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ピザハンターが、憧れの地・ナポリに訪れて。

今年4月、無類のナポリピザ好きな私は、とうとう憧れの地であるナポリに行く機会を得ました。これまでたくさんの国や街を訪れましたが、その中でも上位に入る、とても好きな街になりました。
ピザの影響は大いにあるかもしれませんが(笑)、もっと多くの人に訪れてみてほしい場所だなと思い、noteで共有します。



南イタリア最大の都市・ナポリ

ナポリと聞くと、治安が悪いイメージのある人もいるのではないでしょうか。私も治安面は、正直かなり心配していました。(イタリア人の友人にも「本当に気をつけて。アクセサリーとかつけない方がいいよ」と念押しされるほどでした)

ナポリの地下鉄

確かに、他の都市であるベネチアやフィレンツェと比べると空気感が少し違って、薄暗いような印象を受けました。しかし私が数日過ごした限りでは、特に危険なことも、そのような雰囲気を感じることもありませんでした。
荷物を前に持つとか、堂々と歩くとか、日本を出て海外を旅行するときに気をつけることをしっかりしていれば、個人的には問題ないと思います。(もちろん、夜道を歩かない、人っけのない場所には足を踏み入れないなど、十分注意してください!!)

ナポリの街中
細い道にもバイクがガンガン走ってきます

ナポリは一言で言うと、カオスです。ゴミも落書きも多いし、異臭はするし、道も凸凹で歩きづらいし、雑多です。
その反面、「ナポリを見てから死ね」と言われるほどの息を呑むような絶景や、圧倒される建築物、はるか昔からある遺跡や地下道、繊細に施された伝統工芸も共存しています。

個人的に一番のおすすめスポットが、サンテルモ城。その規模感に圧倒されます
登り切った先には、写真では伝え切れないほど美しいナポリのパノラマビュー
おそらくナポリで最も有名な広場といえる
プレビシート広場(Piazza del Plebiscito)。めちゃくちゃ広い…
サン・カルロ劇場(Teatro San Carlo)。劇内ツアーがおすすめです
ヨーロッパ一美しいと称されるトレド駅(地下鉄)。
ナポリのメトロはそれぞれの駅がアートをテーマにつくられているそうです
海岸沿い。奥に卵城(Castel dell'Ovo)が見えます
工芸品や伝統的なキャラクター・プルチネッラも色々なところで見かけます
可愛らしいピザグッズもたくさん!さすが本場・ナポリ

またサッカーが生活に根付いているようで、マラドーナが様々なところに壁画で描かれていました。違う国出身である彼が、永久欠番というほど崇められているところにも惹かれ、スポーツは国を超えるのだと感じた瞬間でした。

サッカーの壁画スポット。露店もあります

もちろん食も、バラエティ豊かです。今回わたしはピザメインでしたが、海鮮料理やナポリ風ジェノバ、ナポリ風ラグーなど、日本ではお目にかかれない伝統料理がたくさんありました。

ナポリ風ジェノバ。バジルではなく、玉ねぎが煮込まれた旨味たっぷりのソースです

人によってはこのカオスさや汚さが受け付けられない人もいると思います。でもその混沌とした感じが、私はとても好きでした。いればいるほど好きになりそうな、ほりがいのある街です。

ちなみに歩行者用信号はとても短い、もしくはないところが多いので、気合いで渡りましょう!


【本題】ナポリピザのはなし🍕

ここからは、本題であるナポリピザにフォーカスして記載していきます。
ナポリには、ピッツェリアが本当にたくさんあります。キリがないです。胃袋にも限界があり、今回立ち寄れたのはほんの一握りでした…

一番初めに立ち寄った Gino e Toto Sorbillo。店内もおしゃれです

- ピッツェリア事情

ナポリでは、カットされていない状態で丸ごと一枚のピザが出てきます。自分でフォークとナイフで切って食べます。
お皿からこぼれるサイズで出てくるので、もはやうまく切れません。手を汚しながらも、なんとか切りながら食べる。これぞ、真のナポレターナです。
ナイフとフォークで切って、手で掴んで、一口食べた瞬間に広がる幸福感がなんともいえません。口の中で生地が溶けていきます。

こだわりの一枚。一体この一枚にたどり着くまでに、どれだけの試行錯誤が繰り返されてきたのか
こちらはジャガイモのピザ。どこでもお皿が見えないくらい大きいサイズで出てきます!

