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妊娠・出産のこと。

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自分の経験も踏まえ、妊娠・出産について、私が考えることを綴っています。
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死産後の妊娠・出産を経て思うこと。

10ヶ月間、不安で不安でたまらない毎日を過ごしました。

よく「妊婦さんは一番幸せな時期」なんて言われるけど、幸せとは程遠い毎日でした。

普通、定期健診では「前よりちょっと大きくなってる!」とか「手と足が見える!」とか一喜一憂するのでしょうが、私にとっては「生きているかどうか」の生存確認でした。

外す可能性を想像すると怖くて悲しくて、マタニティマークさえ付けられませんでした。

きっと、妊娠=

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死産後の妊娠のこと④。

年が明けました。

2012年は悲しくて恐いことだらけだったので、2013年は穏やかに過ごせるといいなぁと心から願いました。

1月から2ヶ月ぶりに仕事に復帰しました。出血して入院する前、課長と副課長には念のため妊娠を伝えていました。半年前に死産しているから不安だと言う私を、「大丈夫だよ!」と励ましてくださいましたが入院してしまい、大変心配をお掛けしてしまいました。パートだし1年契約だし復帰する目

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死産後の妊娠のこと③。

月曜日。朝から先生の診察がありました。

出血はまだ続いていました。

改めて、土曜日に少し多めの水っぽい出血があったことを直接伝えました。破水じゃないかと思って心配だと。先生は何とも返答せず少し暗い顔で診察を初めました。エコーを見て顔色が変わりました。

「血が減ってます。」

エコーを見ると、金曜の夜、広範囲にあった血溜まりが半分以下になっていました。

先生は、羊水が減ってる様子はないから、

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死産後の妊娠のこと②。

血を見て呆然としました。

また赤ちゃんいなくなっちゃうの?

恐くて恐くて手が震えました。

夜でしたが、すぐに病院に電話しました。看護士さんに出血しましたと伝えると、すぐに来院するように言われました。

週末で、主人は晩酌してお酒を飲んでしまっていたので、近所に住む母に電話し、すぐに来てもらいました。玄関で母を待っている間も無意味にウロウロしたりバッグを持ったり下ろしたり、気持ちが落ち着かずど

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死産後の妊娠のこと①。

2012年3月に死産してから、目にする妊婦さんが、小さい赤ちゃんを抱いているお母さんが、羨ましくてたまらなかった私。仕事を始めたものの、すぐにでも妊娠したくてたまりませんでした。

とても幸せなことにその願いは叶い、同年9月に新たな妊娠が分かりました。

もちろん嬉しかったです。でも、嬉しさの10倍くらいの不安を感じました。

全く素直には喜べませんでした。妊娠はしたけど、本当に産まれてくると思え

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死産後のこと。

退院して1週間後、すぐに就職活動を始めました。

家にいると余計なことばかり考えておかしくなりそうでした。

幸い、一回の面接で決まったので、長女を保育園に預けて一年契約のパート勤務を始めました。外に出て人と会うことで気は紛れましたが、その分妊婦さんを目にすることも度々ありました。

羨ましくて羨ましくてたまりませんでした。

すぐにでもまた妊娠したくて、毎月生理が来る度に泣いていました。

死産

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死産のこと③。

心臓が止まってしまった赤ちゃんを産んだ次の日、役所に赤ちゃんの火葬許可をもらうための死産証明を病院からもらいました。

性別の欄に「男児」と書かれていました。

涙が止まりませんでした。

すぐ夫に電話して「赤ちゃん、男の子だったよ。ごめんね、男の子ほしいってずっと言ってたのにごめんね。」と泣いて謝りました。赤ちゃんが生まれてこれなかったのは自分のせいでも誰のせいでもないことはもちろん分かっていま

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死産のこと②。

お腹の赤ちゃんの心臓が止まっていることを知ってから入院して出産するまで、一週間ほどありました。

早く出してあげなきゃ、でも離れたくない、だけど出してあげなきゃ。

感情の波が激しすぎて溺れてしまいそうでした。

今このままこの子を抱えて死んだら、一緒に焼いてもらえるかな。

そう考えたりもしました。

娘がいなかったらいつそうしてもおかしくない精神状態でした。私の命は小さな娘に何度も救われました

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死産のこと①。

2012年3月。妊娠16週目に死産しました。

妊婦健診に行ったら赤ちゃんの心臓が止まっていました。

いつもどおり健診に行って、体重を計って、お腹の大きさを測って、心音を聞こうとしたら…?聞こえない。まだ小さいし位置が悪いのかなーという看護士さんの言葉を聞きながら診察室へ。不安がよぎる。お腹にエコーの器械をあてながら先生の顔が曇る。

「心臓が動いていません。」

先生が言いました。

「どうし

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