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「白銀の墟 玄の月」読了 ネタバレ感想

十二国記18年ぶりの新作であり、最後の本編、白銀の全4巻をようやく読破しました。

週末+3日ほど。

一気に読み切るために、1、2巻を買わずにあえて1ヶ月待って、ざーっと駆け抜けるように読み切りました。

これで十二国記完結かー!と思うとやはりなにより感慨深い。しかし短編はまだ出るらしいので、まだまだ十二国記の世界には浸れそう。

そんなわけで、とりあえず全4巻読んだので、ざっくり感想というか、個人的に気になってるところを書き留めておきます。

ネタバレを含みます。ご注意下さい。

はっきり言って、よく分からない部分は残ったままの読了のため、近いうちにもう一周、しそうです!


十二国記についてはブログも書いてます

あれ、こんなところで終わりなの?に関しては個人的には違和感がない

ツイートなどでもちらほら読了後の感想、流れていますが、そこに割と出てくるのがこれ。

・結末、中途半端じゃね?

・最後のオチが数行…

・終盤、駆け足に過ぎる

これらに関してはどれもごもっとも!と思いつつ、個人的には意外と違和感がない。

十二国記は、国記なんだろうな、と。

実際にある史記とかと同じ系統のもので、つまり長編の巻末にある数行の硬い文章、実はあれが十二国記の本体なんじゃないかと思ってて、そこに至るまでの長い物語はつまりは行間を読んでるってことなのかなと。

膨大な量の行間の物語のうちの一部が、こんな感じで拾い上げられて書かれている…漠然とそう思っていた節があるのです。

だからその物語が最後端折られてるとか急ぎすぎてるとかは、さほど気にならない、なぜならそもそもが行間だから。

「白銀の墟 玄の月」にも最後の文章がありました。それが、この物語の全てとして、十二国記の歴史に残るのだろうと漠然と思っています。

登場人物がさすがに多すぎる

さてここからは、そんな長い長い行間の物語、の内容についてです。

まず思うのは・・・さすがに登場人物多すぎるよねっと言う話。

シリーズの今までの作品と比べても格段に多く、とにかくどんどん出てくる新しい名前。

しかもほとんどが漢字2文字で、さらには地名や役職名までもどんどこどんどこ登場。

名前、地名、役職名のほとんどが漢字2文字なんですよ、しかもややなじみのない中国風の読み方で。

え、これ誰だっけ?前に出てきた?初登場?え、誰が誰の部下だっけ?みたいになって頭の中は混乱の嵐。

その辺逐一確認しなくても気にならないというのであればどんどん読み進めばいいのですが、気になっちゃう人は、初めからメモ取りながら読んだ方がいいです。

すごい手間かかりますけどね。

ついている地図がちょっと荒すぎる

各巻の初めのところに、物語の舞台となる場所の簡単な地図が掲載されているのです。

この地図自体は非常にありがたく、私は読みながら何度もめくっては地理関係を把握しようと努めたんですが・・・

なにぶんこの地図、荒すぎる。

新しい地名、さっきも出てきたような気がするけどピンとこない地名を見ては地図を参照するのですが、それなりの頻度で載ってない。

え?でもこの記述って結構重要なポイントじゃない?この地名、さっきから何度か出てきてるけど、なんで載ってないの?

みたいなことが続発。

「この街の東の街道から次の街を抜け、どこどこで合流はどうか」
「いやいやそれは危ない、むしろこの街の北から出て○○を迂回して・・・」

みたいな記述とか多いのに、その地名が地図で確認できないんですよ、せっかく地図あるのに!

そもそも、架空の国の架空の地図なんですよ・・・地図から地名を省かれてしまったら、確認しようがないんですよね・・・

次の読むときは自分で地図に書き込むくらいの勢いで行くべきか・・・とも思っている次第。

結局、琅燦は何がしたかったの?

これですよね。結局これですよね皆様も疑問に思ったまま終わってしまったのって。

琅燦は驍宗に心酔していたのは確かで、でも阿選に力を貸したことも確かで、それでいて阿選をさげすんでいる。

非常に複雑な内心と複雑な立場の彼女の本当のところが、最後には暴かれるんだろうと思っていたら、そのままあっさり流されて終了。

しかも、あれだけのことをやっておいて、泰麒の大事な驍宗を相当な目にわせたことのほとんどに琅燦は絡んでいるというのに、泰麒はなぜあんなに鷹揚な態度なのか。

育ってからの泰麒はいとけなく心優しいばかりの麒麟ではないというのに、あの琅燦を見逃した場面では妙に優しいというか、寛容。

結局、琅燦は何がしたかったのか、それは泰麒を、そして我々読者を納得させるほどのものなのか、が次に控える短編で飽きr化にされるのかが注目です。

てか明らかにしてもらわんと、消化不良です。

耶利の主人は琅燦ってことで、いいのか?

これはたぶん、そうなんだろう、と思うのですが、積極的な描写はなかったような・・・明言はなかったように思うのです。

耶利は泰麒の元に送り込まれる前に巌趙と活動を共にしているけれど、となると巌趙は耶利の主たる琅燦の一連の行動について了承しているのか、諦めているのか・・・

巌趙ってそんなこと許しますかね・・・驍宗への忠誠心半端ないですよね・・・致し方ないとあきらめているのか・・・

いずれにせよ、結局、琅燦の謎が解けなければこの辺りも明らかにならない感じ。

驍宗、とんでもない

とりあえず、やはり、驍宗はとんでもない人物なんだよね、という、再確認。

いやほんと、レベルが違うって。よく自力脱出できたよね。思った以上に早く出てきてちょっとびっくりしたです。

黒麒、とんでもない・・・

いやー、泰麒もすごかったよね。さすが黒麒、という言葉だけでかたずけていいものか。

それにしても、「魔性の子」がちゃんとリンクしてくるんだなぁ・・・彼の心に残ったものがあったことについ涙が・・・

黒麒ゆえなのか、過酷すぎる運命に翻弄された結果なのか、非常に冷徹で鋭利な麒麟におなり遊ばした泰麒の今後の幸せを祈ります。

泰麒、また倒れましたけど、その前に比べれば被害も少ないですしね・・・傲濫や汕子も戻れたようですし、何より。

とりあえずハッピーエンドでよかったよね

いやー、さすがに今回長かったじゃないですか。

ハッピーエンドではあるだろう、とは思っていましたが、「ここまで読んで、全員死に絶えました」だったらどうしようと時々不安にもなりました。

ハッピーエンドは一枚の絵で示唆されるというのも、なかなかオツな演出です。

まとめ

いやー、とにもかくにも、完結してよかったなって。

もう、9割諦めていたので(苦笑)待ったかいはありました。

書店によって、異常に十二国記祭りが盛り上がっているところと全然なところと差が大きくて面白かったです。

書店員さんの中に、同士がいたかどうか何でしょうねきっと。

正直、もっともっと読みたい。短編でもいい。この世界が続いていってほしいと願ってやまないです。

民の話でもいい、別の時代の王の話でもいい。

出来ればゆるゆるとでも、十二国記が続いっていってくれたらなぁ、贅沢を言えば、スピンオフ長編読みたいなぁ・・・と思う次第です。

今回の十二国記祭りは読み返しも含めてリアルタイムで楽しめました。お疲れ様でした。

しばらくしたら、「白銀の墟 玄の月」はまた読み返します。もちろん。






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