ナポリのピザ職人は、非常にフレンドリーでした。
ピザ釜や作っている様子をじーっと見ていたら、撮影を快く許可してくれたり、なんならキッチンに入れてくれたり、どこから来たの?とコミュニケーションをとってくれたり。(東京は、驚くほど知名度が高いです!)

とにかく、楽しそうに、誇らしげにピザを焼いている職人さんたちが印象的でした。もてなしもてなされるというよりは、「美味しいピザ食べに来たんでしょ!焼いてあげるよ!」というような感じです。

Pizzeria Del Popolo。キッチンに入らせてくれました
「これがフリッタだよ!」と見せてくれるシェフ。これは大きい…
Pizza Madre Salvatore di Matteo。「あなたのだよ!」と焼いてくれました
カメラを向けると思わずピースしてくれる、ノリの良い職人

実際に料理をつくる人の顔が見えたり、コミュニケーションが取れると「食べる」という体験もまた一段変わってきます。
食べ終わってから美味しかったです!と感想を伝えると、I told you! と自信満々に言われたり、でしょ?と誇らしげにウィンクで返してくれる人も。

つくる人が自信を持って提供されたものは、食べるこちらまで伝わり、心まで満たされます。誇りを持って作られた一枚一枚に、ピザへの愛を感じました。
これは他の料理や、料理以外でもものづくり全般にも言えることかもしれません。

生地を広げる人、トッピングする人、焼く人。見事な連携プレーです

また、ピザを焼く窯もお店ごとに異なります。その違いを見るのも楽しかったです。

50 Kalòは真っ赤なかわいい窯。左右に1つずつありました
Pizza Madre Salvatore di Matteoの釜。有機的で、特徴的な形をしています
ゴールドが特徴的なPizzeria Del Popoloの窯
Battarraの釜。シックなトーンに、黄色いパーツが目を惹きます

いくつかのピッツェリアには、こちらのピザハンター・オリジナルステッカーもプレゼントしてきました。喜んでくれて嬉しかったです

ピザハンター・オリジナルステッカー🍕

- ピザハント記録

📍訪れたピッツェリア / 🍕食べたメニューを記載していきます!ぜひ参考にしてください。

📍Gino e Toto Sorbillo
🍕Margheritta Extra マルゲリータエクストラ
日本にも出店する名店・Gino e Toto Sorbillo。ピーク時は行列で、道路いっぱいに人が溢れています。入り口横の机にいるお店の人に名前を伝え、呼ばれるのを待ちましょう。近いところに、テイクアウトのフリッタ専門店もあります。

マルゲリータエクストラ。モッツァレラチーズが最高です
大きすぎて食べきれず、テイクアウト。箱がとってもかわいい!

📍Pizza Madre Salvatore di Matteo
🍕Marinara マリナーラ
お店の人がみんなウェルカムな雰囲気で、インテリアや窯の形が特徴的な、おしゃれな店内でした。マリナーラがとても美味しかったです!ご覧の通り、生地の耳が他のお店に比べて少し大きめです。次の予定を鑑みてこちらの店舗に訪れましたが、本店はGino e Toto Sorbilloと同じ通りにあります。

マリナーラ。耳が少し大きめですが、ペロリと食べられます
おしゃれな店内。ピザカウンターの壁が波になっています

ちなみに本店ではショーケースもあり、サクッとテイクアウトできます。ここでFrittatina(フリッタティーナ)をトライ。パスタ入りのグラタンコロッケという表現が近いかもしれません。

ショーケースでの販売。サクッと買って帰れるのが良いです
おひとつ1-2€程度。外はサクッと、中はクリーミー!



📍Pizzeria Del Popolo
🍕Montanara モンタナーラ
地元の人で賑わっていました。雰囲気も含めて、今のところイチオシのピッツェリアです!揚げピザがおすすめと聞いたので、フリッタともまた違うモンタナーラ(普通のピザの生地が揚げてあるもの)を試してみました。

初・モンタナーラ。食感と味の融合が絶妙です
入り口の看板のフォントがとってもかわいいです
フォークとナイフの入っていた袋
地元の人で賑わう店内

📍50 Kalò
🍕Pizza e Patate(ジャガイモピザ)
有名店(確かミシュラン)で、海岸沿いに位置しています。この日は雨で、かつ即入店のための必殺技・14時以降を狙って訪問したものの、少し並ぶほどの人気店でした。ジャガイモピザが有名と聞き注文しましたが、他にも種類がたくさんありました。

