海底散歩7

ふぁー、みさきは欠伸をした。

「ねえー、もう帰ろうよー」という言葉が喉まで来ていた。


だって。


暗い青

青。


どこをみても

どこまでいっても

同じ景色。


私たち、何してるんだっけ?

そう思わずにはいられない。

とにかく何にもない海中をただ真っ直ぐに進んでいる。


リアムは、

「もう少し進んだら、強い海流があるから、流されないようにするんだよ」

という。

「なにそれ、こわい、、」

とみさき。

ぷっとリアムは笑った

「もう帰りたい、って顔してる」

とリアム。

///

バレてる。

「だって!何にもないんだもん!私、冒険とかって、もっと楽しいかと思ってた」

みさきは反論した。

ぐいっ

リアムはみさきの手を引っ張った。

みさきはリアムと手を繋いで。、

というよりも、半ば引きずられるようにして海の中を泳いでいく。

進んでいくと、海の色が違う場所がある。


ここか。

海流。

ここでは、自分の意思とは関係なく流されてしまう。

早い流れに抵抗するのは困難だ。

コツは、とリアムが言った。

「どこに行きたいか。それだけを考えるんだ。」

「そして、ただ目的地に向かって泳いでいくだけ。」

この海流を、真っ直ぐ、横切ることができたら。

前に進めるんだ。



正面から海流の中に飛び込んで行く。

わー。


みさきは流された。

リアムが手を握った。


ぐいっ。


気が付いたら、みさき達は海流を突破していた。みさきはぎゅっと目をつぶっていたので分からなかったが。。

後ろを見ると、魚たちが海流に流されて、きれいに進んでいる。

リアムがいなかったら、、

きっと私もあんな風に流されてた。

怖くなって涙が出てきた。

「うえええ...」



リアムは「できたじゃん」と言って笑った。

みさきはリアムの腕をガシッと強く握っていた。自分でも気づかないうちに。











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