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【英語学習/ビジネス向け】AIツールを駆使して英語でまあまあこなれた文章を書く方法

英語に対する漠然とした不安。
学生時代にそこそこ頑張ったとはいえ、流暢に書いたり話したりするレベルには程遠く、何かメッセージやメールが来るたびにどきどきしてしまう。返信ボタンを押すのに100年分くらい勇気がいる。

しかし、昨今のさまざまなツールの進化のおかげで、「あ、これ私でもそれなりに英語書けるな」と実感できるようになってきた。どんなツールをどのように使い、英語の文章をつくってブラッシュアップしているかを少し解説してみる。

※以下の文章は2023年7月9日時点の情報によるものです。

最初に結論

  • 最強の英文校正ツールGrammarlyは課金して損なし

  • 複数のツールを使って翻訳し、できた文章のいいとこどりをする(下図)

  • 誰でも英語が書けてしまう日。それでも英語力が必要

利用するツール

おすすめ度が高いものほど★の数が多くなります。

DeepL(★☆☆)

二言語間の翻訳ツール。DeepLが出てきた当初は、なかなかに味わい深い誤訳を生み出すGoogle翻訳と違ってその精度やスピードに驚いたものだった。
私の知る限りではそもそも英語と日本語はあまり相性が良くないので、Google翻訳では英語⇒日本語の訳が妙ちくりんになったときは、英語とより相性のいい他の言語を介して雰囲気をつかむということをしていた(私の場合はドイツ語。大学で第三外国語を履修した人は是非その言語を挟んで自動翻訳をやってみてほしい)が、DeepLでそれはほとんど不要になってきたようだ。

例えば以下のような用途で役に立つ。

  • とにかく訳さないといけない文章の量が多いときにまずはDeepLに突っ込む

  • 翻訳元と翻訳先の言語を反対にして、出来上がった文章の意味が通るかをチェックする

翻訳に特化したツールは、翻訳からの再翻訳がボタン一つでできるのがいいところ。ただし、肝心の翻訳の中身は正確でない場合もあるので、DeepL単独では使わず、他のツールで生成した文章と必ず見比べることを強くおすすめする。

ChatGPT(★★☆)

昨今よろず相談屋と化しているChatGPTだが、個人的には「まったくの未知のものについて尋ねる」「判断をゆだねる」などの用途で使うのはためらっている。どちらかというと、真偽や存在がすでにわかっていることに関して、そこに辿り着くまでに頭の中で行わないといけない計算・思考・検索機能を外部化するという感じ。翻訳での利用イメージは以下のとおり。

  • 既存の文章の英訳をスピーディーに得る

  • アイデアレベルの日本語から英文を生成する(「明日の予定を聞くメールを英語で書いてください」)

  • すでにある英語の文章のニュアンスを変える(「"Are you free tomorrow?"を丁寧にしてください」)

  • 単語の英訳候補を山ほど出す(「『活躍』の英訳候補を10個挙げてください」)

イチから英文を書き始めることができ、すでにある文章のアレンジもすることができるので、使うだけでだいぶ作文が楽になる。

Perplexity(★★☆)

個人的にかなり使えると思っているツール。基本的にはChatGPTと同じように使うが以下の点が異なる。

  • 回答例をデフォルトで複数挙げる

  • 関連するWebサイトの候補を複数挙げる

  • その回答を出すに至るまでの筋道についても説明する

回答例が複数挙がるのは便利で、吟味できる選択肢がかなり増える。逆に言えば読むべき回答の文章量が増えるということでもあるので、1つの回答に絞って呈示するChatGPTと好みが分かれそう。
3つ目に挙げた「筋道」は往々にして質問を繰り返すだけの蛇足になるのが惜しい。この蛇足を煎じ詰めるとGoogle Bardになる(解説がめっちゃ長い)。

weblio辞書(★★☆)

オンラインやアプリで使える英和和英辞典。辞書は今のところほぼこれで事足りている。派生語にリンクで飛べたり、例文や共起表現も多数参照できるのがありがたい。主に単語の使われ方にフォーカスして使う。

  • (英和)ひとつの英単語のもつニュアンスを知る

  • (和英)日本語のひとつの単語に対して、複数の英訳候補を検討する

ちなみに日本語の文章を書くときは、weblioのシソーラス(類語辞典)にもよくお世話になっている。日本語の表現に困ったらわざと和英→英和を引いて表現の引き出しを増やすこともする。

Grammarly(★★★)

現在のイチオシ。英文校正はこれ一つでかなりのレベルに行けると思う。便利すぎて課金したけど無料版でもかなり精度高く添削してくれた印象。
課金勢には単語、文法エラーの指摘はもちろんのこと、「このように言い換えたらよりフォーマルに聞こえますよ」のように、英文全体をみて伝えたいニュアンスを汲んだ提案もしてくれる。美容師かな?