ジャガイモがほろほろと、生地と溶け合っていきます
ティラミスも絶品。デザートも大きい…

📍Battarra
🍕Marinara マリナーラ
こちらは中心地からは離れた、空港すぐそばに位置しています。バスで行かないと辿り着けないので少し難易度は高いですが、ここで食べたマリナーラは忘れられません。口の中で溶けていきます。しかもなんと一枚4ユーロ!昼間から地元の方が店内・テイクアウトともに賑わっていました。

究極のマリナーラ。口に入れると、生地が溶けていきます
別メニューも色々あります。このクオリティで驚愕の安さ(円安なのが痛い…)

<番外編>
📍Gran Caffè Gambrinus
☕️エスプレッソ+たっぷりの砂糖
プレビシート広場の近くにあるこちらのカフェで、ぜひエスプレッソに砂糖をたっぷり入れて飲んでみてください。たっぷりがポイントです!嘘だと思って飲んでみてください。エスプレッソの概念が変わります

注文してお金を払うところと、エスプレッソを飲むカウンターが左右に分かれています
ぜひサクッと一杯エスプレッソにトライしてください!

まとめ

正直、日本で食べるイタリアンの方が美味しい・・・(しかも安くて、サービスも良い)と感じることもありました。これはピザに限らずだし、自分の舌が慣れているだけかもしれませんが、日本は食のレベルが非常に高いと思います。

しかし今回、ナポリには本当に行って良かったです。
そこでしか感じられない、ピザ職人の作っている姿、店内で過ごす人々の雰囲気、ローカルな食べ方、窯の種類、日本ではなかなか見かけないけど地元に根付いているサイドメニューなど…

人は、五感の生き物です。
そこに行ってこそ、自分の身体に蓄積されるものがあるし、血の巡りが変わるような瞬間がきっとあると思います。そうやって生きている世界を心で感じる体験をすることが、私にとっては人生の豊かさだなと改めて感じました。

ナポリピザの、味だけじゃない美味しさと、ピザ職人の勇姿と、その一枚のピザに詰め込まれたこだわりと愛を、もっと多くの人に伝えたいと思った旅でした。
ナポリにはまた必ず訪れたいです。そしてその時は、大食いピザハンターの仲間を携えて、さらなるハントをしていきます。

ピザハンターオリジナルイラスト WANTED! (2024)

ぜひ、みなさんナポリにピザを食べに行ってみてください。そして一緒に、ピザハンター活動をしましょう!
これからもワールドワイドにピザハントは続きます🍕🌎
おすすめ情報や感想などお待ちしています!

これから随時インスタアカウントも更新予定です↓

(今回ナポリでピザハントをするにあたって、ナポリに精通する方々から素敵な情報をたくさんいただきました。ありがとうございました!)

チャオ!🏃‍♀️


Appendix / お役立ち情報

- 食前〜食中〜食後あれこれ

<人気店に即入店する秘訣>
これはどこの国でも店でも同じですが、ピーク時を避けていくとすんなり入れます。14:00〜17:00あたりを狙っていきましたが、待つことなく入れました。(お店によってはランチ営業と夜営業で分かれているところもあるので気をつけてください)
ちなみにGino e Toto Sorbilloは、ピーク時の2時間待ちは必須だそうです…

<飲み物>
私はお酒が飲めないのですが、雰囲気に飲まれて、普段飲まない炭酸ジュースを頼んでいました。残念なことにジンジャエールは見当たらず、基本的にコーラ・スプライト・ファンタはメニューにあります。

<サービス料>
ピッツェリア以外でもそうですが、基本的に店内で食べるとサービス料がかかります。レシート内にある「Coperto」がそれです。ナプキンやパンが自動で出てきますが、それらが含まれているようです。(私は知らなかったので、この項目なんやねんって店員さんに聞いてしまったのですが、少し恥ずかしかったです…丁寧に教えてくださいました。)

<丸ごと一人一枚が当たり前>
ピザはカットされて出てくるのではなく、丸っと一枚で出てきます。初めに用意されるフォークとナイフで、自分で切って食べましょう。あまりシェアしている人は見かけず、一人一枚が当たり前みたいです。
ナプキンは出てきますが、ウェットティッシュはありません。ピザを手で頬張りたい方は、持参するのがおすすめです。

-おすすめまとめサイト

今回たくさんお世話になったまとめサイトがこちらです!皆さんもぜひ参考にしてみてください。


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