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シエナ・ウインド・オーケストラのトロンボーン奏者、郡 恭一郎さんの新録音!ニューアルバム「エタンセル」についてお話を伺いました

シエナ・ウインド・オーケストラなどで活躍するトロンボーン奏者、郡 恭一郎さんが最新アルバム「エタンセル」をリリースしました。
スパークの大作「トロンボーン協奏曲」、トロンボーンで奏でるストラヴィンスキー「プルチネッラ組曲」やトランペットで有名な「ヴェニスの謝肉祭」を収録。かなりの高い技術を要求される難曲に挑戦した意欲作になっています。郡 恭一郎さんの心意気が伝わるような重厚なサウンドと、見事にサポートする神永睦子さんの美しいピアノは必聴です。

トロンボーン奏者なら一度は挑戦してみたい難曲揃いのこのアルバムについて、お話を伺いました。

───6枚目になるニューアルバムのリリース、おめでとうございます。前作の「プリエール」は全編ジャズ・ポップスのアルバムでした。今回はクラシカルな選曲となっていますが、選曲のポイント、コンセプトなどがあればお教えくださ
い。

有難うございます。「プリエール」は初のジャズ・ポップスのアルバムだったせいか?良い売れ行きです。ただ、私は或る意味「二刀流」とは言え、割合としてはクラシック系での活動が多く、また、シエナ・ウインド・オーケストラに31年所属していますので、今回はその系統の作品、そしてなるべく幅広い方々に楽しんで頂けるような選曲を意識しました。ただ、コロナ禍でホールの使用時間がトータルで5時間近く短縮され、収録時間がいつもより短いのが少し心残りです(この長さでも充分と言う事にもなりましたが、、)。

───アルバムタイトルの「エタンセル - Étincelle」はフランス語で「火花、輝き、きらめき」などの意味がありますが、このタイトルに込められた思いなどがあればお教えください。

最初は収録曲からのタイトルや、英語でのタイトル等を考えたり勧められたりしましたが、2作目の「スペシャル」は綴りをフランス語にしましたし、「プリエール」もフランス語です。フランス音楽やフランスのトロンボーンは私の原点の1つなので、今回も出来ればタイトルをフランス語にしたかったのと、コンチェルトの作曲者のフィリップ・スパーク氏のスパークをフランス語に置き換えると「エタンセル」になりますし、意味合い的にも色々と良いので、このタイトルに致しました。やはりフランス人の著名奏者の友人達からのリアクションは多いですね。

───「プルチネッラ」「ヴェニスの謝肉祭」は、ともに奏者泣かせの演奏難易度が高い作品ですが、今後、技術的に挑戦してみたい作品があればお教えください。

今回収録候補になっていた難曲で大作の、ヨハン・デ・メイ氏の「Tボーン・コンチェルト」、この所コンサートで演奏したジョージ・ガーシュイン氏の「ラプソディ・イン・ブルー」等は次回には収録したいですね。トロンボーンのハイテクニック等が多く要求されるアーサー・プライヤー氏の小品は、既に色々と収録していますが、もう少し彼の曲を入れたい気持ちも有ります。「ヴェニスの謝肉祭」は他のアレンジも幾つか出ているので、それらも興味は有りますね。ちなみに今回のスパーク氏の「トロンボーン協奏曲」も最高難易度の曲の1つと思っています。

───クラシックとジャズの両方を演奏するスタイルは、これまでのキャリアにどのように活きていますか? また、同じように活動していきたいと考える若い奏者や学生にアドバイスがあれば併せてお聞かせください。

トロンボーンは殆んど全てのジャンルの音楽で使用されますし、沢山のジャンルを演奏する吹奏楽での演奏や、指導も多い私としてはかなり役立っています。クラシックもジャズも、多くの巨匠の方々と共演も出来ましたし、これからもそうなるべく頑張ります。アドバイスは、取り組むならば、どちらも中途半端にならないようによく工夫をして、奏法等も含め、様々な部分で充分にリンクするようにしていくことが大切だと思います。広く深く、が理想ですね。

───このアルバムをお聴きになるリスナーへ向けてのメッセージ、告知などあればお願いいたします。

このアルバムは勿論ですが、全6種類の私のアルバム全てをお聴き頂けると大変嬉しいです。そして7枚目へ進めるよう、是非応援して頂ければと思います。
確かに今回、収録時間がいつもより少し短くなりましたが、全編をお聴きになると、それもあまり気にならないと私は感じました。P・スパーク氏ご本人にも是非聴いて頂きたいですし(以前、彼の小品「ソング・フォー・イナ」を収録した1枚目のアルバム「ブラジリア」を彼に進呈した所、大変喜んで下さったので。)、組曲とは言え、「プルチネッラ」のトロンボーンでの録音はかなり希少だと思います。「ヴェニスの謝肉祭」も、今回はいつものような「速さ」よりも「エレガントな演奏」を心がけました。是非末長くお楽しみ頂けますと、とても嬉しく思います。


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【商品情報】
エタンセル - Étincelle
演奏:郡 恭一郎(トロンボーン)/神永睦子(ピアノ)

収録楽曲:
1-3. スパーク:トロンボーン協奏曲
4-11. ストラヴィンスキー/D-B.ピエナール編曲:プルチネッラ組曲
12. アーバン:「ヴェニスの謝肉祭」による変奏曲

レーベル:MClassics 品番:MYCL00014
商品形態:CD/各種音楽配信
2022年5月20日発売 CD価格:3,300円 (税込)

●郡 恭一郎
 公式ホームページ http://fuzzy.la.coocan.jp/
 Twitter @fuzzycolin / Facebook / Instagram / Youtubeチャンネル
●MClassics 妙音舎
 Twitter @MClassics4 / Facebook @myoonsha