  • スペルミス、文法ミスを修正する

  • 文章内のトンマナや表記ルールを揃える

  • ポジティブ、簡潔、フォーマルな文章への添削を受ける

手順

それでは実際に、日本語の短い文章を英訳する過程を見てみよう。文章は、このnote投稿のタイトル原案「ツールを駆使して英語でまあまあこなれた文章を書く方法」にしてみた。

1 原文をDeepLに入力する

原文をそのままコピペするだけで英文の案が出てくるので、一番手間がかからない。別の訳し方の候補が出る場合もある。本当に急ぎのときはこの手順だけで済ますことも考えられるが、他のツールも使ってもうちょっと吟味してみる。

2 1と同じ文章を(英訳「」)の中に入れ、ChatGPTに入力する


ChatGPTでも英訳してみよう。「英訳」の後に「」や””でくくった文章を入力して送信すると、英訳の案が出てくる。ちなみに引用符等でくくらないと、本当に英語を書くための具体的な方法が箇条書きで出てくる(=元来の使い方)ので注意する。

もはや私くらいめんどくさがりになるとPCの予測変換に
え → 英訳「」
が登録されている。

3 2と同じ手順をPerplexityでも行う

ChatGPTで終わらせてもよいがここでさらにPerplexityを使ってみる。今回は英訳する内容がHow-toなので具体的な方法が箇条書きで出てきてしまったが、多くの場合は英文の案を3~5個程度提示してくれる。

4 1,2,3の結果の中から直感で一番好きな文章を選び、必要に応じて単語のいいとこ取りをする

ここで3つのツールを使って作った英文が出そろったので比較する。

「ツールを駆使して英語でまあまあこなれた文章を書く方法」
D) How to write so-so sentences in English using tools.
C) How to write moderately polished English sentences by making the most of tools.
P) How to write a fairly fluent English sentence using tools

こうして見ると、「まあまあこなれた」は"fairly fluent"がよさそうだなとか、「駆使する」の訳はあんまりいいのがなさそうだなとかいうことが分かってくる。

5 うまく訳出できていない部分は単語だけ切り出して候補を出しまくる

今回だと「駆使する」をより良い表現にする余地はあるか、が争点になる。
ここで、ChatGPT やPerplexityに10個ほど「駆使する」の英訳候補を出してもらう。

これくらい候補を出せば1つくらいはいい訳の案が出てくるだろう。10個にしたのは単純にそれ以上多いと検討しきれないからだ。
それでもうまくいかない場合は、意味の近い他の日本語で英訳候補を出すという手もある。今回だと「使いこなす」で調べるなどの方法がありそうだ。ただし、その場合は「駆使する」と「使いこなす」の意味の違いを自分で自覚しておく必要がある。(私の考えでは、「使いこなす」はすでに精通しているが、「駆使する」は必ずしもそうではない/「使いこなす」は人の能力にフォーカスが置かれていることと比べると、「駆使する」は道具にフォーカスが置かれている など。)

2つのツールともに"make full use of ~"という表現が出てきており、一旦これでよいと仮定する。

6 英語のニュアンスを確かめたい場合はweblio英和辞典で引く

"make full use of ~"という表現が自分の表したい内容と齟齬がないかどうかをいったん日本語に戻して確認する。このときに使えるのがweblio。「”フル”活用」=「駆使」というニュアンスはだいぶ元の意図に近いと言えるのではないだろうか。

7 文章をGrammarlyに入力してスペルミスや構文ミスを直す

ここまでの作業の総いいとこどりをした文章をGrammarlyに投入する。
この時点でスペルや文法のミスがあれば指摘が入る。また、いろいろ考えているうちにこんな要素も足したほうが伝わりやすいかも…と考えが進んでいればそれも足す。ここでは、単に「ツール」というより「AIツール」としたほうが、どんなものを使うか伝わりやすいと思ったので、「AI」を足した。

すべての添削箇所候補を確認して(必要に応じて修正を受け入れない場合もある)、英文作成は完了。
「ツールを駆使して英語でまあまあこなれた文章を書く方法」
How to write a fairly fluent English sentence making full use of AI tools

8 7の文章を投稿やメールに使う

致命的なミスはなく、伝えたい内容がだいたい伝わる「まあまあこなれた」レベルの文章にはなっているはずなので、一旦ここで終了とする。最初にDeepLが考えた "How to write so-so sentences in English using tools."よりはよくなった。

ちなみにこの先は沼というか蛇足だが、できた英文をまたAIツールの校正にかけ、それをまた校正し…という作業は永遠に繰り返すことができる。上記の文章もChatGPTに突っ込んで添削してもらうと"by fully utilizing AI tools."というコンパクトな表現が出てくるので、これも別解としてストックしておいてもよいと思う。

「ツールを駆使して英語でまあまあこなれた文章を書く方法」
How to write a fairly fluent English sentence making full use of AI tools
How to write a fairly fluent English sentence by fully utilizing AI tools

みなさんはどちらがお好みだろうか?

