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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前章の感想

初めに

俺の中では浅野いにおは漫画家の中でも嫌いすぎて逆に好きという自分の中でも珍しい位置付けの方です。

「あ〜、ソラニンの人ね?」
作者を知らず、そんな認識のままで良かったと思う。

去年の七夕の時期、彼女から「おやすみプンプンが無料公開されたよ?読んでみな〜」と勧められた。

あらすじも調べずに読み始め、脳がぐちゃっと壊れた感覚に陥りながら、全話を1日半かけて読破した事は記憶に新しい。
プンプンは頭に刻み込まれた作品の一つになった。勧めてくれた彼女はとても善良な人間だが、時には恐ろしい事をするのだなと思いつつ、浅野いにおが嫌いになった。と同時に田中愛子は頭の中で概念として残り続けている。

七夕が嫌な一日となったトリガーである。

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクションは、プンプンの流れで読もうと思ったが読まなかった。

浅野いにおの作品は好きなのだが、読後に夢見が悪くなるからだ。ひとまず一旦寝かしておくことにした。作中の家庭環境や会話、細かい描写がグリグリと刺さるので、読む時はリラックスして読む様にしている。 

そんな俺ですがデッドデッドデーモンズデデデデデストラクションを観に行き、前章にしてまたやられてしまったのです。

今回はその感想。
前章の微妙にネタバレ込みです。

デデデデを観に行く

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(以下、デデデデと略)は比較的マイルドだと勝手に思い込んでいた。

浅野いにお氏の描くキャラクターは愛嬌があり、時にコミカルで好きだったのでそれがアニメーションとして動く時点で行こうと思った。

そしてヤケにメディアの押し出しが多いので、
たぶんソラニンみたいに楽な感じだろうなあと情報をそこまで入れなかった。
※ソラニンに関してまだ未読なので想像です。ごめんなさい。

大ネタバレじゃねえか。

テレビを付けてとぼけていると、
偶々放送していた王○のブランチでデデデデ特集が取り上げられていた。

幾田りらさんとあのさんのインタビューが流れる途中で、作品のあらすじの紹介が始まった。

「東京に巨大な未確認飛行物体が現れ…」
なるほど、今回はSFものかあ。
「それから三年経ち…」
宇宙人が暴れ出すんかな?
「門出とおんたんそして仲良いグループの…」
幾田りらさんとあのさんだ、声優も上手いな〜〜」
「ある日続くと思っていた日常は…栗原キホは亡くなってしまう。」

えー、あ、お友達死んじゃうの?!

容赦ないネタバレを食らってしまった気がする。これだからテレビは……なんてありきたりな批判をしそうになる。

そうかあ、メインのどっちかが死んでみたいな展開だと思ったが友達が死んじゃってそこからどうするかみたいな話なのか……。

観に行くまでは、キホが死ぬという所がピークだと思っていた。たぶん失ってからがスタートだろう。

ああ、結局救いはなさそう。

朝イチの回でデデデデを観てきた。

序盤からとっても嫌な感じになった。
巨大な未確認飛行物体が現れてから三年経った日常が描かれるのだが、その日常の描写がとても気持ち悪い。

未確認飛行物体を撃墜するにあたり、米国がA線爆弾を大田区あたりで投下し、大田区が住めなくなる。結局撃墜は出来ないのだが。

8.31と称されたその日は国民に色んな影響を与えていて、A線に汚染されるなどと異様に警戒したり、仮設住居に住んで補助金を貰ってぬくぬくする人もいれば、陰謀論に飲まれる人もいる。

そんな大人や学生に囲まれながら、主人公の門出とおんたん、そしてお友達は日常を過ごしている。

サムい日常

門出ら5人組の日常がしばらく描かれるのだが、比較的サムく感じた。
おんたんの口調は高校の頃の漫研の人を思い出すし、こういう感じでつるんで騒いでる人いたなあと思い出す。特に腹を抱えて笑える様なシーンはない。

ただ何処か近しいものがあり、途中でキホが男と付き合い始めた時のおんたんの顔は何となく周りの友達に彼女が出来始めた時の俺みたいな感じだった。

とにかく寒い日常パートのお陰で買ったジンジャーエールがどんどん減る。

そんな日常の中で、徐々にエスカレートしていく。中型飛行物体を破壊する兵器が出来てゆく。

そして例の王様のブランチでバラされた例のシーンに至り、キホは死んでしまった。ああ、自分にとってのデデデデはここから始まるんだなと。

距離感の生々しさ

キホが死んだ後の日常は、門出やおんたんらとそれ以外で大幅に異なるのだ。

現実の身近な人が死んだ時、例えば自分の友人が死んだらとても悲しむと思う。
だが、面識はあれど身近ではない同級生が死んだらそこまで悲しむ事は無いだろう。

そんな生々しい距離感が言葉の一つ一つに表れる。

門出達はその死を受け入れようとするのだが、
その一連のシーンで心が打たれた。

序盤の怠惰な日常パートはこのために描かれたのだと思った。欠けてしまったけども、それを不器用ながら受け入れてゆく姿勢に心が打たれた。

救いはあるのか。

それから前章の最後まで、まるで救いの無い状況が続きあっという間に「続く」で終わってしまった。

原作も前章の終わったあたりまでしか読んでいないので、この先は分からない。

ただ、人間が業を背負って罪に向き合う様な展開になる様な気がしてならない。

宇宙人が反撃しだすとか、たぶん門出かおんたんのどっちかは死ぬとかそんな安直な発想しか出来ないのだけれど。

ハッピーエンドだといいなあ、でももう取り返し付かなそうだな。

とにかく後章が待ち遠しいから、
今度はレイトショーで観に行こうかな。

ちなみに好きなキャラはキホと門出でした。
まどマギのマミに続き、今度はネタバレで好きなキャラが死にました。今の所高校の担任が嫌いです。

みんなで頑張りましょう(?)

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