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バトラーズ アイリッシュウィスキートリュフチョコ

あっ。美味しい。

眠気覚ましのコーヒータイム、なんの気なしに食べたチョコレートのほうに目が覚めた。ちょっと、これは。
思い切りビターなカカオのパンチ、ざらりと武骨な舌触り、じいんと顎が痺れる大人の風味。もごもご舌で転がしながら、適当に破ってしまったパッケージの皺を伸ばす。バトラーズ、と品質表示の日本語表記。

確かチョコの祭典、バレンタインかなにかの折の頂きもの。小物と合わせて贈られて、洒落たパッケージと相まってセンスの良さに感謝感服した覚えがある。しかしチョコバーとなると気軽にちょいとつまみづらく、冷蔵庫でじっと眠っていた。本格的に暑くなり、チョコレートが重たく感じる前に、と梅雨冷えの今取り出した次第。

バトラーズ。アイリッシュウィスキートリュフチョコ。
原産国名、アイルランド。勇んで検索してみると、すぐさま何件もヒットした。通販サイトは後回し、知りたいのはバトラーズの来歴履歴。アイルランド滞在中の日本人のブログに「アイルランドの老舗チョコレート」と紹介されていた。1932年、イベントで売り出された手作りチョコレートがいまやカフェやチョコレート土産として有名らしい。

日本で買える店はないか。残念ながら実店舗では確認できず、輸入食品の通販サイトで一つ75g410円(税抜)程度と見つけられた。すばらしい。プチギフト候補のリストにメモしておこう。

ウィスキートリュフ、ということだがあまりお酒の風味は強くない。パーセンテージは書いていないけれど、高カカオ特有の顎が痺れる食味からして大人向け、しかも男性向けな印象だ。中側のガナッシュは外側より少しだけ柔らかいくらいの堅い歯ごたえ。サイズはおおよそ厚み一センチ、幅は三センチ、長さ十二センチ。一度に食べきるには少し多いような気がして、やっぱり10gくらいの七粒に分けてほしいなぁ、と甘やかされた日本の消費者は考えてしまうが、アイルランドではこれくらいぺろりなのかもしれない。

じわり、口の中でとろけるほろ苦さ。ふくよかに膨らむカカオの余韻を残し甘さがさらり消えていく。

あぁ、思わぬ美味しい時間だった。ご馳走様でした。