはアニメほどのほほんとしておらず、ワカメは俄然原作がキュート。おとなしい真面目な女の子というアニメから受ける印象とは全然違う。

冬仕様

家に帰り、テレビをつけたらちょうどアニメ「サザエさん」の時間。ものすごく久しぶりに見てみたら声優さんが軒並み変わっていてびっくり。

そういえば、放送開始以来声が変わっていないのはサザエだけだと展示に書いてあった。調べてみたら1968年のアニメ放送開始以来、約55年間加藤みどりさんがサザエ役を務めているそう。

加藤さんは現在84歳。元気で動けるがゆえの現役のサザエさん。「コテンラジオ」の「老いと死の歴史」回で、社会が年齢区分をする以前の老人の定義は「働けないこと(動けないこと)」と言っていた。この定義で言えば加藤さんは老人にあらず。めちゃくちゃカッコいい。

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