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人工衛星とロケット

今回はクイズ形式です。
下記の地名の場所には何があるでしょうか。

ケープカナベラル/米国
バイコヌール/カザフスタン
西昌/中国
クールー/ギアナ

これで分からない人も次の地名で分かるでしょうか。

種子島/日本

そうです。これは主要なロケットの発射基地がある場所です。

ケープカナベラル : スペースXをはじめとした米国のロケット
バイコヌール : ソユーズなどのロシアのロケット
西昌 : 長征
クールー : アリアンロケット
種子島 : H-IIロケット、H-IIIロケット

といった具合です。ただしこれらは比較的大型のロケットで、小型のロケットの発射基地は他にもたくさんあります。和歌山県の串本町にもありますね。

では次の質問です。

それぞれのロケット基地の場所は打上げを考慮して、各国の制約の範囲で有利な場所が選ばれています。どういう場所が有利なのでしょうか。

ヒントは地図上で場所を確かめてみると分かります。

答えは・・・

なるべく赤道に近いところを選んでいます。その他にも安全のため打上方向が海など、もしもの時に人的・物的被害が少なくなるような場所が選ばれています。

では、なぜ赤道に近い方が良いのでしょうか。

まず一つは地球の自転による速度を得やすいのです。地球は南北の地軸を回転軸にして自転しています。この関係で高緯度の場所より赤道上の方が速い速度で動いています。つまり赤道に近い方がロケットは初期速度が早くなるのです。

これに関連して多くのロケットは打上げた直後は地球の自転とおなじ向きに(西→東)に飛んでいきます。

また、静止衛星は赤道上空を回っています。高緯度(北半球)の場所から打上げると一旦南下して赤道上空に行ってから周回軌道に入ることになるため、最初から赤道に近い方が打上は有利です。

同じ性能のロケットを赤道上から打上げるのと、北極や南極に近い高緯度の地方から打上げるのでは、載せられるペイロード(人工衛星など)の重さに大きな差が出るのです。

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