あの人を最後に見たとき、ビニール袋を着ていた
最寄駅の前に、家のない女性がいつも座っている。最初に彼女を見たのは、近所にあるスーパーの店前のベンチだった。
彼女と最初に会ったとき、立派なスーツケースを持っていた。スカーフで頭を覆っており、ムスリムの女性のような風貌で、顔もどことなく日本人離れしたきれいな顔をしていた。化粧っけはないが、目が大きくて、顎がシャープで小顔。とてもきれいな目鼻立ちをした女の人だった。
彼女に家がないことは、すぐにわかった。3日に1度行くスーパーで、必ず会ったからだ。いつも同じ格好で、いつも同