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外国産カブトムシ・クワガタムシについて思うこと

こんにちは、ネイチャーエンジニアの亀田です。

僕は虫が主役のゲームアプリをいくつか配信していますが、たまにユーザーの方から「外国産のカブトムシやクワガタムシを登場させて欲しい」と言われることがあります。

こういったご意見は、ゲームの改善や運営の参考になるのでとてもありがたいです。

ただ上記のご意見に関して、少なくとも現時点ではそれらの虫をメインで登場させる予定はありません。

僕はもちろん外国の生き物も大好きなのですが、今僕が目指す方向においては「日本の生き物の魅力を伝える方が大事」だと思っているのです。

というわけで今回は、「外国産カブトムシ・クワガタムシ」に対する僕の思いについて書きたいと思います。

子供の頃、外国産カブトムシ・クワガタは憧れの虫だった

SNSなどを見ていると、外国産の生き物を取り巻く状況は、僕の子供の頃と大きく変わっているように感じます。

僕ももちろん海外の生き物も大好きで、子供の頃は図鑑でヘラクレスオオカブトやコーカサスオオカブトを見ては、「かっこいいなあ」「いつか会いたいなあ」と眺める毎日。

特に憧れの虫だったのはニジイロクワガタで、「大人になったらオーストラリアに行って実物に会うんだ!」と思っていました。(まだ叶えられず。いつか実現したい!)

ところがいつからか外国産昆虫の輸入が解禁され、憧れの昆虫たちも数千円あれば購入できるようになっていました。

僕の子供時代は「海外にいかなければ絶対に出会えない虫」だったのが、今のこどもたちは「ショッピングモールや通販で購入することで、比較的手軽に出会える虫」に変化しています。

僕の子供時代、僕のように外国産昆虫に想いを馳せるような子は正直マニアックな部類だったと記憶しています。

ところが現在、僕が見ている限りでは、今の子供たちにとって外国産昆虫はかなり身近になっており、僕の子供時代よりも詳しく知っている子も多いように思います。

この状況は「昆虫や生き物に興味を持つきっかけになる」という良い面がある一方で、問題も抱えています。

輸入された昆虫が引き起こす問題

代表的な問題としてあるのが、輸入された昆虫の「放虫問題」です。

飼育個体が逃げたり野外に放たれた虫たちは、その後野生化して繁殖してしまうことがあります。

その場合、もともと日本に暮らす在来種に悪影響を与える可能性があるのです。

例えば、

  • 本来在来種が確保するはずだったえさやすみかなどの資源を奪ってしまう

  • 外来種が在来種と交雑してしまうことで「遺伝子汚染」が起きてしまう

といった問題があります。

実際、2018年からは一部の外国産クワガタが「特定外来生物」(飼育・栽培・保管・運搬・輸入・販売・譲渡・野外に放つ、などの禁止)に指定されており、影響が大きいことを示しています。

この問題については、僕の個人的な感情としても思うところがあります。

憧れの虫との出会いを残念なものにしたくない

先述の通り、僕にとって海外の昆虫たちは「いつか会いたいと思っている、憧れの虫」です。

本来、現地で実物に会えたら「やったー!」とガッツポーズをするくらいに嬉しい出会いになるはず。

ところがもし、国内で自然観察中にもし放虫個体に出会ってしまったら…

その初めての出会いは、むしろ悲しいものになってしまいます

憧れの虫との初めての出会いなのに、そんなのは残念過ぎます。

だから少しでもそんな事態が減らせればと…

僕のブログに外来種が登場する時は、説教臭くなってしまうとは思いつつも

生き物は責任を持って買おう
飼育個体は慎重に管理しよう

と訴えるようにしています。

日本にも知られていない魅力的な虫がたくさんいる

ここまで伝えてきた通り、僕の子供時代に比べて外国産昆虫の知名度は上がったと思います。

一方で、日本の虫たちについてはまだまだ知られていないものが多い

あまり知られていなくても、日本の虫にも外国産昆虫にも負けないくらい魅力的なものがたくさんいます。

しかも知られていないがゆえに、生息環境が壊されたりして人知れずに姿を消しているものも少なくありません。

そんな現状から、僕は自宅近くの森の保全活動に参加して、その環境や生き物を未来に繋げるべく活動しているのですが…

あらためて、保全には時間も労力も掛かることを実感しています。

つまり、各地の生き物や環境を残していくことは、"現地の人でないとできない"のですね。

ではそのために僕は何ができるのか?

その答えの1つが「身近な自然や生き物の魅力について、多くの人に伝えていくこと」だと考えています。

ここで冒頭の話に戻りますが、このような理由から僕のゲームアプリでは「日本の生き物を登場させること」そして「日本の生き物にもっと興味を持ってもらうこと」にこだわっているのです。

今見られる生き物たちを未来に残すのにはたくさんの課題がありますが、それらの課題に向き合って、今後も自分にできることを考えながらやっていこうと思います。

というわけで、さまざまな生き物の魅力をブログやアプリで発信していますので、よかったらこちらもぜひご覧になってみてください!

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