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文トレDAY67 38-セミナー編(3)火龍

PM11:00 ロスアンジェルス。アメリカ人は背が高い、その中に混じって日本人数人が並んでいた。それは、山の中にある谷のように見えたかも知れない。11月のロスの天候は最高気温23度、最低気温12度。数字の上では少しだけ暖かいかと思っていたが、到着したらTシャツでもいけそうな陽気だった。
真夜中に数1000人の人々が素足で歩いている。異常な光景だ、コンベンションホールから歩いてとあるところに向かって数1000人の集団は移動していた。
アメリカに着くといつも感じるこの乾燥した空気感とこの香り、日本では嗅ことは無いアメリカの独特の香りがある。その香りを嗅いだ時いつも、あぁアメリカにまた来たんだと感じさせてくれる、アメリカの香りに混じって炭が焼ける匂いと煙の香りがした。

集団の先頭付近から歓声がする。アメリカンな叫び声だ!まるで映画のワンシーンをライブで見ているそんな気持ちになる。また、火と煙も見える。先頭は大きな駐車場にいる。

火と煙が近づいた。緊張はしていたが恐れの混じった緊張ではなかった、これから起こることを「やってやる!」という気分が体全体をバリアーのように覆っていた。そんな状態だった。

炭はいこっつていた。「いこる」とは関西地方の「方言」だったのに気づいたのはごく最近のことだ。炭が燃えて赤くなっている状態を「いこる」というのだ。幅1.5メートル、長さ10メートルの炭火は、いこっつていた。ファイヤーウォークのために用意されたセットだ。1000人以上の人を「さばく」ためにこのセットが数10レーン並んでいる。
上空からみると赤い帯が一本の捻れた帯ように見えた、ところどころから炎と煙が舞い上がるその様は大きな火龍かりょうを思わせた。

瞬間だった、熱いという感覚は無く、無感覚だった。歩き終わった後足に水をかけられたのが心地よかった。
はじめてのファイヤーウォークの体験だ。
ボランティアの外人たちが一斉にかけよって、ハイタッチとハグをした、外人の体幹は強い、ハグで窒息するかと思う、今まで感じたことの無い達成感が体を覆い込んでいた。涙が吹き出した。
「なんでもできそう」
自分にはまだ開花していない能力がある。
親から授かったこの命を大事にしていてよかった。
そしてこんなスゴイ可能性がある命を両親から授かったことをあたらめて両親に感謝した。

Unleash the Power Within DAY1

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