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ワンピースからのなぜかバッグ探し

かわいいけれど仕事でも着られそうなワンピースが欲しくて新宿へ。

あるお店のワンピースを気に入ったけれど、どの服もすべて縫製が雑過ぎて断念。そのほかのワンピースも理想的ではなかった。結局、何の収穫もないまま帰ろうとした時、すてきなバッグを見つけた。ずっとパソコンが入るバッグが欲しかった。

コロンとしたボストンバッグで、斜め掛けもできる。少し大きめのパソコンも入るし、なんといっても愛らしい。ぽてっとした、サンリオキャラクターのたれぱんだみたいなぐうたら感が堪らない。即決だった。

家に帰り、荷物を入れかえて腕にのせる。いい感じだ。

「銀行強盗みたい」

という言葉を聞くまでは。

「黒いボストンバッグ=銀行強盗が大金を入れる黒いバッグ」というド定番な連想をしてくれた家族の言葉で、私のうきうき感は吹っ飛んだ。

銀行強盗が金色のファスナーや飾りのついた小ぶりのボストンバッグなんて持ってるはずないぞ!

と頭にきた私は、シルバーのトートバッグの肩にかける紐部分についていたモフモフを抜き取り、黒いボストンの肩紐に取り付けた。ぽてっとした黒いボストンバッグに、モフモフがつけばもう銀行強盗もお手上げだ。

そうして翌日、ご機嫌で出かけていったのだ。新しいバッグを片手に。

習慣というものは厄介だ。これまで出し入れがしやすいトートバッグを使っていたのに、新しいバッグには金色の神々しいファスナーがついているのだ。それを開閉しなければ、お宝には辿りつけない。その事実が、こんなにも私の自由を奪うなんて知らなかった。どうしても片手だけでは開閉できないので、どこかの台にのせたり、立ち止まったりしないとうまく開けられないのだ。

銀行強盗は中身を確認しにくくするために、ボストンバッグを使っていたのかしらと思ってしまいたくなるくらい、なぜか時間がかかる。

そんなこんなで、シルバーのトートバッグに戻った。

するとこの前、シルバーのトートバッグを持った女性が、エレベーターに乗り込んできたのだ。私のバッグよりもひとまわりほど大きくてがっしりしたバッグを持った美女だ。内側が黒と白のストライプ柄。外側は少し光沢のあるシルバー。左右にポケットらしきものがついていて、多分ペットボトルや携帯が入りそうだ。作りもしっかりしていて、私の理想そのもの。

エレベーターで一緒になったその女性に「あの、このバッグどちらで買われたのですか」。そう聞こうと顔を傾けたその時、エレベーターの扉が開いた。彼女はどこかへ去ってしまった。

その日は何度もパソコンで検索した。いっこうに彼女のトートバッグは見つからない。

もう一度、記す。

外側はシルバーで、内側は白と黒のストライプ柄。外側左右にポケットらしきもの。バッグの幅は40センチは絶対にあると思う。一眼レフを余裕で入れていたし、ノートも入っていた。きっと彼女も、私と同じ職業だろう。

誰か、そんなバッグ知らないかしら?

できたら肩紐がついてて2WAYだとなおうれしいけれど。

(noteって、こんな風に使うんだったっけ?)

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