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マネジメントとリーダーシップの違いは何だろう。

こんにちは、なつです。
社会人14年目、春。今期1年ぶりにチームマネジメントをすることになりました。

思えば、自然と「リーダーぽい役割」を担うような人生でした。それは仕事を始めてからもそうで、2年目からはOJTで1つ下の後輩をみて、3年目からはチャレンジチームリーダーというチームリーダーにチャレンジする制度を使い、リーダーの疑似体験をし、4年目にはチームをマネジメントさせてもらえる立場になった。

それから、職種を変えたり所属部署が変わったりいろいろなことにチャレンジをしたけれど、そのいろいろなところでメンバーからリスタートして、またマネジメント職についてきた。

私にとってチームを任せてもらえるというのはとてもありがたい経験で、一人ではできないものができるようになるという体感ができること、そしてメンバーが前向きに仕事と自分の成長に向き合えている様を間近で見られることは、とてもうれしいことだった。

今は人事企画という仕事についている。数年前に社内のマネジメント職向けにマネジメントコラムを連載していたこともあり、今でも私のところにはマネジメントの相談を寄せてくれる社員がいる。漁夫の利というやつで、自分がマネジメントをしている時よりもその状況がよく見える。

そんなこんなで「マネジメント」を勉強する機会も多かったが、縁があって昨年度の終わりごろから「リーダーシップ」について学び磨く勉強会チーム(ギルド、という)に入れてもらった。

振り返ってみればちゃんと「リーダーシップ」について学んだことはなかったかのように思える。マネジメントと何が違うんだろう?リーダーシップとは何なんだろう?そんな問いを持ちながら、みんなで決めた「教科書」の輪読会を進めるにつれて、整理できてきた感覚があった。

今日はその話をしよう。あくまでも私の整理である。


そもそもマネジメントって何?

一般的に、マネジメントとは「目標を達成するために、ヒトモノカネ情報を管理すること」を指す。私は自分が使えるリソースを最大化し、成果を出すための戦術を実行させること、と整理しています。

ハーバード大学のジョン・コッターはマネジメントは「複雑性に対処することである」とし、「変革を推し進めるリーダーシップ」とは一線を画するとしています。

リーダーシップの方はどうだろうか。リーダーシップとは、組織のビジョンを描き、方向性を定め、メンバーや組織を牽引する能力であると言われている。

「組織のビジョンを描く」「方向性を定める」という点がマネジメントとは違うように思える。これが「変革を推し進める」の違いの現れなのかしら。

変革を推し進める?

1980年代、アメリカは時代の大きな変化の渦中にあり、それまで経済の中心だった製造業は勢いを失い、日本企業を筆頭とする新興勢力が攻勢を強め、自国の市場を席巻しつつあった。そんな時代には「こっちに行こうぜ」と希望を見せてくれる強いリーダーが必要になる。そこで注目を浴びたのがカリスマ型のリーダーである。

そのカリスマ型のリーダーに注目するのと並行して「変革のリーダーシップ」についての研究も進んだ。そう、もともとリーダーシップは「変革をする」ということが目的ではなかったのである。時代の変化によってあるべきリーダー像も変わるのだ。

リーダーシップの歴史

そんなこんなで、リーダーシップの歴史を振り返ると、先人たちはその時代に必要なリーダーシップを研究し、定義してきたんだなと感じる。

初めはリーダーシップにはもって生まれた「資質や特性」が大事とし、それに着目した「特性理論」からスタートした「リーダーシップ論」。
そして特性だけだと有効性を証明できないことで着目したのが「リーダーの行動」。そこであの有名な「PM理論」が整理される。

※PM理論とは
リーダーがとるべき行動は2つの軸があり、一つが集団の目的達成や課題解決に関する機能に関わるP(performance)行動と、集団の維持を目的とする機能に関わるM(maintenance)行動である。リーダーはこのPもMも使い分けながら、集団を維持し成果を出す必要がある。

研究が進み、リーダーのとるべき行動は、正解があるわけではなく、条件や状況によって異なることがわかる。そこで出てきたのが「条件適合理論」。そしてリーダーだけではなく、フォロワーとの関係性も重要なのでは?という問いから深ぼられていったのが「交流・交換理論」この交流・交換理論が盛んだったのが1970年代である。そして以降様々な理論を踏みながら、前述した「変革のリーダーシップ」へと移行していく。

今必要とされるリーダーシップとは?

では、今求められるリーダーシップとは、どのようなものなのだろう。それを読み解くのは、この歴史の流れといま国や市場・企業がおかれている状況を読んで考える必要がある。

改めて思うのは、求められるリーダーシップは歴史によって異なるし、その研究が進んでも、わかったころには「これだけでは足りない」となり新しい論が生まれるということである。(もちろん自然発生的に生まれるわけではない、研究してくださる方がいるのだ。)

なんだこの不毛な戦いは。と思ってしまうのはもったいない。私たちは先人が積み上げてきた城に暮らしながらも、今の敵と戦わなければならないし、明るい未来を作っていかなければならない。今を生きるために過去の城があることには感謝をしつつ、またそれを大いに活用しながら、新しい武器を作り磨いていかなければならないのだ。

ふと、そんなことを考えるのが、リーダーシップなのでは?と思った。

改めてリーダーシップとマネジメントの違いについて。

とある本を読んだ。そこにこう書かれている。

リーダーは「見えないもの」を見て、あるいは見ようとして、新しい世界をつくり出すのに対し、マネジャーは「見えるもの」を分析し、それらに受動的もしくは能動的に対応しながら、漸進的に問題を解決していく。

リーダーシップの旅~見えないものを見る~ (光文社新書)

自分には、果たしてリーダーシップがあったか?発揮してこれたか?と問いかける。マネジメントを勉強して実施してきたから。マネジメントの相談にのれているから。それだけで「組織を率いるのはちょっとうまい」とうぬぼれてるのではないか?

マネジメントはあくまでも「目標達成のための管理」。それはそれで難しいし大変だし必要不可欠でもある。でもこれからの未来を作っていくために、マネジメントだけできるんじゃ、物足りないなと思う。

自分に足りなかったのはリーダーシップなのかもしれない。

社会人14年目。頑張って生きてきたけれど、なんだか突き抜けられていないぞ、という感覚がずっと抜けなかった。

やりたいことはある。ついてきてくれるメンバーもいる。いまこそ、本当の意味でのリーダーシップを発揮すべき時だなと思う。過去の自分に感謝したい。お陰様で、もう舞台は整っている。

何年たっても、ヒトの発達には終わりがないですね。これは向き合うべき課題だぞ、私。この1年が終わったときに「いい一年だった」と思えるように、まずは自分に矢印を当てて、やりたいことをやるべきことに変えて、やっていこうと思う。せっかくなら楽しみながら。

最後に

今回の参考図書はこちら。どちらもリーダーシップを学ぶ上でとても勉強になる本でした。是非!


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