女木島で学ぶ桃太郎の元ネタ
昨夜の肝醤油の残りを大事に保存し、朝ごはんのおともにする。すばらしい朝。
日中は20℃まで気温が上がるらしいので、女木島へ行くことにする。島は風が強いことが多いのでできるだけ暖かいときに行きたい。
ざっと調べたところ女木島は3時間半くらいで一周できそうなので、とりあえず海岸沿いを歩く。
岩場の隙間にはカメノテがみちみちに詰まっていた。ためしに引っ張ってみたけどびくともしない。わたしはカメノテを茹でて食べたらおいしいことを知っている。
途中から山。気温も上がってきて散歩日和。というか、もはや暑い。
ちょこちょこイノシシ用の罠がある。先生と生徒3人という雰囲気のライフルを持った4人組ともすれ違った。
反対側の海沿いに出る。かつて集落があったのであろう場所には廃屋が並ぶ。一朝一夕で朽ちることはないわけで、崩れ落ちんばかりにボロボロになるまでの時間経過を思う。
メインの観光スポットは鬼ヶ島大洞窟。すでに1時間半くらい歩いているが、容赦なく山の上。
桃太郎の話は菅原道真が讃岐に赴任しているときに書いたもので、元ネタとなったのはその1000年前の讃岐鬼討伐。
天皇の息子が犬島の人と陶村の人、雉ヶ谷の人を家来として引き連れて海賊退治に行った話が鬼討伐として伝わり、それに菅原道真が興味を持って桃太郎を作ったとのこと。
かつて女木島は「女鬼島」。他にも鬼という字を嫌って「木」に変えた地があり、それらの地には海賊の本拠地があったのだという。
桃太郎がノンフィクションをベースにした話であることは一般人が突き止めたそうな。神社やらなんやらに残っている伝承から女木島が鬼ヶ島ではと仮説を立て、見つけたのが大洞窟。
ここが桃太郎のモデルである天皇の息子と鬼こと海賊が戦った場所と考えられている。
洞窟は人の手によってつくられたと考えられているらしい。入り口は防御しやすく、出口は逃げやすいつくりになっていると説明があり、ファイナルファンタジー7の兵士を良い感じに配置して敵の侵入を防ぐプチイベントを思い出す。
洞窟はドラクエのダンジョンっぽくもある。ダンジョンで敵と遭遇するとはこういう雰囲気だろうか。
後半にはラスボスと思わしきでかい鬼。両隣の鬼をまず倒さねばならぬが、炎系と氷系の属性なので防御が難しく、かつHPが減るとお互いを回復し合う厄介なタイプと思われる。
鬼ヶ島の鬼の拠点にある鬼目線の洞窟だからなのか、どうも桃太郎に魅力がない。というか、感情がなさそう。
出口付近では和解した雰囲気になるが、元ネタだと海賊は男木島に逃げていき、そちらの島でも再び戦いが行われたとのこと。
洞窟の上は展望台になっており、360度見渡せる。ぽかぽか陽気の中、たくさんのお子さんたちがシートを広げてお弁当を食べておりうらやましかった。遠足だろうか。
鬼は恐ろしいものであると同時に、人を戒める役割も持つ。例えばなまはげは子どもにとってはめちゃくちゃ怖い鬼だけど、親にとっては子どもが悪いことをしなくなるありがたい鬼なのであり、「鬼は嫌われながら歓迎される二面性を持った不思議な存在」という説明が面白かった。
ざっくり島を半周し、高松に戻る。滞在時間は約3時間。
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