見出し画像

「ウミガメのスープ」でチームの心理的安全性をつくる

こんにちは、デルタです。
ナビタイムジャパンの研究開発部門で、道路規制や渋滞情報などの交通情報提供を担当しており、開発者と兼任でスクラムマスターもやっています。


心理的安全性が保たれるチームにしたい

本音の議論、できていますか?

突然ですが、みなさんのチームは朝会やミーティングで本音を交えた議論ができるチームになっていますか?

もしなっていない場合、いろいろな理由が考えられますが、

  • できたばかりのチームでお互いに馴染めていない

  • メンバーと話す機会があまりなくお互いをよく知らない

  • 新しくジョインしてくれた人など緊張しているメンバーがいる

など、メンバー間の心理的安全性が保たれていないことが原因であるかもしれません。

心理的安全性が保たれていないと、質問がしにくい雰囲気になってしまっていたり、メンバーが遠慮してしまってよいアイデアが出にくくなったりなど、大きく生産性を下げる事態にもなりかねません。

心理的安全性の向上のための雑談は難しい

「じゃあ、心理的安全性が担保されているチームにするために雑談の時間を設けよう!」「メンバー間でも1on1をやってみよう!」など、とにかく雑談をするというのがよく聞く解決方法ですよね。

しかし、いきなり

「はい、今から雑談をしてください!」
「直近はどうですか?何かありますか?」

と言われても、

「うーん……、特に何もないですね。元気です。」

と返答して終わってしまうというケースも多いのではないでしょうか。

会話がうまくいかないと気まずい雰囲気になって逆にメンバー間の心の距離が離れてしまうかもしれません。

そこで、今回はわたしたちのチームで毎日やっている「ウミガメのスープ」をご紹介します。

ウミガメのスープとは?

ウミガメのスープのルール

ウミガメのスープとは、出題者が提示した情報だけでは不思議に思える状況に対して、「はい」「いいえ」で答えられる質問によって真相を解明していくというゲームです。

例えば、

普段は優しいお父さんが突然鬼のようになってしまった。一体なぜ?

という出題に対して、

「お父さんは怒っていますか?」→「いいえ」
「季節は関係ありますか?」→「はい」
「節分ですか?」→「はい」

というように、質問を繰り返してゲームを進めていきます。

ウミガメのスープが雑談より優れている点

わたしたちのチームでは、最初にコロナ禍のリモート飲み会でこのゲームをやりました。
飲み会の場でもかなり盛り上がったのですが、「頭が冴えそうだし、朝会でやってみても面白いんじゃない?」という話になったのが朝会でウミガメのスープをやるようになったきっかけです。

ためしに毎日の朝会でやってみたところ、

  • ボードゲームほどかかる時間や覚えるルールが多くないため誰でもできる

  • 準備が楽なのに会話のやりとり回数が多く、コスパがいい

  • 「Aさんはじっくり状況を整理するのが得意」「Bさんはとりあえず色々な質問をして探ってみる」など、問題に対するチームメンバーの考え方もちょっとずつわかってくる

  • 一つの問題に対して取り組むことでちょっとずつ結束感が生まれる

  • たまにそのテーマに対して雑談が発生することもある

など、シンプルに「雑談をしよう!」と言われて放置されるより優れている点も多く、思いがけず良い取り組みになりました。

毎日できる!詳しいやり方の紹介

ウミガメのスープの難点

ウミガメのスープを実施するうえで一番難しいのが問題選定です。

ネットで検索をするとたくさん問題が出てきますが、納得感のないものや時間がかかりすぎてしまうものも多く、毎日準備をするのが大変になってしまいます。

チームでやるためにおすすめのウミガメのスープ問題集

そこでわたしたちのチームでは市販されているウミガメのスープの問題集を購入しました。

実際に使っているのはクイズ法人カプリティオさんが出されているこちらの問題集になります。

問題のクオリティも安定していて、かかる時間や難易度が記載されているので「リリースも終わってひと段落したところだから、じっくり難しい問題を解いてみよう」「今日はこの後ミーティングあって時間ないから簡単なやつで!」など日によって柔軟に調整できるのがとても便利です。

カードに問題が書かれているので、本の問題集よりもチームメンバー全員で見やすいのもポイントだったりします。

実践している実施方法

実際にわたしたちのチームが毎日の朝会の中でどのようにウミガメのスープを取り入れているかもご紹介します。

普段朝会ではタスクの共有やリリース物の確認等を行っていますが、それらを行う前の一番最初のアイスブレイク的な役割として取り入れています。

時間は日によってまちまちですが、はやめに終わらせる時は5分程度、長い時は15~20分程度かける時もあります。
チームやメンバーの状況を考慮しながら問題の難易度によってかける時間は調節しています。

毎日やるのが難しいというチームは、1週間に1回など頻度を調整する、もしくはふりかえりやミーティングの前に実施してみるというのもいいと思います。

こういったワークは継続できなくなることが課題になりやすいので、チームで続けやすい方法を探っていきたいですね。

ウミガメのスープの実際の効果

ウミガメのスープを毎朝やってみての感想をメンバーにも聞いてみましたので、いくつかご紹介します。

朝会や業務の効果が上がる

  • アイスブレイクになって朝会が良い雰囲気で行われている気がする

  • 業務の始まりが楽しいことから始まるのが良い、メンタル的に良いところから1日を始めることができる

  • 頭の体操になって朝会でアイデアが出やすい気がする

コミュニケーションコストの低下

  • 発信することが苦手な人や、新卒の人とかは良い練習になる

  • 朝会や業務中に分からない点があった時納得するまで質問しやすくなる

新しくジョインしたメンバーから

ウミガメのスープをはじめてから新しくジョインしたメンバーにも感想を聞いてみました。

自己紹介などのプライベートに関するコミュニケーションは億劫な人もいると思いますし、フリーなコミュニケーションだと稀に盛り上がらないことがありますが、その点ウミガメのスープだとお題について話しているだけなので気にせずコミュニケーションが取れます
また、面識の薄いグループにジョインした場合でも自分から質問せざるを得ない状況になるので、ウミガメのスープを通して業務中も質問しやすくなったと思います

新しいメンバーのジョインを想定して始めた取り組みではありませんでしたが、迎え入れた側としても毎日ウミガメのスープを通して会話をすることで業務の話も共有しやすくなった感覚があります。

まとめ

今回は「ウミガメのスープ」というゲームを使ってチームの心理的安全性を作っていく方法とその効果をご紹介しました。

ぜひみなさんのチームでも試していただければと思います。