京都の飲み屋でアイドル論を盗み聞く
8時間ぐっすり眠り朝を迎えるも、体はベッドにへばりつくような重さ。顔がぱんぱんにむくんでいるのが鏡を見ずとも感覚でわかる。
午後から雨予報なので、午前中に上洛し、先日食べてすっかり気に入ってしまったパン屋へ行ってとんぼ返り。おだしパンが相当好き。
東京にいたら、電車に乗って往復1時間もかけてパンを買いに行くことはしない。でも旅先ならそれができる。旅先の非日常感もあるけど、最も大きな違いは「いつでも行けるわけじゃない」と自分が思うかどうかなのだと思う。
「いつでも行ける」の気持ちがプラスに働くことはあるのだろうか。
午後は仕事。手持ちの案件の中で最も優先順位が低いけれど楽にこなせる仕事に手を付け、全て終わらせる。2か月にわたる作業量が多い案件だったので、手離れしてすっきり。
すでに20時と遅くなってしまったが、どうしても日本酒とお刺身が食べたかったので雨の中外へ出る。
ひと仕事終えた達成感とともにカウンターで一人グラスを傾けるのは気分が良い。仕事があることでよりおいしく飲める日もある。今年は去年より仕事に軸足を置いてもいいかもしれない。達成感は美味しいと再確認してしまった。
カウンターには男女がいて、女が一方的にアイドル論を語っていた。おそらく旧ジャニーズオタクで、堂本剛のファン。
彼女いわく、アイドルとアーティストの違いの一つはアクリルスタンドを販売するかどうかで、堂本剛は自称アーティストなのにアクリルスタンドを出しており、それゆえファンは狭間で苦しめられているのだという。
狭間も何も、本人がアーティストと自称しているのであれば本人の意向はアーティストなのであり、アイドル堂本剛を諦められないファンが勝手に苦しんでいるだけなのではなかろうか。アクリルスタンドもアイドル堂本剛を諦められないファンのニーズに応えて販売されたものであり、堂本剛が出したかったわけでもないのではないか。
心の中にたくさんの疑問が浮かんだが、男は興味がないのか口を挟めないのか、終始黙って聞いている。森田剛の結婚相手が宮沢りえだと聞いた時に「マジで!?」と今日イチのリアクションをしていた。
お店のGoogleマップには「裏伏見」と書かれていた。この辺りを裏伏見と呼ぶのか尋ねたところ、店主の創作らしい。裏なんばが好きで、5年ほど前から裏伏見を自称しているものの、追随するお店はなく、全く流行る気配はないのだとか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?