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プラハの墓地 2

いよいよ、偽文書で世の中動かす。
本格的に始まりました。

とはいえ、いきなりしくじったりしていて面白いです。

テーマはユダヤ人とフリーメイソンでしょうか。
もとから陰謀的なものの代表として取り扱われる事が多い両者。
これらを利用して、さらなる陰謀をもたせます。

とにかく陰謀を成立させるための重要さ。

ストーリーの大切さと胡散臭さがこれでもか!ってくらい散りばめられています。

     〜〜個人的な見どころ〜〜

 ①フランスの歴史

フランスのデュマやゾラといった有名な作家が登場します。
本当にこんなキャラだったのかどうか、よくわかりませんが、面白い描かれ方をしていますので(特にデュマ)ぜひ読んでほしいと思います。

あと、意外と最近の人だったんだなって思いました。
なぜか、ルネサンスあたりの人って思ってたりしてました。
やっぱり、混迷の時代にとんでもない面白い人って現れるんだなって思いました。


 ②雑な世界

主人公が本当に短絡的な人物で、わりとあっさり人を殺めたりしています。
ほんと、今ならサイコパス認定待ったなしなくらいの雑な動機です。
謎の人格の司祭がいるんですが、自分は神に仕えるとかいって、もう1人の人格と思われる主人公に神の道を説いている割に、なんか怪しい的なノリでサクッと1人殺めてるのにはびっくりしてます。

死体の隠し方もまあ雑で。地下水道のある場所に置きっぱ。
混迷の時代、人が死にまくってるから誰も気にしないんでしょうかね…。

 ③パターン化

読んでいくうちに話は進んでいきますが、途中、政府から指令がくだる→主人公頑張る→やりすぎたり、できなくて失敗する→怒られたり、別の職場に飛ばされたりする→政府から指令がくだる…。
ってパターン化が、なんか面白かったです。

たまに、ただの便利屋みたいな使われ方をしてるんですよね。それがなんか面白いです。

何でしょね。一話完結型の連続ドラマみたいな印象を受けました。
ドラマ化してほしいですね。
絶対今では放送できないでしょうけれど。

  
     〜〜まとめ、雑記〜〜

今回も色々と毒のある描写が、たまりません。
黒人奴隷解放。(ほんと、この時代なんですね。なんか色々激動です)

その今から思えば偉業と思われることに対して、
「黒人奴隷は解放されたところで、この下等民族がこの全体を侵略して、性悪の混血の溜まり場に変えてしまう」

とか。潜水艦の登場に関しては、

「潜水艦が登場して、水兵は溺死でなく窒息死する人が増えた」
とか。

紙タバコの登場についても、
「葉巻は貧弱な紙タバコに変わった」

など。愚痴?が止まりません。

で、結局何を心配してるんだ?不安がってるんだ?
って思ったら、主人公、偽造するべき原本がこの先存在していくのか?って心配をしています。

時代が変わっても、世の中の変化に自分の職は大丈夫か不安がるのは変わらないんだなと。

そういえば、確かに今のネット全盛の時代は、原本に意味があるか難しいですよね。
ネット探偵の実力は凄まじく、本物か偽物か、絶対バレそうだし。

むしろ、フェイクニュースに代表されるように、世の中の動きは、偽物、本物関係なくなってる気がしますね。
それが何かと言われても悩みますが。

強引な空気作りですかね?重要なのは…。
この辺り、何とかこの作品を読み終えて、考えたいですね。

あとは、陰謀、暴露記事の書き方や心得を少し書いてて面白いです。
・暴露生地と言うのは、奇想天外か衝撃的で現実離れしてなければならない。
・異なる多くの顔を持ってると、脅威を作ることができない。脅威の顔はただ1つでなければならない。出ないと人の注意は忘れてしまう。

とか。
この方の作品に「ヌメロ・ゼロ」って作品があり、これも怪しい新聞だったか雑誌だったか、作る作品なんですね。
この手法も今のネット時代には通用しませんでしたが、発想が面白くて。

次回はその発想を考えていきたいかなっておもいました。

では、また。

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