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文化系謎キャリア・インタビュー⑩ 鈴木ラーソンさん 日本にあるものを海外に。可能性を信じて突き進むキャリアにおいて、“軸”を大切にするには。

(記事担当:橋本名菜)

はじめに

今回インタビューさせていただいたのは、私がお世話になっているインターン先のパフォーマー/グローバルリーダーである鈴木ラーソンさんです。ダンスショーや舞台演出を主とした業務や、フィットネス業界を対象としたイベント企画、映像コンテンツの制作などエンターテイメント業界で幅広くキャリアを積んできたラーソンさんに、これまでの経緯や今後の目標についてお伺いしました。

ダンス公演のリハーサル前のラーソンさん。都内の骨董屋さん前で。

鈴木ラーソン(LARRSON SUZUKI)
1989年フィリピン生まれ。18歳からダンスショーや舞台演出を主とした業務を経験。 25歳より5年間、大手総合型エンターテイメント会社にてフィットネス業界を対象としたイベント企画や、オリジナルの参加型フィットネスライブプログラムを考案する。 また自身もフィットネスアーティストとして音楽活動を実施。 27歳より自身が開発した透過スクリーンを用いたダンス×映像コンテンツ制作を実施。 29歳にはアメリカNYC Lincoln Center for the Performing Artsにて、オペラ「椿姫」に透過スクリーンを用いた映像作成・振付を行い、日本放送協会(通称NHK)で報道されるなど、グローバルレベルで注目されるコンテンツ作りに功を成すことができた。 エンターテイメント業界での豊富な経験を活かし、今後のクリエイティブな可能性に挑戦し続ける。

これまでの経歴について

幼いころからミュージカルを習い、ステージに立って人から認められたいという思いが昔からあり、実際にダンスが高く評価されてきたというラーソンさん。最初は、アンダーグラウンドシーン(商業性を無視した前衛的・実践的なダンス活動、かつ技術重視)で活動していたという。しかし、大衆に喜んでもらいたい、ダンスのスキルを使って何か人に影響を与えたい!という考えが次第に強くなり、オーバーグラウンドに切り替えることで認知度や評価を得たそうだ。その後はスイスやフランスなど海外に渡り、さらにダンスの経験を積み、25歳の時、Avex(東京の大手総合型エンターテイメント会社)からスカウトされ、次世代フィットネスプログラムをお願いされる(5年契約)。これまではエンタメ業界を積極的に伸ばしてきたが、エンタメはあくまで娯楽であり余裕がある人のものだと思っていたため、これがないと生きていくことができなくなるような職業やサラリーマンとしての経験をしておきたいと思い、インフラエンジニアに挑戦。そして、現在所属している株式会社アッシュに就職をしたそうだ。これらの経緯を踏まえた上でいくつか気になったことについてインタビューさせていただいた。

本編インタビュー

― 16歳からプロダンサーとして活躍し、師匠だと思ってついてきてくれる生徒もいたというラーソンさんにとって、プロダンサーという道もあった中で、東京で新たな挑戦をしようと思った理由はなんだったんですか?

ラーソン:仕事としてダンスをやっていく中で、生徒に教えることはできても、自分の生徒たちに仕事を与えてあげることができるのかについてふと考えたとき、自分にこんなについてきてくれる生徒に僕は何も返してあげられないということに気がついたんだよね。

やっぱり僕の中の目標として、人に何かを与えられる人間になりたいという気持ちが強かったからかな。ダンサーとして頑張ることだけが自分にとっての使命ではないということに気づく瞬間があったんだよね。それで次に進もうと思って考えたときに、ダンスのマーケットを広げる人ってどんな人だろうということに興味を持ち始めたんだよね。

オーバーグラウンド時代のラーソンさん(前列左から2番目)

― 上場企業を超えて挑戦したいという思いからavexと契約してフィットネスダンスプログラムを新しく開発することを決意されたわけですが、そのきっかけはどういった思いから?

ラーソン:ダンスを基盤とした仕事がしたい、そういう市場を作りたいとなった時に、フィットネス市場がダンス市場も盛り上げているということに気がついたんだよ。自分の強みであるダンスをきっかけに新たな業界を広げていきたいと思ったからだと思う。

― 株式会社アッシュに就職してからの現在のラーソンについてもお聞きしていいですか?

ラーソン:アッシュは本当にやりやすい!正直であればあるほど意見を汲み取ってくれる会社だと思う。この会社で自分の可能性をこれからもどんどん広げて、アッシュにいる人=いい人だね、面白い人だねと思ってもらえることが今後の目標。今は海外に向けてインバウンド体制を整えています。

avexで新たなプロジェクトに挑戦しているラーソンさん

― ダンスにおいて欧州や北米などでも経験を積まれているラーソンさんですが、アッシュでも海外とのつながりに力を入れて取り組み続ける理由を教えてください。

ラーソン:英語でしゃべる自分と日本語をしゃべる自分とは二面性があると思っていて、日本でやってきたこと、大切したいものを守りつつ世界で自分がどこまで行けるのか試したい気持ちがあるのかもしれない。海外と交わることで、自分の心の豊かさや人と人とをつなぐ力を使って人の心に何かを感覚的に訴え、発揮したい。国関係なく平等に良いなと思える瞬間をもっともっと広げていきたいですね。

おわりに

最後に今後の目標や夢、今の私へのアドバイスについてインタビューしました。

― 10年後の目標、これからの自分はどうなっていたいですか?

ラーソン:いろんな国でいろんな景色を妻と一緒に見ていたいな。仕事をしながら新しいビジネスやシナジーを生み出していけるような人間になりたい。今まで以上に国を超えていろんな人と出会い、つながっていきたい。

― ラーソンさんから見た今の私へ何かアドバイスはありますか?

ラーソン:今の僕はいろんなことに挑戦しているように見られることが多いのだけど、規模が大きかろうが小さかろうが僕がやりたいことは1つだし、ブレない軸がある。それは多分、取り組む仕事の内容よりも僕がその仕事に取り組むことの意味、つまり自分がいったい何を追い求めているのかを問い続けるというところを大切にしているから。行動の意味を考えているというか。だから橋本さんにも「私は何をコンセプトにして取り組むのか、何を求めているのか」、何をするにもここの軸を大切にしてほしい、みんなやってるからこうじゃなくて、こういう自分を見つけてみたいからやってみるとか、自分の感覚を信じることを大切に頑張ってほしいです!

インタビューを終えて、いつもお世話になっているラーソンさんが実際にどんなキャリアを積んできたのかじっくりお話しできる機会をいただけてすごく嬉しかった。詳しく教えていただいたことに感謝の気持ちでいっぱいになった。いろんなことに挑戦するのはいいことだけど時に自分を見失うこともあると思っていたが、ラーソンさんは自分の中の軸を大切に一つ一つステップアップされているということがわかり、自分の今後の就活やもっと先の将来において参考にさせていただこうと思った。また、今ここに存在しない新たなプロジェクトを生み出したり、新しい自分を見つけるという点においては、プロデュースを学ぶ大学生としてとても貴重な経験になり、自分自身の今後の可能性について考えるいいきっかけとなった。

インタビューご対応いただきありがとうございました!

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