所感

ここからはちょっと辛口でビジネス英語寄りの話をする。

「英語が書けない」「書くのに時間がかかる」「間違える」の無効化

前提として、価値ある文章を書く仕事(文学作品やクリエイティブ)に従事している場合を除けば、言語によらずたいていの文章は中身そのものにあまり価値がない。むしろそこに価値を持たせないことが価値だと言ってもいい。良いビジネスコミュニケーションとは、文学的なメールを時間をかけて読んでもらってうっとりしてもらうことではなくて、相手の時間や脳のメモリを浪費させない簡潔な文章で用件を伝え、こちらの欲しいリアクションをすみやかに行ってもらうことだと思う。
こういうコミュニケーションを英語で行う場合、一定以上の英語を誰でも書ける仕組みはもうすでに整っているのだから、英語⇔日本語を行き来するためのコストとリードタイムは限りなくゼロに近くなることを求められる。
翻訳は価値ある文章とそうでない文章に二極化し、後者は誰でもできるようになってきている。ある意味厳しい現実だが、これは翻訳以外のあらゆる業務でも今起こりつつあることのはずだ。

また、複数のツールを使って幾重にもチェックを張り巡らせれば、スペルミスや文法のミスは限りなく少なくなる。計算機としての人間はまあまあポンコツなのでミスはつきものだが、そこにツールの力を少し借りるだけでも多くのことがかなり簡単に解決する。にもかかわらず対外向けの連絡でスペルミスや文法ミスを連発するのは、人間らしさのアピールではなくわざわざ時間と脳のメモリを割いてメールを読んでくれる相手に対するリスペクトの欠如だ。スッと冷めてしまう。

それでも英語力は必要。判断力を磨くため

落とし穴はある。先に解説したように、いくつかのツールを使い比べるといい表現とそうでもない表現があることがわかるし、たまにびっくりするような間違いもある。例えば領収書をinvoiceと変換するような誤訳※をそのまま相手に出してトラブルになる前に、「やばい違う」と気づくリテラシーがないといけない。
今のところまだAIは計算・思考・検索機能の外部化であって、判断は自分でやるものなので、英文翻訳においては生成して編集した文章に最終的に全て目を通し、公開してよいと判断するプロセスはやはり必要だ。そのためには、ある程度の長さの英文を読むことにアレルギーを起こさない程度の慣れと、この表現はこの表現よりよいとジャッジできる知識をつけることは避けられない。

ではどうやって英語力をつけるかというと、ツールを使ってどんどん英文を書く経験をする、という元の話に戻る。
ツールに頼ることは悪くない。むしろ何の助けもなく英語力を自力で伸ばそうとして、自分の思いつける範疇の微妙な英語を亀の歩みで身につけるより、ツールを活用してどんどん英文を書いて、フィードバックもツールで受けて、メールできちんと相手に伝わったという経験を重ねて自信をつけて、さらに英語でコミュニケーションする仕事をどんどん引き受けて相手のかっこいい言い回しにたくさん触れて、使える表現をハイペースで貯めていったほうが結果として英語力は伸びると思う。

個人的な体験の例を挙げると、冠詞(a/the)や単数/複数の使い分けという日本人が苦しみがちなトピックについて、Grammarlyで「ここもここもtheが抜けてる」「複数形なのに3単現のsついてるよはよ直して」のように矢継ぎ早にフィードバックを受けたおかげで、だいぶ最初から書き分けられるようになってきた。精度の上がり方は、正直受験英語のペースより早いと感じていて、これが面白いところでもある。

※領収書=receipt。「サービスの対価のお金はすでにお支払いいただきました」という証明。
invoiceは請求書。「サービスの対価のお金がまだ支払われていませんので、支払いをお願いします」という依頼。
両者はステータスが違うので、当然必要な処理も異なる。

さいごに

Threadsのアカウントを開設した。

Threadsと他のSNSとの違いはまだ自分の中ではぼんやりしている。これから実装される機能も多いらしい。それでも今までのSNSと何か決定的に違う使い方をしてみようと思って、ほぼ英語で書いてみることにした。仕事とThreads、お互いがお互いの英語学習の助けになればいいなと思っている。

ここに書いたことはおそらくすぐに古くなるが、それすらも楽しんでいきたい。

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