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京都の飲み屋は楽しい

小雨だったり曇りだったりで、しかも寒い。外出の気持ちが削がれる天候だけれども、あんみつを食べようと意を決して午後から上洛。ところがお目当てのお店は休業。しょんぼり。

近くのカフェに入り、宿泊先に置いてあった村上春樹の本をバターサンド片手に読む。村上春樹は伏見区で産まれたそうな。だから伏見の宿に置いてあったのか。

あまり気は乗らないけれども、明日東京に戻るのだからと近くのクラフトビール屋に入る。妹から勧められたお店と思いきや、近くの別店舗だった。

お店のお姉さんはオーストラリア留学中、クラフトビール好きのホストファミリーからの英才教育を受けビールにハマり、ついにクラフトビール屋に就職した人。当時飲んだビールの写真を見せてもらったら懐かしいボトルが多々。わたしがワーホリでオーストラリアに行っていたのはもう7年前だけど、今でも時々4Pinesの夢を見る。

カウンター2つ空いた隣のおじさんとしばし話す。おじさんは定期的に池袋と高田馬場と葛飾柴又を訪れており、湘南に憧れがある人。湘南への憧れは加山雄三ファンゆえであり、決してサザンオールスターズではないと念を押された。

おじさんは伏見稲荷のあたりに暮らす人。小さい頃から身近な神社だったのに今や観光客だらけで、最近の混雑具合を「さすがに多すぎる」と嘆いていらした。初詣は2週間後に行くそうな。

おじさんはビールを一杯ご馳走してくださり、食べかけのナッツをわたしに託し、まもなくお帰りになった。

その後反対側の2つ隣に来たイギリス人と話す。東京、名古屋から鈴鹿サーキットへ行き、京都へ来たという。

新宿はbusyで、日本で食べておいしかったのはOyakodonで、他のDonburiにもtryしたいらしい。京都でフェイマスなドンブリはユバドンだと教えてあげたけど全然ピンと来てなさそうだった。

アホの姉妹LINE

イギリス人は明日奈良へ行くという。名古屋城には鹿がちょっとだけいたけど、奈良にはもっとたくさんの鹿がいるらしいから楽しみだと言っていた。奈良にはきっと彼の想像を遥かに超えた数の鹿がいる。

あと、三色団子を食べたとうれしそうにしていた。絵文字で見たやつ!とテンション上がったらしい。

触発されて食べた🍡

おじさんから託されたナッツをイギリス人に託し、お店をあとにする。カウンター左から右へ脈々と引き継がれる長持ちナッツ。

帰り道、京都駅で551の肉まんを買い、ホームで食べる。宿泊先の冷蔵庫には定期的に551の袋が入っていて、なんとなくずっと551のことが気になっていた。お手本みたいなサブリミナル効果。

気乗りしないまま上洛したけれど、結果的に楽しかった。京都の飲み屋にいる人は知らない人と話したい欲が他県より強い気がする。外に出て、自分が動けば世界も動く。

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